Southride(サウスライド)

マウンテンバイクとダックス125

サウスライド

青木鉱泉ツーリング

2013年01月01日 | オートバイ
DR-Z400SMで青木鉱泉まで。

【鉱泉】
鉱物質・ガス・放射性物質などを1リットル中に1グラム以上含む湧泉(ゆうせん)。単純泉・炭酸泉・硫黄泉・塩類泉などがある。広義には温泉と冷泉との総称であるが、狭義には冷泉をさす。 

つまり冷たい温泉?ですね。
韮崎の西、南アルプスの麓の青木鉱泉に行ってみようと思います。

キャンプ場も隣接してますし、林道もたくさんありそうです。なにより青木鉱泉の建物が風情があるとのことで、ぜひ見てみたいんです。相変わらず中途半端な時間に出発となりました。

具体的には、レンタルビデオ屋が開店する時間くらいです。DVDを返してバイクに戻ってビックリしました。

バイクの鍵をシートに置きっぱなしでした!



平和な日本に感謝です。

そして韮崎です。
スーパーで買い物してから、山へ向かいます。GIVI箱は便利です。



ここから青木鉱泉へは、鈴嵐林道を経由して行きます。最初は沢沿いのガレた林道という感じです。ガードレールも無いので、もし迷い込んでセダンで来たら涙目になるかもしれません。

とはいえ、スタックして通れない程の険しさじゃないです。バイクも車もゆっくり走れば全然大丈夫です。



展望が開けた林道もいいけど、こういう沢沿いの林道の空気も捨てがたいですね。



木漏れ日が美しいです。森に包まれると心が落ち着きます。生まれ育った家には裏山があったので、いつも遊び場でした。猪・猿・キジもいました。一方、海は年一回見れるかどうかだったので、今でも海を見るとテンションが上がります。

振り返るとこんな高い場所に池があります。その向こうには甲府盆地。



青木鉱泉に着きました。この建物が見たかったんです。



玄関をくぐります。驚いた事に、三和土(たたき)の土間でした。感動。子供のころ、うちもそうでした。掘り炬燵もあったし、炭焼き小屋もありました。



キャンプ場の申込をして、テントを立てます。土曜日でしたが、他にキャンプのお客さんはいませんでした。たくさん停まっている車は、登山客みたいです。今日は山に泊まるんですかね?



テントを立ててぼーっと立っていたら、不意に背後に人の気配を感じました。振り向くとさっき受付をしてくれたおじさんがすぐ後ろに立ってました。幽霊かと思って真剣にビビりました。

おじさんが言うには、今日は泊り客がいないので、できれば早めに風呂に入って欲しいとの事。了解しました。早めに風呂に入りましょう。





こじんまりした風呂でした、貸切だったからゆっくり入れました。ただ1,000円はちょっと高いですかね。テントに戻り食事をゆっくりとって、焚き火台の炎を眺めます。



山奥で人の気配が全くなくて、正直少し怖かったです。全然平気な場所もあるんですが。でも山奥で不審な人の気配がある方が、もっと怖いですけど。

 

バイク小説短編集「Rider's Story」~僕は、オートバイを選んだ~
 
武田 宗徳

 


日本海と毛無峠ツーリング

2013年01月01日 | オートバイ

昔、20代の初めにバイクで日本半周をしたことがあって、その時通り過ぎた海岸沿いの漁村の景色をよく思い出します。景勝地とかではなくてその土地の生活が伺えるような風景です。最近バイクで出掛けるにも、どうにも目的地が決まりません。心が疲れてるのか、腰が重いです・・・。

というわけで、久しぶりに日本海を見に行こうという理由をつけて出掛ける事にしました。なんなら昔通った懐かしいルートを辿ってみるのも良いかも知れません。新潟方面にするか富山にするか迷いますが、帰りに群馬県の毛無山に寄るのもいいですね。

