神田川の流れる豊島区に住んでかれこれ21年になります。
こちらのマンションでは一切虫の管理はしておらず、30km程離れた実家にある千葉県市川市のブリードルームで全てを行っています。
大町梨街道
国道464号線、通称"大町梨街道"の道沿いには50件の梨屋が軒を連ね、毎年この時期には市川の梨を求めて多の人がやってきます。街道にはためくのぼり旗は、すっかり夏の風物詩になりましたね。
予定を立て観光地市川へ一度お越し下さいませ。
市川市梨観光協会🍐
2023年度ブリード羽化報告②
羽化報告②の前に、羽化報告①を少し振り返ることにします。
ウチの自己ブリード1番〜7番の種親2頭をですね。8番〜13番種親の主水氏補強個体2021年1番88.4mm(90.6mm同腹)と比べると明らかにポテンシャルの違いを感じます。車で例えるならば排気量の違いでしょうか。
8番〜13番は幼虫体重推移、蛹形状、蛹体重(還元率)と各ステージの随所に血の力を感じました。特にステージの後半である蛹の形状と蛹体重(還元率)には大きな差がありました。1番〜7番に蛹体重で27gを超えるのはゼロでしたからね。
必然的に期待値も高くブリード自体を楽しむことができました。
当然ポテンシャルを最大限に引き出す飼育管理によって結果は大きく異なりますが、やはり素質があってこそ。そして種親サイズはより大きい方が有利。
というのも、これから報告する14番〜18番種親は8番〜13番88.4mmの同腹兄弟(86.3mm)なんです。同腹兄弟対決として注目をしていたわけですが、88.4mmと比較すると幼虫推移が違いましたね。86.3mmはどのラインも幼虫があまり大きく育っていません。
↑途中経過のこちらグラフ📈を見れば一目瞭然。羽化についてもやはり同じような状況となりました。
14番〜18番
結果こちらの種親を使い羽化した系統の完品最大サイズは15番の85mm止まり。
唯一羽パカにつき参考サイズですが、この個体には種親21年1番の潜在能力を感じました。
14番
2023-KU-1403
9/26 26.8g
12/29 39g
3/16 36g
非常に元気の良い個体です。この個体が完品で羽化していたら種親の評価が変わってしまいますが、やはり全体的なアベレージからして評価はもうひとつ。
18番
18番は完品羽化率の高かったライン。血の離れた掛け合わせでしたがスコン、スコンと羽化してくれました。顎が細くて短いのはご愛嬌です。
19番・20番
ご覧のとおり迫力ある種親主水氏21年10番。他と比べ卵サイズが大きい印象があり体重の乗りもまずまずだった19番と20番。
19番
2023-KU-1904
10/8 33.6g
12/3 40.5g
3/16 37.5g
↑Xで紹介しましたがウチでは今季蛹体重最大の31gは残念ながら羽化不全に終わりました。
また20番からは89mmが出てきましたが羽化後★になってしまいました。
20番
2023-KU-2003
9/26 30.5g
12/3 39.7g
3/16 34.5g
ふむ残念。
2023年度オーラス
21番
21番種親は主水氏2021年5番87.6mmと体重の乗る傾向があると主水さんから伺っており、また幼虫孵化率が100%だった21番はダークホース的ラインでした。
3本目投入時10頭の幼虫アベレージは36gと安定。このライン注目は蛹体重。殆どの蛹が27g以上と後半型といいますか所謂還元率系といえます。
2023-KU-2105
10/8 26g
12/29 36g
3/16 33g
こちらは完璧な幼虫形状と思いきや、左側の上翅がクルンと変形していまして。結果は88mmBと羽パカに。
こちらは最後の蛹。隠し球として期待していましたが最終羽化段階で★に。
2023-KU-2111
10/6 31.2g
12/29 40.1g
おいおい、羽化報告②は完品個体の発表がねぇぞ!このまま終わるつもりじゃねぇだろうな?
不全のなかった自己ブリード2021年11番を4♀に掛け合わせていましたからね。近しい仲間には伝えていましたが、2023年ブリードは当初からあまり体重を乗せ過ぎず完品を重視。88mmアップを複数頭(5頭以上)のイメージでいましたが、その目標は次年度以降に持ち越しです。ただ最後の詰め次第で今後達成は可能ではない感触を得ています。
実は羽化ステージの最後に失敗したことがありまして。特に体重の重い蛹は立ち合いをしてみようとブリードルームから東京のマンションに移動しています。
ですがマンションでの温度プレと振動の影響ですかね。羽化前に数頭が力尽きてしまいました。ウチでは羽化力を信じ安定したブリードルームで管理した方が良さそうです。
ということで、安定したブリードルームで羽化した最大個体がこちら。
21番
2023-KU-2106
10/14 21.6g
12/3 37g
3/16 35g
自己記録更新の90mm
こちらの個体ですが大顎の長さがあり、全体的に縦長でサイズには有利な形状です。21番のライン評価ですが完品同腹は少ないものの幼虫体重推移は◯。特にステージ後半の蛹体重と還元率は◎。蛹の歪みもあまり見られませんでした。
次世代は羽化力のある系統との掛け合わせで更なる大型を目指せる個体と自負しています。
なにしろこの羽化結果は補強個体先の主水さんが作り上げてきた久留米系統のポテンシャルあってこそ。主水さんにはこの場を借りて感謝を申し上げます。
以上2023年度ブリード羽化報告②でした。
さて、一区切りがつきましたからね。
KLB&NLB関連と2024年度2本目交換に向けて準備を進めていくとします。
最後にもうひとつ。
そうです。やはり素質ある種虫が重要です。そんな素質溢れる久留米個体を入手できるチャンスがあります。
10月14日(月)所沢にて開催される昆虫イベント"ビーマニ"こちらにクマモンさんの個体を持参して出店予定です。
こちらにはクマモンさんの他、主水さん個体、ロイドさん、くわがた山ちゃんさん、そして私の出店が決定しています。
KLB.NLB&NIGHT FOREST合同ブースとして10卓(ひと島)を確保しました。
有望な久留米個体を揃え準備させていただきますので、ご都合のつく方は当日会場でお待ちしています。
また前日の13日は高田馬場でオフ会を予定!こちらについても詳細が決まりましたら、またご案内させていただきますね。
ではでは。
とうとう、やっと、なんとか、念願の90UPでましたね。おめでとうございます。
こう見るとやっぱり血統の力は大きいですね。久留米もそうですが、YGももう1つ先に行くには、血統の中の血統が必要に見えます。
これで肩の荷もおりたでしょう。お互い次のステップ目指して頑張りましょう。
体重を乗せ過ぎず88ミリが沢山羽化している中に90ミリが出てくる。そんなイメージでいましたが、体重が乗っても乗らずとも不全が出てしまうという。ご指摘のようにより優れた血統(系統)の作出が必要ですね。久留米は本家マツノインセクト含め今年だけで90ミリアップが新たに5名以上出ており、一段階上がった年になりましたのでまだまだ楽しめそうです。