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「…このように、自己の意志で決定できる、立派な自立した近代的人間が、人権の主体になっている、そういう考えを現代まで引きずっている人は、いまだにリベラルの中にもたくさんいます」
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「そうなってくると、人権を持つためには自分の意思を持てとか、個人としての意識の高さが必要だとか、まるで自己啓発セミナーみたいになってしまう。でも、それはフランス革命の直後の話で、やっぱりそれじゃうまくいかないからつぶれちゃったんですよ。どうして『人権は誰にでもある』という話になったかというと、そうしないと社会はありとあらゆる人を排除していくだけだからです」