Southride(サウスライド)

マウンテンバイクとダックス125

サウスライド

栗子隧道 探索 その3

2009年06月16日 | 廃道


栗子隧道2からの続き

辿り着いた栗子隧道。


噂どおり、隧道入口からその先数十メートルは水につかってます。見た目の深さは25センチぐらいに見えますが、屈折の関係で実際には深さ40センチくらいはあるかもしれません。でも、せっかく来たので突入してみましょう。それ!。うわ!深っー!やばいめっちゃ深い、バイク横向いた、やばい倒れる倒れる・・・耐えた耐えた耐えた―。

・・・隧道内部に上陸しました。底は落ち葉と泥でヌルヌルでした。倒れたら一巻の終わりでした。

隧道の入り口近くはプチ崩落あり、路面も凸凹で、少々荒れています。

ライトをHIに。しばらく進むと、裏面も壁面もカラッカラに乾いてきます。路面も滑らかで走りやすいです。アスファルトとも違う、コンクリートのでかい板を敷き詰めたような?路面です。

閉塞地点に到着しました。ここが終点です。

瓦礫の前には、ここに到着した先人達の石文字があります。

天井が抜け落ち、積もった大量の瓦礫がトンネルを塞いでます。

天井には岩盤が見えています。強い圧迫感を感じます。不意に隧道入口に人影が見えました。ギョッとしました。こっちに向かって誰かが歩いてくるようです・・・と思ったそれは、瓦礫か何かの影が入口からの光と組み合わさってできた錯覚でした。でも明らかに人影に見えるので、隧道に入った人は見てください。

あんまりこういうのはやらない方なんだけれど、石文字を作ってみたくなりました。ニコちゃんマーク。ここまでの楽しく?大変な道を越えて辿りついた皆さんへ。にっこりとお疲れ様です。

では、帰ります。出口に向かいます。背後は真っ暗闇に戻っていきます。

出口に辿り着きました。今度はバイクが横を向かないように、ルートを読んでまっすぐ水たまりに進入します。すんなり外の世界へ抜ることができましたが、足はご覧の通りびしょ濡れになりました。


いやー非常に楽しめました、栗子隧道。モタードでも来れました。MT60のおかげですね。純正タイヤじゃ無理ですね。では、記念撮影を。

体力温存のための土木工事です。越えるのがきつそうな倒木は、こうして通る方が早いし楽です。でも簡単に行けそうな倒木を乗り越えたときに、こけてしまいました。

やっぱり疲れました。激重のGIVI箱を外して起こします。箱が簡単に外せるのでこういうときとても便利です。ちなみに林道でも廃道でも、振動で箱が勝手に外れたことはありません。

橋がちょうどいい休憩スポットになります。帰りは一度通った道だがら、疲れていても気分的には楽です。とはいえ、あの一本橋を通らないわけにはいかないので、それだけが落ち着きません。猿の軍団が現れました。

再び目の前に例の・・・一本橋が現れました・・・・・・・・・。



行きはエンジン掛けてクラッチ握って行きましたが、帰りはもっと慎重に。GIVI箱外して、エンジン切って。慣れない右側からバイクを押すので、行きよりも緊張します。エンジン切ったバイクは重いです。5センチくらいの段差や20センチくらいの石が、ボスキャラ並に手強く思えます。

渡れました。

良かった。真剣に疲れました。この恐怖感・緊張感はトラウマになりそうでした。これ夢みるかもと思ってたら、後日、本当にやな夢を見てしまいました。

では、来た道を戻ります。



面白かったですが、ソロは危険だなあと改めて思います。スキー場の跡地まで戻ってきました。

リフトの残骸が、雑木林の向こうに見えます。東栗子トンネルまで、無事帰還しました。

お腹がすいたので、松屋にて焼肉定食です。



せっかく遠出してるのに、名物とか全然食べてません。足ドロドロですし。お店に入るのも気が引けます。駐輪場で着替えました。

さて、蔵王に向かいましょう。

 

 

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栗子隧道 探索 その2

2009年06月10日 | 廃道


栗子隧道1からの続き


一本橋の前にて。バイクを押して渡れば行けるかも・・・。こんな悪魔の囁きにのってはいけないと分かってはいます。分かってはいますが。

長さ3メートルなら怖くないですが、30メートルは怖い。しかし。行っちゃいましたー。

やってもうたー、渡ってしまったー。めっちゃ緊張しました。エンジン掛けて左から支えながら、クラッチを切りつつそろりそろりと進みました。途中で一回ふらついた時は息が止まるかと思いました。

渡った先に橋が現れました。大平橋というらしいです。烏川橋と違って、現役で使えそうなしっかりした橋です。

さっきまでの緊張感から解放されて、橋の上の平和な空間が嬉しいです。

でもこの先は、一筋縄ではいかないような雰囲気がします。四輪が来れない訳ですし、相当荒れててもおかしくないです。さっきの場所を必死で渡ったのに、この先もし崩落があって進めなくなったりしたら、凹みます。ここまできたら栗子隧道まで絶対に辿り着きましょう。思い切って藪に踏み込みます。

