新生フォ~☆シーズン~☆

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☆信州小布施 北斎館 * 旅する浮世絵

2021-05-02 | ♥アート

 

小布施と北斎

江戸時代後期の絵師・葛飾北斎(1760~1849年)

小布施町を初めて訪れたのは、1842年、数えで83歳のとき

小布施町の豪農にして文化人だった髙井鴻山(こうざん/1806~1883年)の招きにより逗留

 

晩年83~88歳にかけて4度も滞在した小布施

(江戸⇒小布施間を約8日駆けて230㎞を歩く)

※当時の平均寿命は約40歳前後、、、

現代の健康食品、玄米・雑穀などを食べていたとはいえ

80歳過ぎで好きな事とは言え、体力・精神力は凄いです

 

生涯に30回も雅号を改めたといわれる

小布施町で過ごした頃の雅号は「画狂老人卍(がきょうろうじん・まんじ)」

当時85歳だった北斎は、小布施町・東町祭屋台天井絵【龍】と【鳳凰】

翌年には上町祭屋台天井絵【男浪(おなみ)】と【女浪(めなみ)】

2図からなる怒濤図を描き上げています

また岩松院大間天井絵【鳳凰図】も描きました

 

 

大きな顔の絵からスタートです

 

作品のパネルを見ながら北斎の生涯を辿ります

 

「北斎漫画」

へ の へ の も へ じ

 

てくてく、ふらり、のんびり旅する 浮世絵

北斎は50代半ばから絵の仕事をする傍ら

筆と帳面を持ち「てくてく、ふらり、のんびり」日本各地に旅に出る

 

信州諏訪湖 氷渡

 

なかでも北斎が心惹かれたのは霊峰・富士の山

悠久の歴史のなかで変わることのない端麗な姿は

今も昔も人々の心を魅了し癒してきました

山梨・静岡に足を運び

富士の雄大な姿や、峠の宿場町、街道を行く旅人の様子などを描きました

その代表作が「富嶽三十六景」

※代表作や東京近辺だけですがご覧ください、今と江戸時代後期との違いがよく分かります

 

神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)

【絵画データ】
1831年作
横大判錦絵
収蔵場所 山口県立萩美術館・浦上記念館(山口・萩)

北斎の富士絵と並び評される大波が描かれた作品

うねる波の表現は北斎の類い稀な観察眼の元に捉えられ、迫力のある描写で描かれている

一つの波が次の波を誘い、画面全体が生き物のように呼応する姿はまさに傑作である

また同じ冨嶽三十六景の富士絵と対となり静の富士と動の大波の対比も素晴らしい

船は房総から江戸に鮮魚を運んだ押送船(おしおくりぶね)であることから

現在の「海ほたる」近辺の情景とされる

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凱風快晴(がいふうかいせい)

【絵画データ】
1831年作
横大判錦絵
収蔵場所 東京国立博物館(東京・上野)

現在でも北斎の名声は高く、大波と富士は特に人気である

この作品の「凱風」とは南風のことで、初夏のそよ風を現している

晴れた日の朝方には富士が鮮やかに赤く染まることがあり、その瞬間を描いている

富士の麓から伸びる木々や空の雲のコントラストが非常に印象的であるが

その真ん中に鎮座する富士の大山が全体の強く支配して見る者を魅了している

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山下白雨(さんかはくう)

凱風快晴が「赤富士」と呼ばれるのに対して、本作品は「黒富士」と呼ばれ、対となる作品

裾野に夏の積乱雲がたち、裾野は黒雲に被われ、稲妻が走り、大地の躍動感を感じさせる

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尾州不二見原(びしゅうふじみがはら)

富士山ははるか遠くに白く小さく描かれています

桶は斜め向きになっているのに、樽職人の体や桶の正面は平行になっていて、視座がはっきりしません

ですが、桶の丸い枠をフレームのように配しているため、主題である富士山は小さいながらも存在感があり

遠近の視座が混在していることで絵としてのインパクトも増しています

遠近法を手玉にとって、大胆で奇抜な構図をつくりあげるとは北斎おそるべし…。

現在の愛知県名古屋市郊外、富士見原を描いたもの

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隠田の水車(おんでんのすいしゃ)

穏田は、現在の原宿から神宮前辺りで、かつては畑や田んぼの田園風景が広がっていた

左側の水車では水汲みをする人たちが描かれ、この場所が生活に欠かせないインフラの中心だったことが分かる

水の表現は北斎風の独特のものとなっている

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礫川雪ノ旦(こいしかわゆきのあした)

小石川は東京ドームがある辺りで、当時は民家が多かったようである

北斎の作品では雪景色は珍しく、富嶽三十六景ではこの作品のみである

また雪化粧された富士山を見れる貴重な作品でもある

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御厩川岸より両國橋夕陽見(おんまやがしよりりょうごくばしゆうひみ)

左奥に見えるのが両国橋、手前が小舟で川を渡る人々である

小舟を揺らす波は様々な方向から隆起し生き物のように動いている

中央奥には両国橋を越えて富士山が望めるが、この富士は富嶽三十六景の中でも最も情緒に溢れ評価が高い

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諸人登山(しょにんとざん)

画面には、山登りをしている人々が描かれているが、彼らが登っている山こそが富士なのである

遠くから全景を描く富士がほとんどであったが

この作品は至近距離から描かれ、富士登山に四苦八苦する人々が描かれている

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駿州江尻(すんしゅうえじり)

