王子さまは、あまり時間がなかったけれど、どうしたら親しくなれるかを聞きました。それには「忍耐」が必要なのだとキツネは言い、親しくなる方法を教えてくれました。
>はじめは、君はボクから離れた草の上にすわるんだ。ボクは君を横目でこっそり見る。何もしゃべってはいけないよ。ことばってのは誤解のみなもとだからね。だけど一日ごとに君は、ちょっとずつボクの近くにすわるようになるんだ。
王子さまは毎日、決まった時間にリンゴの木のところに行き、辛抱強くキツネに近づきました。キツネはその時間が近づくとわくわくするようになりました。ヒトの足音はどれも同じだったのに、王子さまの足音だけは特別な、音楽のように聞こえるのでした。そんなふうにして、王子さまとキツネは親しくなり、とっても仲良しになりました。
でも、別れのときが近づいてきました。
>泣きたいよ。
さびしそうに言うキツネに、王子さまは答えました。
>君のせいだよ。ボクは君を悲しませるつもりはなかったんだ。親しくなろうって言い出したのは、君のほうだったじゃないか。
>そうだよ。
>でも、泣くんだろう?
>もちろん。
>それじゃ、何もいいことはなかったじゃないか。
>そんなことはないさ。麦畑を見るたびに、君のことを思い出せるよ…。
つづく。
今日の表現:
「君のせいだよ。」
Es tu culpa.
>はじめは、君はボクから離れた草の上にすわるんだ。ボクは君を横目でこっそり見る。何もしゃべってはいけないよ。ことばってのは誤解のみなもとだからね。だけど一日ごとに君は、ちょっとずつボクの近くにすわるようになるんだ。
王子さまは毎日、決まった時間にリンゴの木のところに行き、辛抱強くキツネに近づきました。キツネはその時間が近づくとわくわくするようになりました。ヒトの足音はどれも同じだったのに、王子さまの足音だけは特別な、音楽のように聞こえるのでした。そんなふうにして、王子さまとキツネは親しくなり、とっても仲良しになりました。
でも、別れのときが近づいてきました。
>泣きたいよ。
さびしそうに言うキツネに、王子さまは答えました。
>君のせいだよ。ボクは君を悲しませるつもりはなかったんだ。親しくなろうって言い出したのは、君のほうだったじゃないか。
>そうだよ。
>でも、泣くんだろう?
>もちろん。
>それじゃ、何もいいことはなかったじゃないか。
>そんなことはないさ。麦畑を見るたびに、君のことを思い出せるよ…。
つづく。
今日の表現:
「君のせいだよ。」
Es tu culpa.