日本とアメリカの生活習慣の違いか、こと音楽については「やられた」と思うことが多いんだけれど、「映像」「動画」については「?」と思うことが多い。例えば今回のappleの発表にもあったポータブルデバイスで「映像」を見るという感覚。日本では「電車」による通勤者が多いし、そういう意味ではポータブルデバイスでアーカイブ化「映像」を見るというニーズは日本の方が高いような気がするが、もう1つそういった盛り上がりは感じられない。果たしてそこまでして見たい「映像」コンテンツというのはあるのだろうか。
オンラインでのビデオ配信を開始したアップル--その手法と展望はいかに
アップル、ビデオiPodと新型iMacを発表--動画配信に進出
あまり成功しているとはいえないけれど、個人的にはSONYの「ロケーションフリー」というものに注目している。これはもともと「エアボート」というTV受信可能な「ベースステーション」と無線LANを通じてその映像を受ける「モニター」が一対となったハードウェアだったわけだけれど、そのコンセプトを拡大する形で、PCやPSPといったデバイスでも受信可能なソフトウェアとして対応生まれ変わったもの。日本の様々な権利関係、法制度をすり抜けるような形で、個人利用に関して、テレビ映像をインターネットを通じていつでもどこでも視聴できるといった製品だ。
家でも外でもテレビが見られる--PSPが最新版ファームで「ロケーションフリー」に対応
この製品の注目している点は、1)各自のベースステーションでTV映像などを録画し、配信するということもあって、分散型・P2P型でのVODサービスを実現できる、2)ますます多様化していく趣味嗜好の中で個人が必要な映像を配信することができる、3)その一方で「最強のコンテンツ」地上波のテレビ番組を個人利用という前提でも配信することが可能である、4)無料である、ということ。現在の流れでいうと、インターネットの個人ユースのコンテンツ利用に関して言えば、分散型・P2P型での処理へとむかっている。Winnyなどを使ったコンテンツ流通やBlog、Podcastingなどの個人情報発信メディアの興隆、ある意味、googleの検索システムも旧Yahoo!のディレクトリ型に対しての分散型といってもいいのではないか。もちろん、これはシステム的にというよりも、コンセプト的にという意味だけれども。
P2P時代のテレビ録画
これに対してビデオiPodでの動画視聴はiTMSという商品だなから商品を購入する形態。P2Pのような形態でもないし、TV番組にしても1話単位での購入という手続きになる。商品数は今後増えるだろうし、Podcastingのような形態も出てくるのかもしれないが、もう1つ魅力のある広がり方を感じられない。しかも映像品質は320px×240pxとテレビ品質の1/4。日本の動画配信であれば、だいたい500kbpsレベルでの配信レートだ。
iPodで見るというのであればこの品質でも十分かもしれないが、感覚としては携帯電話で見たりするのと変わらない。むしろPSPの方がいいのではというレベルだ。
とコンテンツ自身はどうだろう。まずは「ABCとDisney Channelで放送されている人気テレビ番組が5本、短編アニメーションが数本、そしてミュージックビデオが、それぞれ1ドル99セント」とのことだけれど、ミュージックビデオはともかく、テレビ番組については、日本ではトレソーラが失敗し、NHKやフジテレビ、日テレ、TBS各社が参画を表明しているとはいえ、有料販売で目立った評判を聞いたことがない。HDDレコーダーの普及で自宅でのタイムシフト視聴は増えているのだろうが、それをPCで見る、持ち運んで見るといったところまでは行っていない。
またauやボーダフォンの携帯では既にテレビ受信が可能だし、ワンセグ放送の普及でよりその流れは加速するのだろうが、現時点で利用している人間は多くはない。ポータブルデバイスで持ち運んでまで見たいほどのコンテンツというのはあるのだろうか。
ただ今後期待したいのは、これを契機にPCやポータブルデバイス、さらにはTV(STBやHDR)へのダウンロード型の動画配信サービスが一般化する可能性が出てきた点だ。個人的には、現時点の方式でのストリーミング型配信はコスト的に採算が合わないものが多いと思っている。ただしこれまでは権利処理の問題、不正COPYの不安からストリーミング配信でしか許諾がおりなかったものが多い。しかし音楽配信の歴史を塗り替えた「iTMS」の登場だ。これまでのようにダウンロードはNGと単純に判断できないのだろう。これを契機に様々なコンテンツのダウンロード販売やレンタル型から売切型への転換というものが進むことを期待したいと思う。
地下鉄でテレビを見る-映像版iPodはあるか?