遠目からは灌木がからみついて、進むこともままならない様に見えましたが、それほど藪はひどくありません。バイクが通れるくらいの道幅はあります。とはいっても、常に木の枝がバイクをこすっていて、足元は川になってますけど。

枝が通せんぼしている場所があったら、一度熊笹に突っ込んで、それから道にもどります。道がぬたっていて、リヤタイヤが横向いたり、穴掘ったり大変です。

道の真ん中に立って前を見ます。こんな場所がいっぱいあったら嫌だなあと思っていたが、いっぱい出てきちゃいました。こんなのまだまだかわいい方でした。

再び橋が出現しました。栗子隧道までの道は、たしかに以前ネットで見たことはあるんですが、印象に残っているのは、あの一本橋と栗子隧道の写真だけで、橋が何個あるとか、距離が何キロあるかとかは、実は全く知りません。よくもまあそんな知識で廃道に入ってきたもんです・・・。

橋の上の穏やかさと、その先の道の荒れ具合のギャップが激しくて、ついつい橋の上で休む時間が長くなっちゃいます。GIVI箱を開けて飲み物を探します。緊張と体力の消耗で喉がめっちゃ渇きます。朝買ったカルピスウォーターのペットボトルがありません。つばくろ谷に忘れてきちゃった様です。仕方なく、昨日の残りの水を飲みます。やばい、あんまり残ってません・・・。水分をセーブしないと。キャメルバック欲しい。


倒木を乗り越える→体力を消耗する→こけそうになる→耐える、の繰り返しです。こりゃ疲れますよ・・・。

倒木と泥沼のミックスです。入り方を間違えると、全く進めなくなります。汗をだだらかきながら亀なみのスピードで進みます。喉乾いた・・・。

ここまで来ると、まるで魔の山の景色ですね。上の画像よりも枝がもっと密になっているところが沢山あって、避けながら進む事はもう不可能です。むしろ思いきり灌木に突っ込んで、無理やりねじ込むように抜ける方が早いときもあります。ただし、ツタに注意です。一回、首に絡んでバイクから放り出されそうになりました。

倒木のすぐ先に、枝が斜めに倒れていて、行く手をブロックしています。越えやすそうな側に限って灌木が邪魔をします。ここも倒木をまたいだところで左の潅木に引っかかって、エンストしてしまいました。アホほど重いです。相当な時間をかけてなんとか乗り越えました。帰り道もあるんですよねえ。体力を残しておかないと。隧道はもうすぐでしょうか。それとも、まだずっと先なんでしょうか・・・。

 

すると、薄っすらと灌木と雑草の先に穴の様なものが・・・。



あったー!見えた。隧道です。

よかった、あと数キロ先だったら、体力が持たないところでした。



隧道の手前に小川が流れています。隧道の直前の最後のアトラクションですね。雪解け水が道を横切って流れてます。渡れますかね。



バイクを置いて、隧道の前まで歩いて下見します。いやーここまでの道のりはしんどかったです。それだけに感慨深いです。



昭和十年三月竣工。



小川を乗り越えます。栗子隧道にやっと辿り着きました。

栗子隧道3に続きます。

 

 



廃道は奥が深い・・・。

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栗子隧道 探索 その1

2009年06月09日 | 廃道


磐梯吾妻スカイラインも走り終わって、休憩しながら蔵王までの道のりを確認しています。ここは「つばくろ谷」。さて、実はこの近くにあるのは分かってるんですが、非常に危険な物件があります。それは「栗子隧道」。現在は廃道となっている明治道の万世大路。その先にある廃トンネルです。

ちなみに万世大路は「ばんせいたいろ」と読みます。この読みができる人はは地元の人か、または廃道に造詣が深い(少しおかしな)人に違いありません。廃道探索は時間がかかるので、行くならツーリング全体の予定を大幅に変えないといけません。行ってしまうと探索に本気になってしまいそうでちょっと怖いですが・・・。それから、トラブルで帰ってこれなくなってしまうリスクもあります。



9:30 ここは国道13号線です。現代の万世大路ですね。旧道はこの先、標高1,216メートルの栗子山の山麓に、明治時代切り開かれた道です。どこから旧万世大路が始まるのかは手元にあるツーリングマップルだけが頼り。明治天皇が命名した万世大路とは、どんな道でしょうか。というか道がどう残っているのか、それとも残ってないのか・・・。



東栗子トンネルに到着しました。万世大路については、廃道系のサイトで知ったので、おぼろげなイメージは持ってます。確かバイクでこれ以上進むのは無理かも、という場所があったハズだし、荷物大量満載モタードなので、ある程度で止めておくことが大事ですよね。

