ちょこっと本音

自分のこと、趣味のこと、ダイエットのこと・・・
心の声をちょこっと文字に。

家がなくなった

2014年03月06日 | myself

先月、土地を見に来た人と更地にして渡すという契約まで結んだのに、買主さんが銀行の借り入れ審査に落ちてしまった。
でも、更地にするほうは知り合いに頼んで、安い値段で混んでいるのを無理にやってもらうことになっていたので、工事はすすめた。
そしてその更地になった写真が昨日届いた。

こんなに狭かったのか、と思うほど頼りなげな土地。
椿の木も、水仙も、梅の木も、ハトが巣を作ろうとしていた高野槇の木も全部全部なくなって、まっさらな土。
ここにかつて、父がいて母がいて弟がいて、犬も飼っていて車があり、という平均的な家族絵図があった。
一人、そしてまた一人と次々といなくなり、ついに家もなくなった。
そう思うと悲しくて声をだして泣いてしまった。

転勤族だったので、住むところが落ち着いたのでさっそく犬を飼った。
友達からもらってきたのだが、そのころ周りでは家が建つたびに犬やねこが増えていった。
池も作った。石でできた灯篭とかえるの置物を置いた。
ミカンの木も植えた。
本州最北端のミカンだと父が自慢していた。
何年も美味しいミカンを食べることができていた。
梅の木もアブラムシ退治は大変だったけれど、梅酒をつけるだけの梅がなった時もあった。
いわゆるガーデニングというより野趣に富んだ庭だった。
大きな石や大きな木があった。
それは父の趣味。
そして、猫の額ほどのところで家庭菜園までやった。
とれたてのきゅうりの美味しさ、トマトのみずみずしさ、エンドウの甘さ・・・。
ガーデニングは、父が亡くなってから私が始めたのだが、花が咲くのを母はいつも楽しみにしていた。
日曜日の朝食は、「畑」からきゅうりとトマトとバジルをとってきてサラダにしたり。
思い出はたくさんたくさんある。

両親が亡くなり、家がなくなり、とうとう私一人になり、もう帰るところもない。
涙は枯れることなく溢れてくる。
でもまだがんばれば、自分一人くらい食べていくことができる。
新しい気持ちで、仕事をきっちりして、まだしばらく、一人暮らしをがんばるしかない。

コメント
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