京都には現在花街が五か所あります。祇園甲部・祇園乙部・宮川町・先斗町・上七軒です。上七軒は西陣(北野天満宮付近)ですが後は広域名称の祇園一帯にあります。規模は祇園甲部が大きく京都の花街の代名詞となってます。
代名詞と言えばもう一つあります。それはどの花街のお茶屋さんでも一見さん(いちげん)はお断り、になっていることです。
それが例え著名人であれ、大企業の社長であれ同じ事なのであります。 この敷居の高さが所謂(いわゆる)格式の高さを維持している秘訣なのでしょうか。 初めての人は必ず常連さんと同行して何度か通い紹介されて初めてお客となるのです。
佐川本部長もご多分に漏れず地元のお客を頼りに何度か足を運びようやく一件のお茶屋さんのお客になりました。
実は会社でも接待用にお茶屋さんがありました。しかしそれはあくまでも社用であって個人のお茶屋さんではありません。接待に使う以上誰か会社の人間と出くわすことも当然あります。会社と個人を切り離して遊びたい 佐川本部長はプライベートな自分だけのお茶屋さんを確保したかったのです。
念願叶った佐川本部長は仕事の合間を見計らってお茶屋遊びを満喫しました。
しかしよくお金が続くねぇ?そう思いませんか(笑)
そうなんですよ。 佐川本部長には交際費がありました。一流企業の本部長ともなれば、月の接待費は結構な金額が付くのです。(羨ましい…)
実際必要な接待もありますし中々やり繰りは大変かも知れませんが、とにかく遊びの三則…金・体力・時間をクリアして佐川本部長は通い続けたのでした。
最初は芸伎さんのお酌で飲むお酒に酔い浮かれていました…お茶屋さんとて格式高く構えていてもそこは商売です。ましてお客は一流企業の本部長です。年齢からしてまだまだ出世する可能性大でしょう。にこやかな笑顔の裏に打算的な計算が立っていたのです。
だから打ち解けだすと家庭的なおもてなしで佐川本部長の心証をガッチリと掴んでしまいました。
お茶屋のお女将さん(祇園ではお母さん)は、さすが海千。いつも佐川本部長の好みに合わせた芸伎を選りすぐっていました。
佐川本部長は頭の切れる方で理論派です。展開が早くて多種多様な話題についてゆけるお相手が必要になります。才女で打てば響くようなお相手をいつも付けていました。
だからお座敷は佐川本部長の独壇場でしたね。周りの芸伎やお母さんは頷きタイミング良く相槌を打てば佐川本部長は上機嫌でした。
これが東京だとそうはいきません。 雄弁家の佐川本部長を凌駕するほどの女傑が一杯いるからです。
銀座でも新橋でも如何ほど高級な店に行っても佐川本部長は満足しませんでした。
確かに頭のいい子はいます。佐川本部長と対等に議論できるのですからたいしたものですね(笑)
話のテンポも合うし展開の早さにも応じてくるからほんと佐川本部長のお相手としては最高なのでしょうが 何故か佐川本部長は物足りなさを感じていたのではないでしょうか…
そんな佐川本部長の心底を読み才女でありながら万事控え目のお相手をあてがうお女将さんは一枚上手でしたね(笑)さすが伊達に祇園で50年近くやっていませんねぇ(笑)
そして何度目かの来店からは贔屓(ひいき)の芸伎ができました。
名は菜水(なみ)と言いました。
着痩せするタイプなのか着物がよく身に着いた艶やかさと清純さが相俟った佐川本部長のお気に入りのタイプでした。花にたとえるなら菜の花ですか…正に名前の通り明るく可憐で清涼感漂う才女でした。
佐川本部長の毒舌交じりのお話にいつもほほ笑みながら相槌を打ち要所ではタイミングよく質問もしたりと佐川本部長を飽きさせず怒らせずと絶妙のお相手てした。それでいて控え目な容姿は崩しませんでした。。『花街にもこんな控え目できれいな芸伎がいるんだなぁ…』