東栗子トンネルの入口に向かって右側のスペースに、一見作業道の様な道がありました。これが万世大路へ続く道と思います。

いきなり急坂が始まります。いくらなんでも国道とは思えない、この急角度と急カーブ。それもそのはず、この道は本来の万世大路ではなく、かつてここにあったスキー場の中の道だったことを後で知りました。ただこの道がないと現在、万世大路へ行くのは不可能?と思われます。

路面も結構なガレ具合なので、時々エンストしてしまいました。

作業道の九十九折れを進むと、丁字路となり、万世大路へと合流します。素人(私)でも分かるくらい、路面というか雰囲気がそれまでの道と違います。ここからしばらくは路面が安定して走りやすいです。さすがに旧国道、車3台が並んでも大丈夫なくらい広い路盤です。途中ガレている場所も数か所ありましたが、ジムニーや軽トラなら全く問題ないと思われます。


ちょっと休憩。ここまでの路面には車の轍があって、道がまだ生きている雰囲気に満ちてます。立派な石垣もあって、きちんと造られていた事が伺えます。

路面がフラットになったと思ったら、右に緩やかに曲がった先に隧道が現れました。歴史を感じさせる重厚な造りは、二ッ小屋隧道です。

扁額には「昭和九年三月竣工」とあります。明治に開かれた万世大路は、昭和に大改修を受けたらしいです。



隧道を抜けると、軽四輪が停まってました。人の姿はありません。林道でもそうだけど、廃道に車が止まっていると、中で練炭でも焚いていたらどうしようと思ってしまいます。だいたいは山菜採りやキノコ採りの人だろうと思いますが、やっぱりねえ・・・。今回も車は全部で5台見ましたが(廃道では多い方かと思います)、人の姿はありませんでした。



二ッ小屋隧道には崩落が数か所あるし、出口はこんなんになっているし、



一部天井に穴が開いて、そこから滝の様な水が流れてます。この状況で閉鎖してない福島県ってすごいですね。



二ッ小屋隧道を抜けると烏川橋という橋が現れます。この橋、大きく立派な橋なんですがが、欄干のボロボロっぷりが凄い。



コンクリートの鉄筋がはみ出てるっていうか、鉄筋にコンクリがくっついてるというのが正しいです。触ってみましたが、ポロポロと簡単にコンクリが崩れました。ここにバイク止めてたらヤバイんちゃうかと本気で思いました。



烏川橋から先へ進みます。その先にジムニーが一台停まってました。この先もまだまだ車は十分通行可能で、天気の良さと相まって廃道とは思えないのどかさがあります。



と思ったとたんこの急坂。恥ずかしながらまたエンストしてしまいました。この排水溝とかに良く使われている蓋、補修の意味なんだろうけど、二輪には危ないです。


坂を上るとまた勾配は緩やかになりますが、道の雰囲気が少し変わったように感じました。緑の濃さが少し違います。つまり人の気配が少なくなってきたということでしょうか。



今まで乾いていた道が泥でぬたってきました。ピストン林道みたいに、通行量が減少すれば路面は草木で狭くなって、水たまりの泥は腐った様になっていきます。葉の無い灌木が路面にかぶさるように伸びてきました。雪の重みがそうさせるんでしょうか。



広場になっている場所に着きました。先に続く道はこれまでの道より細く荒れている様に見えまする。この広場にはジムニーとパジェロミニが止まっていましたが、やっぱり人の姿はありませんでした。前方には、ぬかるんだ道が、灌木と雑草に埋もれかけてます。灌木の間を抜けて視界が開けた時、思い出しました。ここだ、ここが一本橋です。



川の侵食で、30cmの幅まで道が削られてます・・・。正直、こんなに細いとは思いませんでした。バイクで渡るとしたら・・・と思った時に、不意にゾッしました。これはさすがに無理。行ってはいけないレベルです。ここで落ちたらホントに帰れなくなります。川側なら一瞬で終わり。バイクはサヨウナラ。かといって山側なら大丈夫かといえば、これも引き上げができるかどうか不明。ここから我が家までは、約400㎞もあるので何かあっても人が呼べない。

一応歩いて渡ってみます。バイクに乗って通った時に、もしふらついても、足を着く場所がありません。落ち着いて考えてみました。廃道に無理は厳禁です、しかもソロ。帰りましょう。それがまともな判断です。蔵王に向かいましょう。そう決めたら、さっき感じたゾッとした感覚が薄れました。いやーよかった。大人の判断ができました。


帰ろうとした時に、もう一度振り返って、一本橋の先を眺めてみます。でもバイクで行った人いるんですよね。あの先はどうなってるんでしょうか。福島、今度はいつ来れるかなあ。・・・たとえば、・・・バイクを押して渡ったら大丈夫とか?

その2へつづく

オフロードバイクに乗ってたら、「やまさいがねが」は必見ですね・・・。

廃道をゆく (イカロス・ムック)
 
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