いよいよ秋のSDA王滝がやってきました。日程は、前日受付が9月17日、レースが18日です。
9月17日(土)の10:30にチームメイトのMさんと合流、横浜から新湘南バイパス経由で圏央道を通り、中央道に入ります。ここは諏訪湖SA。
天気は曇り。現地の予報は、雨&カミナリ。やばいなあと話しながら進み、4:30に王滝村到着。さっそく王滝食堂でいつもの「いのぶた丼」(大盛り)をいただいてから、会場の松原スポーツ公園に向かいます。
雨は降っていないものの、どんより曇り空。受付を済ませて、今夜の宿である、純和風ペンション銀(しろがね)さんへ向かいます。宿は田の原のスキー場へ向かう途中、銀河村キャンプ場の近くにあります。
山に入ると、雨がパラパラと降ってきました。宿は部屋も風呂も清潔でとても居心地が良いです。夜8時頃から雨足が強くなり、土砂降りになってきました。9時頃に就寝しましたが、夜2時に一度強烈な雨音で目が覚めました。明日レースするのか疑問に思うほどの。とにかく寝よう・・・。
3:45に起床し、4:30に宿を出発。松原スポーツ公園に着くと、土砂降りなのに誰もが普通に準備をしています。さすがSDA 王滝。主催者も参加者も肚が据わってます。
6:15頃、スタート地点の滝越地区に到着。前から30番〜40番くらいです。思ったより前なのは、雨が降っているからかも。
今日のウェアですが、上半身はラッシュ、その上にジャージ。下半身はスキンズのA200の上にレーパン、ふくらはぎにはcw-xのカーフを装着しました。そして大事なポイントが、ラッシュとジャージの間に着こんだポリ袋です。手と首を出す穴をハサミで開けてからラッシュの上に着て、上からジャージを着たら完了。首回りは養生テープで補強。雨のトレイルランで低体温症を防止するための工夫だそうです。このMさんから聞いたアドバイスのおかげで、レース中体温の低下がかなり防げました。
レース開始迄の待ち時間は、みんなで橋の下で雨宿りをしてました。レース地点までの移動で温まった身体がどんどん冷えていきます。寒さに震えて待つこと40分、いよいよスタートの時間です。
7:00にスタート。最初はニュートラルスタートなので、いつもの様に集落を周回し、橋を過ぎてから計測開始です。みんな一気にスピードを上げますが、冷静に今のポジションを維持します。ペースも無理をしません。ちなみにワタクシは大殿筋と相談しながら走ります。ケツが攣りそうになるほどペースを上げると、必ず後から効いてきます。自分の一番楽にスピードが上がるケイデンスでコントロールすること。周りに流されやすいワタクシはこの点に要注意です。ここから三浦ダムまでは約8kmの舗装路。途中にはトンネルが3つ。その一つの真っ暗な長いトンネルの入り口と出口は、轍部分のみがコンクリート舗装で、コンクリートとコンクリートの間は砂利の溝になっています。
トンネルに入ると、後ろの自転車がジャリジャリ音を立てて走っています。ジャリの溝に入った模様。そのうち後ろから転倒音と「落車〜!」の声。続いて連鎖してクラッシュする音が続きます。さらには出口に近づいたところで、20m先の左側に落車が発生。2台の自転車がからんでいます。そのうちの一人が自転車を持って右に寄ろうとする動きが見えたので、「右通りまーす」と叫び、よけて通過。このトンネルを抜ける頃には、先頭グループは見えなくなってしまいました。現在の順位はスタート位置と同じくらいです。
舗装路だとパックで走るとやっぱり楽です。ここでは遅れず、かといってオーバーペースにならずといった自分なりのペース配分で進みました。いつもオーバーペースになってダートに入ってからヘロヘロになってしまうので。ダムまでは4〜5人に抜かれて、4〜5人抜いてといったところです。今日は足の回り方が軽いかも。
ダート突入。ここからはピークの17km地点まで、約9kmの登り坂です。自分のペースで淡々と登ります。出来る限り平坦なライン取りで、岩を踏まない様にルートを選んで進みます。天候ですが、序盤小雨だった雨がだんだん大粒に変わってきました。やがてサングラスの内側が曇り始めました。ワタクシはハードコンタクトレンズを装着しているので、サングラスはレンズの内側がゴーグルのようにスポンジで取り囲んである防塵性の高いモデルを使っています。ホコリが入らない代わりに雨の時は曇りやすいのです。
このままでは路面を磨りガラス越しに見ている様な感じなので、思い切って裸眼で走る事にしました。つまりオープン・コンタクトレンズです。前走車の巻き上げた泥が目に入ったら一巻の終わりです。しかしこの豪雨、常に顔を洗っている状態なので、何とかいけそうな感じです。お目目が細いのも幸いしました(涙)
