

マリヤ手芸店では、手紡ぎ(ホームスパン)の材料や道具、書籍を
数多く取り扱っています

マリーの母の実家も農家で、子供の頃はつねに2~3頭の羊を飼っていたそうです

年に1回、春になると、家の玄関で毛刈りをしたんですって。
(昔の農家の家は、玄関がすごく広かったんです)
ちょっと可哀想だけど羊の足を縛って、普通の裁ちバサミでジョキジョキ切ったらしいです

最初はイヤがるけど、羊もそのうち疲れて寝ちゃって、
ハサミでキズつけちゃったところは、後で赤チン(懐かしい!今もあるのかな?)
を塗っておいたという、なんとも素人っぽい毛刈り風景だったようです

刈った毛は工場に出して、半分は工賃で取られるんだけど、
半分は毛糸になって戻ってきて、それで家族みんなの冬のセーターを
編んだそうです

素人だから、太かったり細かったりになっちゃうけど、それはそれで味のある毛糸で、
格好よかったんですって

毎年暖かい毛糸を提供してくれた羊さんも、子羊が増えたり、齢をとったりすると
な~んと


自家製のタレに漬け込んだ、あの時食べたジンギスカンほど美味しいのは
食べたことがないって母が言っていました

新鮮、獲れたて(?)のお肉なんだから、そりゃ美味しかったことでしょう

今、北海道産のジンギスカンなんて、高価で滅多に食べられないんですよ

昔の、田舎の農家はほとんど自給自足で、なんでも自分の家で作っていました。
自分の家で食べるお米や野菜はもちろん、味噌やしょうゆや納豆も自家製で
作ってたんですって(北海道は大豆がとれるから)

動物もいっぱい飼っていて、卵&鶏肉のためのニワトリや
農耕馬のドサンコもいました。馬はトラクターが普及するまで、
農家にはなくてはならない働き手で、冬は馬ソリで大活躍

その他にもペットで、ヤギやウサギやネコなど色々いたそうで、
なんともにぎやかだったんですね



自給自足で、自分の家で飼ってる羊の毛でホームスパン。
今では、なんだかとっても贅沢な暮らしに思えますよね

もちろん、昔は今のように機械も普及していなくて、
農家の仕事は大変だったのでしょうけど

そういった土壌があるせいか、北海道人は羊に親しみがあるようで、
手紡ぎや手織り、フェルトなど、羊毛を使ったクラフトに関心のある人も多いように思います。
普通、「織り物」っていうと着物の反物を織る、「機織」(はたおり)を思い浮かべる
かもしれませんが、北海道で「織り物」っていうと、やはり


熱心に手織りをやってらっしゃる方が、自分で織った毛糸のマフラーをして
お店に買い物に来てくださることもあります

羊毛の暖かい感触は、やはり心なごみますよね
