NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音曲日誌「一日一曲」#54 フェントン・ロビンスン「Slow Walking」(Night Flight/Alligator)

2023-05-25 05:09:00 | Weblog
2008年10月18日(土)

#54 フェントン・ロビンスン「Slow Walking」(Night Flight/Alligator)





フェントン・ロビンスン、84年のアルバムから、彼のオリジナルを。

本HPでフェントンを取り上げることは、これまでほとんどなかったですが(「パクりの殿堂」でECの「レイラ」のパクり元が、彼の作品「As The Years Go Passing By」だったなんて、小ネタぐらいですな)、ひと頃は日本でも、非常に人気の高いブルースマンだったんですよ、お若いの。

70年代、「ポストB・B・キングの急先鋒」みたいにいわれていた時期もあったぐらいで、人気投票でもつねに上位。現在のかすみ方が信じられないくらい。

それはともかく、フェントンといえば「Somebody Loans Me A Dime」(シングルは67年、アルバムは74年発表)、これでキマリ!みたいに片付けられがちですが、寡作ではありますがその後も何枚かのアルバムを出して90年代まで活動を続けていたんですよ。

で、これはアリゲイターからの3枚目ということになっていますが、実はオランダはブラック・マジック・レーベルが原盤という、いわくつきの一枚。

フェントンといえば、特徴あるメロウなギター・プレイばかり語られがちですが、もちろんシンガーとしても確かな実力を持っていて、それがあの「Somebody Loans Me A Dime」として結実したといえます。

力んで派手にシャウトしたりすることはあまりないですが、非常に深みのある、説得力のある歌声。繊細な高音と、包容力を感じさせる中低音をたくみに使いわける、見事な歌いぶりです。

フェントンの師匠格、レジー・ボイドのアレンジによる重厚なホーン・サウンドをバックに、彼のリズム感あふれるギターとボーカルが躍動する一曲。

メロウだけがフェントンじゃない、これを聴いてあなたもそう思うに違いありません。ご一聴を。


最新の画像もっと見る