首都高速湾岸線の辰巳ジャンクション手前で、夜間走行中に右リアタイヤがバーストしました。
追越し車線で落下物を踏んだのが原因の様です。
千葉から横浜方面に向かって強烈に加速するエリアで走行不能になる恐怖とは。
・停まろうにも止まれない
・路側帯に停止スペースが無いんです
・非常電話で初めての救助依頼
・死にたくなければ必要なものがある
・助けてくれた皆さん
<停まろうにも止まれない>
湾岸線の追い越し車線を100km+αで走行中に落下物を踏んだらしく、ガツンという突き上げのあとほんの少しの違和感があり、続いて右後方からの連続した振動がやってきました。願い虚しく10秒程度でタイヤの空気圧はゼロになり、激しい振動に襲われました。
周囲は高速走行中の車だらけ。徐々に左車線に寄りますが、数百メートルは走らなければなりませんでした。まず頭に浮かんだのは「高速を降りなければ!」という考え。降りるランプを探します。
<路側帯に駐車スペースが無いんです>
前に左に分岐する路線が見えましたが、これは空に向かって伸びる車線、銀座方面に続く9号深川線への合流ラインです。ここに進入して停ったものなら狭い車線を埋めてしまいかねません。すぐに走行車線に戻って、辰巳ジャンクション方面へ走り続けました。
下るランプも緊急避難帯もない状況です。その時、前方に非常電話の明かりが見えました。ハザードを点けすぐに横付けして車を止めましたが、ここにはスペースが無くてただの路肩があるだけ・・・。30センチ右横を猛スピードでトラックがバンバン通り過ぎていきます。ぎりぎりに寄せても右のタイヤは、走行車線の白線を踏んでます。この時、右リアのタイヤは側面だけが残りって、接地面はまるまる千切れて無くなっていました・・・。
<非常電話で初めての救助依頼>
助手席側から降りようとしますが、ぎりぎりまで壁に寄せているためドアが当たり開かない。後部座席に移動して、スライドドアを開けて降ります。スライドドアって便利だ・・・。非常電話のボックスを開けると受話器とボタンが4つ見えます。上から「故障」、「事故」、「救急」、「火災」。「故障」を押したら呼び出し音が数回なった後、男性が電話に出ました。
男性の質問に答える形で会話が進みます。停止場所、進行方向、電話機に書いてある4ケタの数字、故障の状況、レッカーの方法(JAFまたは保険会社のロードサービスなど)を答えます。あと緊急車両が到着するまで車外に出て待つべきか、車内にとどまるべきかを聞くと、「この場所は高架で退避場所も無いため車内に留まった方が比較的安全、ただし、状況を考慮してドライバーさん本人で判断してほしい。」とのことでした。約10分で緊急車両が到着するまで、安全を確保して待機するようにとの指示です。
<死にたくなければ必要なものがある>
「三角表示板」を取り出し、車の後方に設置します。助手席から「発煙筒」を取り出して、火を点けようとするけれど、暗くてよく見えません。スマホのライトを点灯して説明を見て火をつけます。デカいマッチの様だなと理解しました。高速の路肩を走りながら、ここで突っ込まれたら即死だなとぼんやり考えます。高架ってすごい揺れてるんだなと頭の片隅で思います・・・。
車内で待機します。速度差100キロ以上で、車がガンガン数十センチ横を通り過ぎます。頼みの綱は「三角表示板」と「発煙筒」。とにかく後続の車が気づいてくれる事を願います。車の風圧と高架の振動で車がゆさゆさと揺さぶられます。生きた心地がしない時間です。保険会社へ携帯で連絡しますが回線が混みあっていてなかなか繋がりません。こんな時に・・・。その後、やっと電話がつながり、最寄りの提携修理工場から30分以内に現場に来てくれるとのこと。保険会社の担当の方の説明は的確で分かりやすかったです。
<助けてくれた皆さん>
不安を抱えて待つこと10分後、背後に緊急車両の黄色いランプが点滅しているのに気が付きました。でも、中々近づいて来ません。反対車線か、追い越し車線で停車しているようです。その後、5分後に緊急車両が到着。この時のなんと心強かったことか。お礼を言いバーストの状況と、レッカーを手配した旨を伝えます。
その後渡されたものが、驚いたことにバーストしたタイヤの破片、というかドーナツ状に千切れたタイヤの塊。なんと、ウチの車から千切れたタイヤを回収してきてくれていたんです。さっき追い越し車線に停まっているように見えたのは、これを回収してくれていたんですね。あんな危険なところで・・・。
レッカー到着までさらに待機。後ろに緊急車両が停まっているということの安心感がすごい。その後、レッカーの業者の方が到着し、東雲駅まで送ってくれました。車は今日はレッカー会社に保管してもらい、明日指定のタイヤショップまで二次搬送していただくということになりました。レッカー業者の方もとても親切な方でした。
**************************************
翌日、タイヤショップにて撮影。
助けてくれた皆さんには本当に感謝しています。高速のあんな危険なところで一生懸命頑張っていただいているということを、今回初めて実感しました。バーストしたタイヤを命がけで拾ってきてくれた緊急車両の乗務員の方には、特に感謝しています。もしあんな大きな塊が原因で事故が発生したら、取返しのつかないところでした。
今日はカー用品店で発煙筒を2本買ってきました。1本は助手席指定の場所へ、もう一本は予備で。昨夜、発煙筒が燃焼している時間が短かったので(5分くらい?)もう少し長くないと緊急車両が到着するまで持たないと思ったので。また、最近では「LED発煙筒」なるものが発売されているらしく、特に夜間では有効だと思います。今度買ってみようと思います。