日本語プライベートレッスンの生徒に「ということで」はどんな意味か聞かれた。文と文をつなぐ意味があるのか?…と。
日本語ネイティブで日本語教師なのに、初中級レベルの生徒の質問に即答できないことは時々ある。この質問には「どんなときに使われていたのか?」と逆に生徒に質問してしまった。
ポッドキャストや YouTube で、二人の話し手が交互に話しているときだと言う。インタビューなのか、会話なのか、いまいち具体的にわからない。生徒は初中級レベルなので、話の内容が全部わかるわけじゃないが、時折唐突に発せられる「ということで」が強烈な印象で頭に残ったらしい。
「…ということ」を『教師と学習者のための日本語文型辞典』で引くと(以下、引用):
…ということ<内容>
(例)最初のオリンピックがアテネだったということは今まで知らなかった。
…ということ<意味>
(例)「灯台もと暗し」とは、身近なことはかえって気がつかないということである。
…ということだ<伝聞>
(例)山田さんは、近く会社をやめて留学するということだ。
など色々出ているがすべて文の中に組み込まれていて、唐突に発せられる「ということで」とは違うような気がする。「…ということ」から派生した独立用法みたいなのがあるんだろうか。
とにかく、私は生徒の聞きそうなポッドキャストや、YouTube、テレビ番組など、色々注意深く聞いてみた。すると、けっこう、本当に単独で「ということで」が使われているんだよね~。前置きのあと本題に入るときとか、ゲストに話を振るときとか、話題を変えるときなんかに。つまり文と文をつないでいる~というより、話題と話題をつないでいるのかもしれない。
私なんかは授業中に次のテーマに移るときなど「はい、では」と言ってしまう。口癖である。こうしたあまり意味のない掛け声みたいなものに、以前は「それでは」「ではここで」と言う人のほうが多かったのではないかと思う。いつの間にか「ということで」を使う人の割合が増えたのだろうか。
ということで、本日のスペイン語は「それでは」に使える ENTONCES を紹介します! ってな感じ。
ちなみに ENTONCES は幅広い状況で使える、ひとことでは和訳できない副詞だが、たとえば Y, ¿entonces? :それで? みたいなあいづちにも使える。気にになる方はぜひ一度、辞書に連なる例文を見てみてほしいと思う。
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