津端修一さん90歳、英子さん87歳
風と雑木林と建築家の物語
『人生フルーツ』劇場予告編
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。
津端家の裏にある高森山は40年前は禿山だった。
再生のため修一さんは「高森山どんぐり作戦」を考え約1万本の苗木を市民参加で植えた。
雑木林に囲まれた一軒の平屋。
それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。
四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わります。
刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。
ふたりは、たがいの名を「さん付け」で呼び合います。
おとうさん、おかあさんと呼ぶこともあるが返事がないときは「しゅういちさ~ん」
長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていました。
そう、「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」とは、モダニズムの巨匠ル・コルビュジエの言葉です。
作品解説より抜粋
かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきました。
1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。
けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。
修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、
自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめました・・・。
あれから50年、ふたりはコツコツ、ゆっくりと時をためてきました。
そして、90歳になった修一さんに新たな仕事の依頼がやってきます。
作品解説より抜粋
ふたりの出会いは65年前。
東京大学のヨット部だった修一さんが、国体出場のため、
愛知県半田市の英子さんの実家の酒蔵に泊ったのが始まり・・・
むかし、ある建築家が言った。
長く生きるほど、
人生はより美しくなる。
台湾・新北市にある淡海ニュータウンも25年前に仕事に関わった。
台湾でふたりの本が出版され 、出かけた・・・
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あしたも、こはるびより。
おうちは、いいなぁ。
ひでこ・しゅういち
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つばた家探訪
イラスト&デザイン:水野亮(東海テレビ)
「僕はなにを植えたかなんて分からないからプレートを作るんだ」
真っ黄色に塗ったプレートにひとつひとつコメントをつけて、、、
小鳥の水浴 どうぞ!
春ですよ
むかし、ある建築家が言った。
すべての答えは、
偉大なる自然の中にある。
英子さんはお料理上手、たわわに実った果実はケーキ用やジャム用や、、、etc、
そして修一さんはベーコン燻製を3日かけて・・・燻製缶の蓋が建築屋さんらしいアイデア☆
毎日毎日、とても忙しそうで、楽しそうで、、、
風を感じ、土を感じ、修一さんが作った家と英子さんの御飯やお菓子に舌鼓をうち、、、
風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土地が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
家族のイベントの日(餅つき)は気合を入れて、修一さんが海軍の旗を掲げるのがお決まり。
季節はめぐり、ある晴れた初夏の日、海軍が記念日に掲げる満艦飾。
それは修一さんを見送る旗。
2015年6月2日、畑の草むしりをした後のお昼寝から、修一さんは目覚めることはなかった。
その安らかな顔に、涙を堪えながら英子さんが話しかける。
「私はこれから一生懸命にやるから、大丈夫だから待ってて。私も灰になったら一緒に南太平洋に撒いてもらおうね。
ひとりで寂しいけど、また会えるのを楽しみに一生懸命やりますから。それまで元気に待っていてください。約束してね」。
亡くなる2か月前、佐賀県伊万里市、精神科病院「山のサナーレ・クリニック」の職員たちが来客。
患者たちが人間らしい暮らしができるよう、アドバイスを求めてきた。
謝金、設計料など辞退し「私も90歳、人生最後の良い仕事にめぐり合いました」
風の通り道をつくり、雑木林をつくり、四季折々の果実を植え患者たちが育てていく・・・
打ち合わせから2日で描き上げたレイアウトには、修一さんらしいコメントもちりばめ、
「できるものから、小さく、コツコツ。 ときをためて、ゆっくり」
8ヶ月後完成した施設を修一さんの写真と共に訪れる英子さん。
風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土地が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
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第91回キネマ旬報ベストテン 文化映画 第1位
第32回高崎映画祭ホリゾント賞
平成29年度文化庁映画賞文化記録映画優秀賞
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2年前の作品、アンコール上映で見る機会ができました。
下高井戸シネマは満席でした。
温かいしあわせが溢れそうで席を立つことができませんでした。
この素晴らしいドキュメンタリー映画人生フルーツを、機会があれば是非お薦め。
=記憶に残る英子さんの言葉=
① 年をとるといい顔になるのよ。
②「わたしジャガイモ苦手なのよ。すぐお腹いっぱいになるでしょ、ジャガイモって言うだけでいやなの。」
修一さんはジャガイモの入ったシチューやコロッケが大好きで嬉しそうに食べている。。。。
ジャガイモ好きな私はとても修一さんに共感 (*^▽^*)
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参考資料・参照=東海テレビ放送、公式サイト、人生フルーツパンフレット、映画.Com
評価 ★★★★★+★
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