PCからTVを攻める-「TVポータル」の可能性
VODサービスの可能性について
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あまり成功しているとはいえないけれど、個人的にはSONYの「ロケーションフリー」というものに注目している。これはもともと「エアボート」というTV受信可能な「ベースステーション」と無線LANを通じてその映像を受ける「モニター」が一対となったハードウェアだったわけだけれど、そのコンセプトを拡大する形で、PCやPSPといったデバイスでも受信可能なソフトウェアとして対応生まれ変わったもの。日本の様々な権利関係、法制度をすり抜けるような形で、個人利用に関して、テレビ映像をインターネットを通じていつでもどこでも視聴できるといった製品だ。
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この製品の注目している点は、1)各自のベースステーションでTV映像などを録画し、配信するということもあって、分散型・P2P型でのVODサービスを実現できる、2)ますます多様化していく趣味嗜好の中で個人が必要な映像を配信することができる、3)その一方で「最強のコンテンツ」地上波のテレビ番組を個人利用という前提でも配信することが可能である、4)無料である、ということ。現在の流れでいうと、インターネットの個人ユースのコンテンツ利用に関して言えば、分散型・P2P型での処理へとむかっている。Winnyなどを使ったコンテンツ流通やBlog、Podcastingなどの個人情報発信メディアの興隆、ある意味、googleの検索システムも旧Yahoo!のディレクトリ型に対しての分散型といってもいいのではないか。もちろん、これはシステム的にというよりも、コンセプト的にという意味だけれども。
P2P時代のテレビ録画
これに対してビデオiPodでの動画視聴はiTMSという商品だなから商品を購入する形態。P2Pのような形態でもないし、TV番組にしても1話単位での購入という手続きになる。商品数は今後増えるだろうし、Podcastingのような形態も出てくるのかもしれないが、もう1つ魅力のある広がり方を感じられない。しかも映像品質は320px×240pxとテレビ品質の1/4。日本の動画配信であれば、だいたい500kbpsレベルでの配信レートだ。
iPodで見るというのであればこの品質でも十分かもしれないが、感覚としては携帯電話で見たりするのと変わらない。むしろPSPの方がいいのではというレベルだ。
とコンテンツ自身はどうだろう。まずは「ABCとDisney Channelで放送されている人気テレビ番組が5本、短編アニメーションが数本、そしてミュージックビデオが、それぞれ1ドル99セント」とのことだけれど、ミュージックビデオはともかく、テレビ番組については、日本ではトレソーラが失敗し、NHKやフジテレビ、日テレ、TBS各社が参画を表明しているとはいえ、有料販売で目立った評判を聞いたことがない。HDDレコーダーの普及で自宅でのタイムシフト視聴は増えているのだろうが、それをPCで見る、持ち運んで見るといったところまでは行っていない。
またauやボーダフォンの携帯では既にテレビ受信が可能だし、ワンセグ放送の普及でよりその流れは加速するのだろうが、現時点で利用している人間は多くはない。ポータブルデバイスで持ち運んでまで見たいほどのコンテンツというのはあるのだろうか。
ただ今後期待したいのは、これを契機にPCやポータブルデバイス、さらにはTV(STBやHDR)へのダウンロード型の動画配信サービスが一般化する可能性が出てきた点だ。個人的には、現時点の方式でのストリーミング型配信はコスト的に採算が合わないものが多いと思っている。ただしこれまでは権利処理の問題、不正COPYの不安からストリーミング配信でしか許諾がおりなかったものが多い。しかし音楽配信の歴史を塗り替えた「iTMS」の登場だ。これまでのようにダウンロードはNGと単純に判断できないのだろう。これを契機に様々なコンテンツのダウンロード販売やレンタル型から売切型への転換というものが進むことを期待したいと思う。
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