p109
爆発を非難するのではない。やめろというのでもない。爆発の元にはなにがあるのか、なぜ爆発してしまうのか、「考えよう」とか「反省しよう」というのでもない。「研究しよう」というのだ。
そのことばに、ピクッと反応があった。「研究かあ。うん、俺、やってみる」
泥沼のなかに降りてきた、一筋の糸。
p114
「彼とつきあってきて、わたしも最初はなんとかこの爆発をやめさせるために、彼に協力するんだって思いがあったんですけれど」…「わたしのそういう姿勢を見透かしたかのように、彼は『向谷地さん、ぼくは爆発はやめないからね』…」
…
生きていくよりどころとしての、たいせつなものをそのなかに擁している爆発。…