佐川本部長もさすがにこうした場所は遊び慣れていたはずですが、万事に於いてこんなお淑(しと)やかな芸伎は知りませんでした…
代名詞と言えばもう一つあります。それはどの花街のお茶屋さんでも一見さん(いちげん)はお断り、になっていることです。
それが例え著名人であれ、大企業の社長であれ同じ事なのであります。 この敷居の高さが所謂(いわゆる)格式の高さを維持している秘訣なのでしょうか。 初めての人は必ず常連さんと同行して何度か通い紹介されて初めてお客となるのです。
佐川本部長もご多分に漏れず地元のお客を頼りに何度か足を運びようやく一件のお茶屋さんのお客になりました。
実は会社でも接待用にお茶屋さんがありました。しかしそれはあくまでも社用であって個人のお茶屋さんではありません。接待に使う以上誰か会社の人間と出くわすことも当然あります。会社と個人を切り離して遊びたい 佐川本部長はプライベートな自分だけのお茶屋さんを確保したかったのです。
念願叶った佐川本部長は仕事の合間を見計らってお茶屋遊びを満喫しました。
しかしよくお金が続くねぇ?そう思いませんか(笑)
そうなんですよ。 佐川本部長には交際費がありました。一流企業の本部長ともなれば、月の接待費は結構な金額が付くのです。(羨ましい…)
実際必要な接待もありますし中々やり繰りは大変かも知れませんが、とにかく遊びの三則…金・体力・時間をクリアして佐川本部長は通い続けたのでした。
最初は芸伎さんのお酌で飲むお酒に酔い浮かれていました…お茶屋さんとて格式高く構えていてもそこは商売です。ましてお客は一流企業の本部長です。年齢からしてまだまだ出世する可能性大でしょう。にこやかな笑顔の裏に打算的な計算が立っていたのです。
だから打ち解けだすと家庭的なおもてなしで佐川本部長の心証をガッチリと掴んでしまいました。
お茶屋のお女将さん(祇園ではお母さん)は、さすが海千。いつも佐川本部長の好みに合わせた芸伎を選りすぐっていました。
佐川本部長は頭の切れる方で理論派です。展開が早くて多種多様な話題についてゆけるお相手が必要になります。才女で打てば響くようなお相手をいつも付けていました。
だからお座敷は佐川本部長の独壇場でしたね。周りの芸伎やお母さんは頷きタイミング良く相槌を打てば佐川本部長は上機嫌でした。
これが東京だとそうはいきません。 雄弁家の佐川本部長を凌駕するほどの女傑が一杯いるからです。
銀座でも新橋でも如何ほど高級な店に行っても佐川本部長は満足しませんでした。
確かに頭のいい子はいます。佐川本部長と対等に議論できるのですからたいしたものですね(笑)
話のテンポも合うし展開の早さにも応じてくるからほんと佐川本部長のお相手としては最高なのでしょうが 何故か佐川本部長は物足りなさを感じていたのではないでしょうか…
そんな佐川本部長の心底を読み才女でありながら万事控え目のお相手をあてがうお女将さんは一枚上手でしたね(笑)さすが伊達に祇園で50年近くやっていませんねぇ(笑)
そして何度目かの来店からは贔屓(ひいき)の芸伎ができました。
名は菜水(なみ)と言いました。
着痩せするタイプなのか着物がよく身に着いた艶やかさと清純さが相俟った佐川本部長のお気に入りのタイプでした。花にたとえるなら菜の花ですか…正に名前の通り明るく可憐で清涼感漂う才女でした。
佐川本部長の毒舌交じりのお話にいつもほほ笑みながら相槌を打ち要所ではタイミングよく質問もしたりと佐川本部長を飽きさせず怒らせずと絶妙のお相手てした。それでいて控え目な容姿は崩しませんでした。。『花街にもこんな控え目できれいな芸伎がいるんだなぁ…』
佐川本部長もさすがにこうした場所は遊び慣れていたはずですが、万事に於いてこんなお淑(しと)やかな芸伎は知りませんでした…