
板金部品を正確に短時間で取り付ける工夫について。
神奈川県 横浜市 丸井工業(株)専務の井手野です。
板金部品は単独で使う物より板金で作った部品同士を組立てて使われる事が多いです。組立方はねじ(ビス)止め、リベット止め、溶接、スポット溶接などいろいろな方法があります。組み立てに際して一番重要な事は決められた位置に正確に部品を取り付ける事です。もちろん角度も正確でなければなりません。
一般的に溶接やスポット溶接の位置決めは「カバリ」という板状のゲージ(組立冶具)を作りそれに合わせて組立を行います。「ガバリ」の出来が作業性や品質に影響をするので「ガバリ」の設計者はそれなりのノウハウが必要となります。「ガバリ」を作る為にはプログラムや加工の費用が掛かります。ですから注文が来る度に「ガバリ」を作っていてはとても無駄です。という事で捨てるのはモッタイナイ!番号を付けて保管管理。定期的に使う物ならまだしも、いつ注文が来るかわからない「ガバリ」がドンドン増えてしまい場所や管理のコストが掛かります。
そこで「ガバリ」を作らずに組立ができる様にします。NCT加工機で位置決めをする為の加工を施したのがハーフパンチです。取り付ける板金の一方に穴、一方にはハーフパンチ、ハーフパンチを相手方の穴に差し込めば自動的に位置が決まると言う仕組みです。(体裁面には穴が目立つので別の方法でハーフパンチを出します) ※ハーフパンチ:板金の板厚の約半分程度を押し出した状態に加工した物。

▲ ハーフパンチを多く使用している製品です 手前のスポット部品を本体に取り付けます

▲ 赤い矢印が本体側にあけた穴です この穴に板金部品に出したハーフパンチを差し込み位置を決めます

▲ ハーフパンチを穴に入れ左と下にあいたガイド穴によりこの部品は正確な位置に取り付けられました
(これは撮影の為に半製品に部品を合わせただけの物で完成品ではありません)
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