Southride(サウスライド)

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サウスライド

殺人川と怖い水の施設の話

2010年05月22日 | オートバイ


殺人川とはいきなり物騒な表現ですが。もちろん、正式名称ではありません。友達の彼女からむかし聞いた話です。何年か前、ゴールデンウィークの旅行先についてみんなで話をしていた時の事。みんな温泉がいいと言い、湯布院はどうだと誰かが提案しました。そしたら友達の彼女が、湯布院の近くに親戚の家があると言います。近くになんかおもろいトコある?とまた誰かが聞いたところ、その子が言いました。「殺人川ってのがあんねん」!!! なんやそれ!!

その子の話によると、湯布院あたりにある親戚の家の近くに、ものすごい流れの速い川があるといいます。川に落ちたらすぐに姿を見失って、絶対に助からないとか、噂では、川に落ちてしまった牛が一瞬で流れに飲み込まれたとか、這い上がる事すらできない造りで数キロは流されるとか、聞くだけで恐ろしい噂があるらしいです。そして、その川は、川と言うよりもむしろ、用水路に近いみたいです。這い上がれないのは、その造りによる所も大きな原因らしいです。そしてその最大の特徴は、信じられない程の急角度だといいます。「ほんまにめっちゃ急やねん」だから、「地元では殺人川って呼ばれてんねん」と言います。普通に近所に流れてて、蓋とか柵とかは無いそうです。恐ろしい。夢見そうなくらい恐ろしい。

子供の頃から洪水の川をみる度、恐ろしかった様に思います。雨上がりに川沿いを歩いて登校するんですが、落ちそうな場所もあるんですよね。親からは川を見るなと言われてました。見てると目が回って落ちると言うんですね。そんなこともあって、船舶免許を取ってからもダムの深みを想像すると、太ももの裏が寒くなりました。一度、北浦で突風にやられた時は、マジで沈するかと思うくらい恐怖でした。

この間のツーリングでそんな話を思い出しました。もちろん九州の殺人川に行ったわけではなく、静岡県の大井川を北上している時ですが。このとき見つけたこの施設。



なんで興味を持ったかと言うと、それはこの施設がチラリと見えたから。



この円形のプール、どんどん水が溢れてきます。しかも尋常な水量ではありません。この円形の底からすごい勢いで、水が湧き出してくるんです。もうこれ見てると怖い。



向かって左の水路は円形の池から直接流れてくる排水路。右側は、円形の池からオーバーフローした水を流す排水路になってます。そして、その先には、おっと。アオダイショウ。驚いた。



水路の先には・・・アカンアカン、めっちゃ怖い排水溝が開いてます。落ちたら終了のやつ。



施設の一部に「芳水万世」と書かれた壁があります。昭和38年施工だそうです。



良く見るとアスファルトの下に埋められたトンネルの上部が見えてます。地下に水路が通っているんでしょうか。



場所は変わって、152号線を通るといつも見かける発電施設と思われる放水路です。上から滝が流れているから印象的です。



放水路からの水の勢いが強すぎて、天竜川の本流が押し戻されているのが凄いです。あんな所に落ちたら・・・なんて思うとまた怖い。これも相当怖い。

そして同じく天竜川にて。バイクで走りながら、一瞬気になるものが目に入りました。



普通に山の中の渓流のようですが、実は、コンクリート水路!!



しかも急角度!これは例の殺人川並みではないでしょうか?見たことないですけど。しかもよく見ると右からも同じような水路が合流しています。二股の殺人川とは・・・。



殺人川といっても、だれも死んで無いとは思いますので、そんなイメージということでご了承ください。大雨の時なんかどうなるんでしょう。ああ恐ろしい。

ちなみに旅行では湯布院へは行かなかったので、本物は結局見ていません。今度九州に行った時にはレポします。

 

 

 


千葉の奥の細道ツーリング

2010年05月16日 | オートバイ


松尾芭蕉でもなければ、東北のネタでもなく、千葉の話です。子供の頃、兄貴においてけぼりを喰らって、知らない町で迷子になったことがあります。あれは怖かったです。暫くのあいだ寝つけなくなった程でした。ところが今は、山奥の細道に向かい、わざわざ迷って走ってます。