最初のピークを迎えます。ここまで6~7人を抜いてきました。ここからはチェックポイントまで10km程度の下りです。下りはじめはいつも腕がガッチガチですが、数キロ下るとやっと慣れてきました。下りでは1人に抜かれ、2人ほど抜かしました。27km地点のチェックポイントを通過し、スタッフの皆さんに会釈をしながら、次の登りに備えます。
登りの最初は斜度が急にキツくなります。自分で自分に「ここは怠けろ、怠けろ」と言い聞かせて、軽めのギヤで淡々と登ります。3kmほど苦しみながらもペースを落とさず進んでいると、目の前に5名くらいの選手が見えてきました。少し前に人数が固まって走っていたみたいです。一人ずつゆっくりゆっくり抜いていきます。
3km進むと少し下ります。このあたりで雨が強く、風も吹いてきました。王滝でここまで強い風にあおられるのは初めての経験です。洗い越しの場所では山からの水が川になって谷へ落ちていきます。突っ切ったら深さが20cm以上あり、靴の中にたっぷりと水が浸入しました。ここまでですでに完全浸水してるから別に構わないんですが・・・これ流されたら谷底ですよ。そして、いたるところで山から滝が落ちています。
道は川の様になり、2011年5月以来の鯉の滝登り状態です。水たまりは深く、深さ30cm近くのものもザラです。おそらく全身泥まみれ、砂まみれ。顔をさわったらジャリジャリします。上を向いて雨で洗い流しながら走ります。途中、目の中に砂が入り、何度か激痛が走りましたが、気のせいだと自分に言い聞かせて走っているうちに、雨で砂が目から出ていきました。下りでは1~2名抜かしたように思います。
再び登りに転じます。ここからは3kmほどの登りのはず。淡々と淡々と登ります。1~2名に抜かされ、抜き返したりを繰り返して、最後のピークへ向かいます。抜かされた選手の背中が少しづつ少しづつ遠くに離れていきます。代わりに別の選手の背中が見えて近づいてきます。そしてゆっくり抜いていきます。雨の音と滝の音。もうすこしで下りです。
下りに入ります。ここからは約10キロ弱の下りです。走っても走っても誰も見えません。途中道にはみ出していた木の枝で思いっきり顔面をはたかれましたが、コンタクトは外れませんでした。ラッキー。だんだんとアドレナリンが出てきて、漕ぎに漕いでいるとやがてチラチラと前走者が見えてきました。声をかけて横を抜いていきます。しばらく走るとまた遠くに黄色いウェアが見えます。先程登りで抜かれた選手です。時々吹っ飛びそうになりながら、何とか追いつき、安全な場所で右から声をかけながら抜かします。しばらく走って振り返ると誰の姿も見えません。ゴールまであともう少し。テンションを維持しながらガンガン下っていると、あと1kmの看板が見えました。
これだけ飛ばしていると後ろには誰もいないだろうと振り返ると、100mほど後ろに選手の姿が。油断してました。慌てて残りの力を振り絞り、全開で漕ぎます。秋のゴール前はフラットなので、脚力によっては差を詰めることも広げることも可能です。左カーブを曲がるとゲート前の橋が見えました。一瞬後ろを振り返り、追いついてきていない事を確認してから、右手でガッツポーズしながらゴールゲートをくぐりました。
ゲートをくぐって自転車を押しながら、周りを見ると数名しか選手がいません。アナウンスでも順位をコールしていなかったので、何位なのかわからないまま、しばらくチームメイトを待ちます。係の方に何人くらいゴールしているのか聞いたところ今までで20人くらいとのこと。そんなに順位良くないだろうと思いながらも、チームメイトを待ちます。その後、チームメイトも無事ゴール。とにかく無事に帰ってくることが、今回の一番のミッションでした。
結果、順位はやっぱり20位ほどでした。年代別では一桁順位でした、パチパチ。今までで最高の成績です。タイムは2時間40分ほど。9月の最高タイムより少し落ちましたが、このコンディションでは仕方ないでしょう。ただゴール後にまだ余力がある感じだったので、もうちょっと行けたのかもという感じです。まだまだ課題がいっぱいあります。足が一度も攣らなかったのは良かったポイントです。cw-xのカーフと足攣り防止のサプリメントが効いたんだと思います。
あ、NHKのチャリダーさんのインタビューを少し受けました。身内では「間違いなくカットされているはず」と話題になっています。一応放送見てみます。