鳥ちゃんシリーズー1
「 カワセミー(1) 」 小田原のお堀にて
高橋 裕一さん 撮影
5月になった。朝から曇りで肌寒くやがては雨になった。
しかし5月は1年で一番良い季節かも知れない。新卒、新入学入社の
人なども少しは慣れて、希望が一杯であったり、そうでなかった人が
あったり、一寸慣れて却って何だこんなもんかと思っている人もあるだろう。
ベテランでも気持ちを新たに頑張ろうなんて思っている人もあるだろう。
5月というとまず思い出す言葉は、希望とか幸せとか明るい陽光、花、緑
なんて事だろうか。
物の本によると、人間が一番生きていて良かったと思うのがこの季節だそうだ。
本当かしらと思うが、成る程なぁとも思える。
しかし1年で一番自殺者が多いのはこの連休明けの頃だという。
現役の頃の5月は、とにかく連休で会社が休みでとても嬉しかったという印象が強い。
人並みに旅行に行ったり、庭いじりをしたり、好きな池や鯉や鮒たちの世話をしたり、
平凡ながらそれは楽しく過ごしたものだ。
あれをやろうこれもやろうと、あそこへ行こう等と計画し家族してそれを実行するなんて
言うのは、人生の醍醐味の1つだったのかも知れない。
それが今では、5月と言っても何も変わらずただ暦の12分の1に過ぎず、何の予定も楽しみ
もない。変化がないのは幸せなことなのかも知れないが、今でもあの昔の連休前夜の歓喜の
ときめきと、最終日の夕暮れ時のあの悲しさを忘れることは出来ない。
楽しみも程々位が良いのかも知れない。楽あれば苦ありだから。