寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

祇園の恋人(参)

2010年05月02日 11時04分26秒 | 日記
祇園のお茶屋遊びは独特の雰囲気があるそうです。。座敷はやや狭めの8畳間です。そしてお茶屋にはなにもありません。料理やお酒は仕出し屋から取ります。芸伎はもちろん置屋からの派遣になります。在庫はなし…リスク負担はゼロです。表の店先は一間(2メーター弱)の幅です。これと言った看板や盛り塩すらありません。それが二階建ての長屋形式にズラッとならんでいます。夜ともなれば、表の表札にぼんやりと灯が点もるだけ…近くには繁華街がありますが、ここへ足を踏み入れた瞬間…静寂で幻想的でそれでいて人を寄せ付けない気品さがここにはあります…
お茶屋には特別な装飾はありません。すべてが昔ながらの様式を世襲し形式や格式にこだわり続けてひっそりと生きているのです。
だから東京育ちの佐川本部長が一発で参ったのも無理もありません。 まして芸伎が女性の鏡(おしとやかで控え目で…)とくれば、尚更です(笑)
佐川本部長のお茶屋遊びは続きました。中年の色事は骨絡み…とはよく言ったもので、さすがの佐川本部長も迷える小羊となりました(笑)
大体が普段から
『男と女なんて所詮たぬきときつねの騙し合いさ♪』 とうそぶいていましたから…彼の遊び歴からして当然の発言でしょうね(笑)
そんな歴戦の勇士がなんでまた?
それは祇園独特の雰囲気に悪酔いしたのでしょうか(笑)… かつて豪の物で鳴らした新選組や幕末の志士達もやはりこの祇園の雰囲気に取り込まれまた彷徨い続けたのでした。さてきっかけは【都をどり】でした。
これは四月中歌舞練場で踊りを披露する春の風物詩です。
ある夜佐川本部長はいつものお茶屋さんで菜水さん相手にお酒を飲んでいました。
都をどりの最中でその話題になった時に『明日は私がでます。』
菜水さんは輪番で明日が出番と言うのだ。
都をどりにあまり興味がなかった佐川本部長ですが、 菜水さんの出演を聞いた途端観に行来たくなりました。
歌舞練場のチケットは意外と手に入りにくく、しかも高額でした。
高いのには訳がありまして、扱いのお茶屋にはバックマージンが入る仕組みになっているからです。
とにかくチケットを片手に歌舞練場で都をどりを堪能したのでした。
そしてその夕方でした。
都をどりを観に来てくれたお礼に菜水さんが食事に誘ったのでした。
普通祇園の芸伎は外ではお客とは会いません。
それを知っていた佐川本部長は有頂天になりました(笑)
いくら好みの女でも祇園の芸伎となれば、一目置かざるを得ません。ましていつもお母さんが側についているだけに余計なチョッカイは出来ないものと思っていました。
それが舞台が跳ねて表に出た時でした。
後ろから声を掛けられ誰だろう…と振り向くと、菜水さんがいたのです。
白っぽいシャツにジーンズ姿、顔にはさすがに白粉が付いていました… でもこの白粉で佐川本部長は分かりました。
いつも蛍光灯の下でお化粧着物姿の菜水しか知らない佐川本部長ですが目は確かでした。勘が良いのでしょうね(笑)
菜水さんの誘いに佐川本部長は二つ返事をされたのは言うまでもありません(笑)
翌日北白川のイタリア料理店で二人は初デートを果たしました♪…
コメント
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