房総の中心あたりの国道から谷筋を抜けて尾根に向かい、いくつかの素掘りトンネルを抜けます。やがて民家や、田んぼが無くなってきます。



簡易アスファルト舗装やコンクリート舗装が出てきて、軽トラギリギリの1車線の道がうねうねと、山を巻きながら続いていきます。



耕す人がいなくなった畑、つい最近まで住んでいたはずの家、倒れてしまった家屋など、生活の痕跡が現れてきます。途切れそうで途切れない、細い細い生活の道です。



やがて日暮れが近づいて、暗くなってきます。町もまだまだ遠いですし、ガソリンの残りも頼りなくなってきました。



迷って緊張感がピークになるタイミングで、人工物に出会うことがあります。ハイキングコースの案内板や、寂しい電灯など。安心と引き換えに冒険はおしまい。しばらくすると自販機のある普通の県道に合流します。こういうのが楽しかったりするんですが、わかる人もいますよね。都会に近いと存在しないし、山奥すぎてもただの林道になりますので。行き止まりになるかならないかのギリギリで、山奥の小さな集落を繋いでいくのがよろしい。ちなみに下調べはしないほうが良いですね。千葉県の南房総に行くとこんな道がたくさんあります。おすすめは、鋸山の南東の山の中です。適当に進んで、行き止まりでもそれはそれでOKです。



水仙の花や、真っ赤な烏瓜を見ながら、のんびりと走るのが良いんですよね。



ところで細道は時々、民家の庭に繋がって行き止まりというパターンがあるから要注意です。いつも「怪しまれるのではないか?」という気持ちで焦って、慌ててUターンしてましたが、脳内会議で審議した結果、一番いい挨拶が決定したのでご報告を。「こんにちは。行き止まりですか~?(あちゃーってな雰囲気で)」ああこの人は間違えて来ちゃったんだ、間抜けな人だなあって事にしたい。「どうもどうも」と言いながら、落ち着いて引き返せばよろしい。

そりゃあ凄い山奥の自分ちの庭先に、突然バイクが来るのって、ちょっと怪しいもの。昔、田舎に住んでた頃なんて、「昨日ここらで見かけない車がアンタん家への道を登っていってたで」と近所のじいさんが教えてくれたりしたもんです。そうそう、この間ちょいとT秘境に寄ってから山を適当に進んでたら、やっぱり民家にたどり着いてしまいました。



一車線しかない激狭の道が民家に繋がって行き止まりになったので、Uターンして道を下っていると、軽四自動車が正面から来てしまいました。それはもう人口密度から言えば凄い確率で、なにせ1時間程人間を見ていないような場所だったので驚きました。すれ違いは完全に不可能なので、畔道に入ろうと思ったんですが、側溝や崖があって乗り入れできません。



停止している軽四輪の横に、かろうじて空き地があったのでそこへ入ろうと思ったんですが、軽四輪がスルスルとこちらに進んできてしまい、空き地への入口を塞いでしまいました。モタードと言えども重量は軽く130キロを超えます。この坂道をバックするのはとても出来ないのでバイクを止めて、車のほうでバックしてもらえないかと丁寧にお願いしました。乗っていたのは80歳がらみの老夫婦で、運転しているお爺ちゃんは、「バックは無理だ、どうしても無理だ」と言います。2メートルくらいなのに。代わりに車を運転しようとも思ったんですが、他人の車だし、おまけに横に乗ってるおばあちゃんが蝋人形の様に不気味で(失礼!)おまけにオイラを見る目は完全に不審者扱いです。

仕方がないので、渾身の力でバイクをバックさせようとしたその時、左手首から「メキリッ・・・」と変な音が。痛い、すっごい痛い。やってしまったんじゃないですか、自分で。ポキッって。涙目になりながら、「すいません。バイクなんでバックが出来ないんです。重くて無理なんです。」と泣きを入れたところ、「ワシもやる」とお爺ちゃん。マジですか?2人でせーの!せーの!!とバイクを後ろ向きに押します。「こりゃあ重いがな」とお爺ちゃん。なんとかやっと坂の途中まで押し上げて、路肩の草地に無理やりバイクを押し込みました。

滝の様な汗が出ます。お爺ちゃんにお礼を言って、丁寧に謝ります。しかし、お爺ちゃんオイラを完全無視。ええー?!そして軽四は時速10キロぐらいでジワジワと山を登って行きました・・・。落ち着いて左腕の様子をみます。動くし折れちゃいないとは思うが、激痛です。林道は控えて変える事にしました。迷子もほどほどに。