現在、マリヤ手芸店で開催中の「本間テイ」作品展、
今日は、ろうけつ染めの作品を紹介します。
本間テイさんは、刺しゅう用の糸やリボンも自分で染めていたくらいですから、
染色工芸に造詣の深かった方なのでしょう。
もともと日本画を勉強されていた方なので、ろうけつ染めも力作ばかりです。
この作品も360×180㎝という大作です
「白雲卿」(1938年作) 第13回(昭和13年)道展出品作品
当時の道展では、工芸作品の出品がまだ少なかったそうで、
絵画に負けない大きな作品を、ということで制作したそうです。
いったい、どれだけの「ろう」と染料を使ったのでしょう
70年経った今でも、赤やブルーがきれいに残っています
当時、ドイツで開発された最新の科学染料を使っています。
今は自然がいいということで、草木染がもてはやされていますが、
昔は、科学染料は大変貴重で高価なものだったそうですよ。
年月を経ても色が残るという点では、やはり科学染料はすばらしいものなんですね。
マリヤの社長も、ドイツの染料の会社の人に見せてあげたいくらいだ、と言っていました。
ちなみに現在のマリヤの社長は、本間テイさんから数えて3代目です。
創業80年以上になるマリヤ手芸店に残る、貴重な資料や作品を、
大切に受け継いで、保存しています
掛け軸風の、獅子を描いたろうけつ染め作品。
これも色のぼかし具合がきれいですね。
当時、脱ろう(ろうを洗い流す作業)の技術があまりなく、
蝋が残った為に、少しくすんでしまった作品もありますが、
それもまた、経年の風合いを出していい感じです
このような大きなろうけつ染めの作品は、なかなか見る機会がないと思います。
その他にも皮に染色した作品など、すばらしい作品が展示されています。
お近くにいらっしゃったら、ぜひお立ち寄りくださいね