朝8時です。早くもなく、遅くもない時間に出発します。国道20号を北西へ。韮崎でたまらなく眠たくなって、暖かい日差しの中、川沿いの公園で仮眠しました。起きたら頭がぼーっとして、ここで引き返すのもありかなあと、ちょっと本気で思いました。

20号線を諏訪から松本へ向かいます。燃費がやけにいいので、こりゃ新記録だと思って、リッター30kmを目標にガンバってたら、ガソリンコックがリザーブになってました。危ない危ない、ガス欠するところでした。

糸魚川を下ります。北へ向かうのに川を下るって感覚は太平洋側に住んでいる身からしたら不思議な感覚があります。日暮れが思ってたより早く訪れて、木崎湖を過ぎたあたりで暗くなってしまいました。

道はそこから長い洞門となり、これが飽きるほど続きます。ちなみに、DR-Zはライトが弱いから夜のカーブが結構辛いんです。冬の夕方6時は暗闇だから、景色なんてなんにも見えません。速いインプレッサに煽られて、気持ち頑張ってみたものの結局抜かれて、てっきり走り屋かと思ってたら普通の営業車でした。orz

まあ自分の腕はこの程度ってことで。



やっと日本海へ着きましたが、真っ暗です。ここは市振の関。下道で来ると移動だけで精一杯だということが良くわかりました。糸魚川市に入て、スーパーで今夜の食料を買い込んで、キャンプ場へ向かいます。



黒部の海沿いの、園家山キャンプ場に着きました。先客はハーレー乗りの方が一人のみ。夕食は適当に買った総菜で済ませたから楽でした。キャンプで頑張りすぎると疲れるんですよね。もう雰囲気にこだわらなくてもいいかなと思ってます。



翌朝起きたら快晴でした。ハーレーの人とお話します。一週間かけて山口まで行って、今日群馬に帰るそうです。うらやましいなあ。今の自分にはちょっと難しいです。いろんな意味で。海沿いを、風車を見ながら走ります。




十数年ぶりに訪れた親不知。懐かしい場所を見に行くっていう動機があって来たのに、不思議と感慨は全くありませんでした。それよりあの波打ち際が昔、北陸道だった事のほうが感慨深いです。



その後上越の海岸に寄ってみました。砂浜に電柱が一本立っていて、すっごく趣があります。この先に20代前半に訪れた雰囲気のある漁村があるかもしれないと思って1時間ほど探してみましたが、結局見当たらず諦めて帰る事にしました。明日は仕事があるし、その他の予定もあります。・・・最近時間ばかり気にしてます。

長野から群馬に寄ってから帰りますが、今日中に横浜の家に辿り着けるでしょうか?



長野から万座温泉方面へ峠を駆けあがります。気づいたら、後ろを黄色のDR-Zが付いてきてます。キミは仲間だな、後について来い来いと思いましたが、分岐で万座方面へ行ってしまいました。僕は毛無峠へ向かいます。お気をつけて。サヨウナラ。



崖っぷちの県道を進むと、荒涼とした景色が広がっていました。ここが毛無峠です。インターネットで見たのと同じ風景、でもそれ以上の青空と感動があります…。



峠から小串鉱山の廃坑跡を見下ろします。こんな標高の高い土地ですが、硫黄の鉱山で栄えて、昔は街まであったとのことです。



この索道。ラピュタの世界みたいです。索道は鉱山から峠を越えて、長野県側へ続いていたそうです。

さて、経済的に下道で帰りましょう。時間的に今日中の到着は厳しいかも?と考えながら走っていると、上田で空母の様な山を発見しました。好奇心からちょっと寄り道します。



予定は未定ということですね。時間気にしていたはずなのに。言ってることとやってることがなんだか。



正面にまわってみると鼻の穴みたいなのがありました。現地では謎でしたが、帰宅後ネットで調べると「半過岩鼻」という景勝地。やっぱりみんな鼻だと思ってるんですね。鼻の直下、崖下のロックシェッドが廃道になっていたので、てっきり鼻は最近の崖崩れで出来たのかと思っていたら、かなり歴史がある場所のようです。



