NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#333 ジョニー・ギター・ワトスン「FUNK BEYOND THE CALL OF DUTY」(Collectables COL-5493)

2022-10-13 05:00:00 | Weblog

2006年10月28日(土)



#333 ジョニー・ギター・ワトスン「FUNK BEYOND THE CALL OF DUTY」(Collectables COL-5493)

ジョニー・ギター・ワトスン、77年のアルバム。彼自身によるプロデュース。

筆者が大学生だった時分にリリースされたこのアルバム、まず、ジャケがいいね。ハイレグ美女を従え、エクスプローラを携えて敬礼! このビジュアルが、なんともナイス。思わず、ジャケ買いしてしまう感じ。

中身も負けじとカッコええ。タイトル通り、ひたすらファンクな一枚。タイトル・チューン「FUNK BEYOND THE CALL OF DUTY」については、以前ジョニー・Gのベスト・アルバム評でも触れたが、歌というよりか唸り、うめきに近いボーカルが実にイカしとるね。「アウ」とか「ウ~」とか「ウェ~ル」とか、そういうあいの手の効果が絶妙。

語りとか、ラップとかを含めて、彼のボイス・ワークはどうしてこんなにヒップなんでしょ。やっぱり、筋金入りの不良、今流行りのちょいワルなんて裸足で逃げ出すモノホンの不良、ってことなんでしょうな。

スリーピースとボルサリーノ帽でビシッと決め、エクスプローラでペケペケとギターを弾く。溜息の出るようなカッコよさ。

あのヘナヘナした感じの歌唱でさえ、このうえなくクールに感じられる。そんなシンガー、ジョニー・G以外にいやぁしない。

アップテンポのファンク「IT'S ABOUT THE DOLLAR BILL」、しっとりしたラブ・バラード「GIVE ME MY LOVE」、ジョニー・Gお家芸、ダーティ・ワード・ラップ全開の「IT'S A DAMN SHAME」。どれもエロい&エグい歌詞と洗練されたファンク・サウンドが光っとります。

特に「IT'S A DAMN SHAME」は、ジョージ・ベンスンばりの、スキャットと同時のギター・ソロとか、カッコよすぎ。

続くアップテンポ・ナンバー「I'M FONNA GET YOU BABY」もグー。ジャズ・フレイバーあふれるギター・ソロに唸らされる。

曲作り、アレンジはいうまでもなく、ドラムスとホーンを除くすべての楽器を演奏しているのも、すげえのひと言。

「BARN DOOR」はフュージョンっぽいアレンジのファンク。ジョニー・Gはチョッパー・ベースも難なくこなし、お見事としかいいようがない。

ラストの「LOVE THAT WILL NOT DIE」は、ホーン・アレンジがちょいとラテンなノリのファンク。ここでも多重録音による、凝ったボイス・ワークがたっぷり楽しめる。

流して聴くもよし。じっくりと浸るもよし。ハイ・クォリティな音作りだから、何度聴いてもあきるということがない。

ブルースなんてほんの隠し味で、あとはひたすらファンク、ファンク、ファンク。ジャズやフュージョンでさえ、ジョニー・Gにかかっちゃ、彼のサウンドの調味料に過ぎない。

すべてにおいてジニアスな、ジョニー・ギター・ワトスン、快心の一作。あえていってしまおう。これを聴いてグッとこないやつは、イモかも。

<独断評価>★★★★



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