まじくんママのぷち旅ぶろぐ

トミーズツアー旅の編集人がつづる「四季の京都」周辺とたまに帰る「ふるさと富山」のお出かけぶろぐです。

奈良:興福寺「北円堂 開扉」

2007年11月01日 | 奈良

29日、奈良国立博物館の「第59回正倉院展」へ出かけました。【前ブログにて】

近鉄奈良駅から、博物館までは、歩いて10分ほどかかりますが、その途中に奈良公園のシンボルともいうべき「五重塔」のある興福寺があります。(余談ですが、京都の東福寺は、奈良の東大寺・興福寺から1文字づつとっています)。

P1060150興福寺は、天智8年(669)、藤原鎌足の私邸に建てられた山階寺(やましなてら)を起源として、天武朝には飛鳥に移り厩坂寺(うまやさかてら)となり、都が平城に遷された710年に、藤原不比等によって(正倉院ゆかりの光明皇后の父)この地に移されています。隆盛を極めた頃は、現在の12倍ぐらいの敷地があったそうです。

長い歴史の中で、戦火や天災で、度々塔が焼失し、特に1180年の兵火で焼亡しましたが、鎌倉時代に復興しています。江戸時代に大火で中心伽藍のほとんどが焼失しましたが、かろうじて現在残る東金堂・五重塔・食堂・北円堂・三重塔・大湯屋が免れています。その後、南円堂と中金堂(現在再建中)が再建されました。1998年に世界遺産に指定されています。

まずは、例の迫力ある看板【前ブログ】に惹かれ・・・「北円堂(ほくえんどう)」の特別開扉から見ました。10月20日~11月12日まで公開されています。(大人300円)

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興福寺の創建者である藤原不比等の一周忌(721)に建てられた八角円堂で、建っている場所は興福寺の中心部ではないですが、平城京が見渡せる場所にあり、不比等の霊を慰めるのに絶好の場所です。

現在の 建物は、鎌倉時代(1210年頃)に再建されたものですが、奈良時代創建当初の姿をよく残しています。内部の写真撮影はできないので、画像をお届けできませんが、中はとても明るいです。中央に安置されている運慶作の「弥勒如来坐像」(国宝)を見上げると、天蓋から下りる色鮮やかな帳が秋風に揺れ・・・心は遥か天平時代にワープしたような気分です。

また、同じく運慶の作で、日本の肖像彫刻の中で最高傑作とされる国宝「無著・世親菩薩像(むちゃく・せしんぼさつぞう)」の写実的な2つの像も印象的です。このおふたり(像)は、5世紀頃、インドで活躍した兄弟の学僧です。

P1060139この北円堂に対して、江戸時代に再建された南円堂(なんえんどう)があります。今は、西国三十三ヶ寺観音巡礼の第9番札所となっていて、西国巡礼の人で賑わっています。こちらは、今回は開いていませんでした。なぜか10月17日のみ開帳していたらしい・・・。こちらにも、国宝の彫刻が安置されています。

南円堂の左後ろの方には、三重塔があります。こちらも国宝で、内部には東西南北に極彩色で描かれた4千体の仏様の板絵があるそうです。毎年7月7日に特別開扉されています。これは、見たい・・・。

興福寺の国宝彫刻は17もあり、日本の国宝彫刻の14パーセントも占めるそうです。

興福寺 http://www.kohfukuji.com/kohfukuji/index.html

この後は、宝物殿をご紹介します。有名な阿修羅像を間近に見ることができました。【先ブログ