寄り道していたらもう夜の6時です。さすがに明日仕事だし、6時に佐久にいるのははまずいよなあ。

こんなことならもっと早く長野道に乗っておけばよかった。もう中央道なんか遠く離れちゃってるんで、高速乗るなら関越ですね。都内に一度出るのは辛いです...。それでも高速は順調で楽でした。走行距離、2日で926Km。よく走りました。

でも、できればもう少し休みをとって、やっぱり次は行った事のない場所へ行きたいですね。最近色々と考えてしまって、なんだかすっきりしませんが、それでもバイクだけは楽しいです。さあ、明日からまた頑張りましょう。

旅に行って、仕事して、仕事して旅に行って・・・。

風と旅とオートバイ―ツーリング・シーン12章 (広済堂文庫)
 
廣済堂出版

旅々オートバイ

2013年01月01日 | オートバイ


沢木耕太郎のノンフィクション「深夜特急」を初めて読んだのは、大学に入る前のことだったと思います。受験で泊まっていたビジネスホテルの近く、池袋西口の本屋で見つけたそれは、単行本になる前のハードカバー版でした。

バスを乗り継いで香港からロンドンまで行く旅の話。今では文庫本になって、もっと多くの人に読まれているに違いありません。

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
 
新潮社



当時、思いっきり親の脛をかじっていた自分は、まだ大学受験中で、東京の大学を受けに来てました。ずっと勉強に集中できなかった自分が、やっと自分に向き合って成績が伸びたその年の終盤に出会ったその本には強く興味を引かれたけれども、さすがに試験が控えている中で読むのはマズイだろうと、その時は我慢しました。

数日後、関西圏の大学の結果が分かりました。試験から戻った時にホテルのフロントの方から、「ご自宅からお電話ありましたよ。折り返しお電話くださいとの事です。」と言われて、ドキドキしながら聞いた試験の結果は合格でした。恥ずかしながら、実は人生で一番嬉しかった日だったんじゃないかと思います。

人よりだいぶ遅れていた自分にとって、大学に受かる事は人生のスタートが切れる事と同じだったからです。

「深夜特急」は長い間、僕の心の中心にありました。


大学4年の秋に、バイクで放浪しました。国内ですが。その初日に泊まったキャンプ場は鳥取の海岸でした。管理人のおじさんは話し好きで、受付で30分も引き止められましたが、キャンプ場はシーズンオフで、夜中じゅう、僕一人きりでした。

夜中にオバケが出ました。夜の2時ごろテントの周りを誰かが歩くんですよ。もう寝袋に潜り込んでビビりまくってました。そしていつの間にか寝てしまったんですが…。

朝起きてテントの外に出たら足跡がありました。猫の。餌を探してテントの周りをぐるぐる歩いていたようです。子猫ですかね、小さな可愛い足跡がのこっていました。(笑)

それから日本海側を北上して、北海道までたどり着きました。履いてたジーンズは、すっかり薄汚れてしまいました。

キャンプ場以外にも神社やコンビニの駐車場でも寝ました。暖を取るためランタンだけ点けて、バイクとフェンスの隙間で横になって眠ったりもしました。

あれから、何年も経ちました。



久し振りに旅に出たくなる本を見つけました。「旅々オートバイ」素樹文生 著。

著者が1年、オートバイで日本全国を旅した話です。残念ながら現在は廃刊になってるそうです。

もう今は、こういう旅は出来ないように思います。正確に言うと、若い時にその年齢でしが感じ取れないことが、確かにあるということでしょうか。

でも逆にそれは、いくつであってもその歳でしか感じることが出来ない事があると。そういうことだと思います。だから今を大切に。

もし旅に行くなら、一人で行くのが良いかな。誰かと行くのも楽しいですけどね。

旅々オートバイ (新潮文庫)
 
新潮社