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NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音盤日誌「一日一枚」#302 ライチャス・ブラザーズ「ザ・ベスト!」(ポリドール POCP-1521)

2022-09-12 05:00:00 | Weblog

2006年1月15日(日)



#302 ライチャス・ブラザーズ「ザ・ベスト!」(ポリドール POCP-1521)

ソウル・アンド・インスピレーション/ミッドナイト・アワー/ゴー・アヘッド・アンド・クライ/ラスト・ダンスを私と/そして今は/陽のあたる島/マイ・ガール/ホールド・オン/ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー/ふられた気持/ドーヴァーの白い壁/我が心のジョージア/アンチェインド・メロディ/ひき潮/秘めたる恋/ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ/オール・ザ・ウェイ/グレート・プリテンダー/ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン

ライチャス・ブラザーズのベスト盤。90年リリース。

ビル・メドレーとボビー・ハットフィールド、血のつながりのない、ともに40年生まれの白人男性デュオ、それがライチャス・ブラザーズだ。62年に結成。

60年代にはブルーアイド・ソウルの先駆け的存在としてヒットを連発。70年代以降はメンバーチェンジ、解散、再結成等いろいろあり、結局グループは消滅。だが、過去の作品への人気は根強く、90年には「アンチェインド・メロディ」が映画「ゴースト~ニューヨークの幻」の主題歌となり、リバイバル・ヒット。残念ながら、2003年にはボビーが亡くなっている。

今日に至るまで実に40年以上、世界中のリスナーに愛聴されてきたアーティスト。また、他の後続アーティストに与えて来た影響力もハンパではない。

そんな彼らの黄金期のレコーディングをコンパイルしたもの。おなじみのヒットや、有名曲のカバーが目白押しである。

曲の知名度ということでは、何と言っても「アンチェインド・メロディ」、そして「ふられた気持」は双璧だろう。後者はホール&オーツをはじめとして、何度となくカバーの対象になっている。「ソウル・アンド・インスピレーション」、「ひき潮」、「ドーヴァーの白い壁」、「ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ」あたりも、二曲には劣るものの、当時はヒットしたものだ。

黒人のR&B/ソウルのカバーでいえば、「ミッドナイト・アワー」、「ラスト・ダンスを私と」、「マイ・ガール」、「ホールド・オン」、「グレート・プリテンダー」が白人とは思えぬ黒っぽいボーカルで聴くものをうならせる。特にボビーのハイトーンでのシャウトは、圧倒的。

同じ白人ボーカル・グループのカバーでいえばフォー・シーズンズの「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」も、彼ら独自のソウルフルな味つけで見事にカバーされている。

かと思えば、ジャズ系の曲もさらりとこなす。「我が心のジョージア」しかり、「秘めたる恋」しかり、「オール・ザ・ウェイ」しかり、「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」しかり。

ソウル系の曲に、いささかバックサウンドにしょぼいものがあったりするが、そのへんは力強い歌声でカバーしております。

金髪でハイトーンのボビーと、ブルネットでシブいバリトンのビル。全く対照的なふたりがハモることで、見事な化学反応を起こして、このうえなく魅力なコーラスを生み出したライチャス・ブラザーズ。

究極の男性デュオとして、サム&デイヴ、ホール&オーツなどとともに時代を超えて聴きつがれていくに違いない。

筆者にとっても、ブルーアイド・ソウルに興味を持ち、のちにブラック・ミュージックにも惹かれていくきっかけとなったグループのひとつ。まさに音楽的原点といえる一枚であります。

<独断評価>★★★☆




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