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音曲日誌「一日一曲」#32 ジョー・ボナマッサ「Had To Cry Today」(Had To Cry Today/Premier Artists)

2023-05-03 05:00:00 | Weblog
2008年5月6日(火)

#32 ジョー・ボナマッサ「Had To Cry Today」(Had To Cry Today/Premier Artists)

ジョー・ボナマッサ、2004年のアルバム「Had To Cry Today」よりタイトル・チューンを。





77年、ニューヨーク州ユーティカ生まれ。「早熟の天才ギタリスト」とうたわれた人は数多くいるが(先日亡くなったジェフ・ヒーリーもその一人だった)、ジョーもまさにその代表選手。

なにせ8才でB・B・キングのオープニング・アクトをつとめたほどの早熟ぶり。10代なかばでベリー・オークリーの息子、マイルス・デイヴィスの息子らとブラッドラインなるバンドを結成して94年にメジャーデビュー。17才で既に完成の域に達したプレイで、世間を驚かせた。

2000年にアルバム「A New Day Yesterday」でソロ・デビュー、はや8年が経過している。

が、これだけのキャリアがありながら、まだ30そこそこという若さなのだ。

彼はジミ・ヘンドリクスに強い影響を受けながらも、オーソドックスなブルース・ギターもこなし、フレーズの端々にジャズ的なセンスもある。

汗臭さだけでなく、洗練も感じさせる彼の演奏を、ブルースとかロックとか、ひとつのジャンルで括ろうとするのは、ナンセンスというものだろう。

さて、今日お届けするのは、スティーヴィ・ウィンウッド作の「Had To Cry Today」。そう、幻のスーパー・グループ、ブラインド・フェイス時代のナンバーなのだ。

これが実にいい出来。もしかすると、オリジナルよりもいい出来かも、というぐらい。

何より、ギターが思いきりハードだ。おなじみのリフ、そして延々と展開されるソロ。テクがあるというだけでなく、実に気合いに満ちている。

原曲はどこか中途半端、未消化な演奏だったが、ジョーのカバー版は、メーターが振り切れたようなカッコよさに溢れている。また、そのベビー・フェイスに似つかわしくないコワモテな歌声もいい感じだ。

ブラインド・フェイスも、こういう熱い演奏をしていたら、そのデビュー盤も評価がだいぶん違っていたんだろうが、既にゴリゴリ弾きまくりのギターにあきていたクラプトンは、気の抜けたような演奏しか出来なかったのだろう。

一方、ジョー・ボナマッサ版はギター 、ボーカルだけでなく、リズム・セクションも彼と同じくらいエキサイティングだ。

というわけで、聴いてみるべし、入魂の一曲。きっと気に入ってもらえると思うよ。


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