江尻は、現在の静岡県清水市にある

風という目に見えないものを大変リアルに描くという北斎の才能が発揮された作品で

道行く人々は今まさに突風に煽られたような描かれ方をしている

この作品にイギリスの写真家ジェフウォールが影響をうけたことで海外での知名度が高い

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東都駿臺(とうとするがだい)

江戸時代の神田駿河台。当時は武家屋敷が建ち並ぶ格式高い地域であった

行商人や巡礼者、武士などが行き交っていたが

高台から富士が望めることもあり足を止め眺める人も多かった

作中にも岩場に上がり眺めている人たちが描かれている

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東都浅艸本願寺(とうとあさくさほんがんじ)

浅草本願寺の巨大な屋根から富士山までを見晴らす一枚

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深川万年橋下(ふかがわまんねんばしした)

江戸時代の深川は、隅田川を渡った東側で「川向こう」と呼ばれていた

川向こうは新興地で自由な雰囲気があり、新しい人やモノや文化が流れ込む活気に満ちた町であった

作中、中央の橋では大きな荷物を持った人などが大勢行き交い、まさに新たな町が作られていくところである

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礫川雪ノ旦(こいしかわゆきのあした)

小石川は東京ドームがある辺りで、当時は民家が多かったようである

北斎の作品では雪景色は珍しく、富嶽三十六景ではこの作品のみである

また雪化粧された富士山を見れる貴重な作品でもある

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上總ノ海路(かずさのかいじ)

三浦半島と房総半島に挟まれた海峡である浦賀水道(千葉県富津市)から描かれた図

山の様に描かれた海に浮かぶ船は、空飛ぶ船が山脈を飛んでいるような不思議な浮遊感に満ちている

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登戸浦(のぼとのうら)

登戸浦は、現在の千葉県千葉市にあり、当時は江戸湾の湊で江戸築地に荷揚場を持ち

年貢米や海産物を房総半島から江戸に海上輸送する拠点の一つであった

海の浅瀬は潮干狩りには持って来いの場所で、庶民が楽しげに海産物を探している

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常州牛掘(じょうしゅううしぼり)

現在の茨城県潮来市のあたりから富士山を描いた図

右下から伸びる船と逆に置かれた富士山は画面を交差するように交わり、お手本のような構図である

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信州諏訪湖(しんしゅうすわこ)

諏訪湖畔には、上諏訪・下諏訪その他の町が古くから発達していた

遠景に見える城は高島城

諏訪湖越しに見る富士が藍の濃淡だけでつくられた藍摺(あいずり)によって美しく表現されている

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下目黒(しもめぐろ)

 

青山圓座枩(あおやまえんざまつ)

 

隅田川関谷の里

 

甲州犬目峠(こうしゅういぬめとうげ)

 

武州玉川(ぶしゅうたまがわ)

 

相州江の嶌

 

74歳頃、滝の名所を描いた「諸国瀧廻り」

流線表現は抽象的な描き方でデザイン性の高い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二美人

 

野馬

 

北斎晩年の大作・天井絵

 

 

 

絢爛豪華な屋台で鳳凰と龍がと躍る

 

欄間細工は極彩色にあふれている

 

 

 

 

 

 

 

 

文字数制限のためここまで、、、

参考資料:信州小布施 北斎館

出典:ネット美術館「アートまとめん」

 

葛飾北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が、

新型コロナウイルスの感染拡大による丸1年の公開延期を経て

2021年5月28日(金)に全国にて公開する事が決定(配給:S・D・P、海外でも順次公開予定)

「絵で世界は変わるのか?」柳楽優弥×田中泯『HOKUSAI』5/28公開決定

 

映画「HOKUSAI」公式サイトはこちら

 

 

 


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4 コメント

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Unknown (とよ)
2021-05-03 06:56:04
ワンダフ、素晴らしい取材力です。
きめ細かい文章力にも感服しました。

これほどまでを真似出来たらいいのですが、
わっしには無理だね!

良かった、mairimashita。
返信する
とよさま、カンベンして (みさ々)
2021-05-03 12:05:42
おはようございます。
早々にコメをありがとうございます。
過分なお言葉に、穴があったら入りたいところです。
「北斎館]の学芸員の企画力と展示力の賜物です。
さすがに世界のアーティスト「画狂人・北斎」は
どこを切り取っても、知れば知るほど、見れば見るほど奥深く、、、飽きません。

十数年ほど前、ベルギーで浮世絵を数十点見たことがあり、おったまげました。
かなりヨーロッパに流れているのです。
パリ万博での日本紹介はヨーロッパの人たちを驚かしたのでしょうか。
さすがに見る目がありますね。
返信する
とよさんのリンク先 (みさ々)
2021-05-03 12:32:33
とよさんのリンク「ページが見つかりません」の表示です。
よろしかったら、コチラ ↓ からお入りください。

 春. 夏. 秋. 冬. 河童の散歩
https://blog.goo.ne.jp/toyo0181
返信する
Unknown (とよ)
2021-05-04 19:36:35
みさ々さん、こんばんは。
確かに、今までの自分のブログ記事から、
アクセス元ページを開くと、
たまに、
「ページが見つかりません」がありました。
理由は判らず・・そのままにしてました。

これからも注意し、原因を探してみます。
ありがとう!
用件のみ、御免!
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