p173
「叩け叩けっていわれたら、叩いてしまうんですけども。(幻聴に)言われた通りにすることでカタルシスがあって、なんか気持ちいいんですよね。…」
「幻聴さんや圧迫さんのいうことを聞いていると、一見つらそうなんだけど、じつはどっか気持ちいいっていうか、ほっとするっていうか、これはちょっと不思議な感じなんだよね…」
p174
「でもそうすると、せつないんでしょ」
p175
「こう、アラジンの魔法のランプみたいにね、毎日がつまらなくていやだしっていうと、『ご主人様』って、来てくれるんだよね」
「禁断の世界。なんか、世界に俺ひとりしかいなくなったみたいな」
p178
「あのー、病気のことばっか考えてんの、いやです」
…聞いた瞬間、奇妙な安堵と不安をかきたてられたのではないだろうか。
p179
「飽きればいいなあーって、思ってる…手放し、がたい、もの。…うーん、わかんない、けど、もっと無責任になりたい」
…
ここまで病気をやってきて、ここまで病気を考えてきたけれど、私は病気に振り回されている。それは結局、自分もまた自分を病気にしばりつけているからだろうか。依存しているということか。
p182
考えるの、いやですということばを、無責任になりたいという気分を、自分自身と切り離すことができないとわかりながら、なおかつ他者に渡したいと呼びかけること、そして他者はそのことばを、気分を、わがものとして分かち合いながら、ついには当の本人に返してゆくということ、それが「自分自身で、ともに」ということであり、…