私はクルマの中で今日の出来ごとを思い返していました。貴船の砂嵐に遭遇したのは何だったんだろう。その後の亜紀の失踪、貴船神社から出て来たのも不可解なことだ…
そして亜紀が私に話がある、と言うし~
何か良い話とは思えないね(笑)
私はじっと目を閉じ待ちました。
………
コンコン!窓を叩く音で目が覚めました。
亜紀さんが窓から笑顔で覗いています。
『乗ってもいいですか』
そりやぁいいに決まってるよ(笑)
私も笑顔で返すとなんと助手席に乗り込んで来ました。『お待たせしちゃってごめんなさい♪』
透き通った大きな瞳が私を吸い込むようです。。
『あまり人目につかないところ知ってますか♪』
『えっ!』どういうことよ(笑)
私は返事に窮していますと『貴船に行きましょう』亜紀は言います。
『き、貴船~』
『冗談です(笑)』亜紀は明るく笑いました。
『高村さんがどんな顔するか見たかったのよ(笑)』
なんだ大人をからかうなよ(怒)
私は近くの鴨川の土手まで出ました。時刻は二時過ぎでした。
鴨川はサラサラと流れだけが私達の耳に届きます…『私川中の子じゃあありません』
ポツリと呟きました。
何か変だとは思っていたけど…
私はしばらく聞き手に回ろうと思いました。
『気付いていたのですね』
私は黙って頷きました。
『私の母は川中の愛人でした。だから川中は私を自分の子だと思い込んでいます…私も川中の子と思っていましたから』
『けれど去年母から同じ頃に付き合っていたもう一人の男の子だと知らされたのです。』
亜紀は真直ぐ暗闇を睨みつけて微動だにしません。
亜紀は言葉を続けました。
『その男の人はある修験者で母と知り合ってからすぐに別れたのですが母は既に私を身籠もっていたのです』
『その修験者は知らなかったんだね』
今度は亜紀が頷きました
『なるほどそうだったのか…』
私は少し経緯(いきさつ)が分かりました。
『それで…』
私は亜紀の次の言葉を促しました。 『それで…私にも少し霊力が宿っているのです』
『れいりょく?』『ええ、高村さん私達をひろやに降ろした後貴船神社に行きましたよね』『えっ!』
『私には判りましたよ』
呆然とした私の顔を見ながら亜紀は続けます。
『あの時、雑木林の中で呪術師がいたのです』
『高村さんは知らないでしょうがあの呪縛の儀式を見た者は生贄にされるのですよ』
『だから私はそれに気がついて風を起こして高村さんを気絶させたのです』
なんと言う事だ! 私は危うく死ぬところだったのか。 『その後です、私は気になって様子を見に行ったのです…』
そうか!だから亜紀は雑木林から出て来たのか(納得) 私は全く知らない内に殺されかけたり助けられたりしていたのでした。 『実は去年母は亡くなりました。川中が原因でした。』
『私は川中に復讐しようとしましたが止めました』
『或る人に忠告を受けたのからでした』 『いくら憎くても今まで育ててくれた恩を忘れたらいけないよ…』 『それで私は諦めましたー』
川中から旅行の誘いを受けて、これが最後の親子だと川中に縁切りを言うつもりで追(つい)てきたのです。
『話は判ったよ』 実に奇妙な話ではあるけれど私は頷かずにはいられませんでした。
『…で私にこの話をした訳は…?』まさかこんな話をする為にこんな夜中に呼び付けたんじゃあないでしょう(笑)
『ええ』
亜紀は大きな瞳を見開いて頷きました。
『実はお願いがあります』…
そして亜紀が私に話がある、と言うし~
何か良い話とは思えないね(笑)
私はじっと目を閉じ待ちました。
………
コンコン!窓を叩く音で目が覚めました。
亜紀さんが窓から笑顔で覗いています。
『乗ってもいいですか』
そりやぁいいに決まってるよ(笑)
私も笑顔で返すとなんと助手席に乗り込んで来ました。『お待たせしちゃってごめんなさい♪』
透き通った大きな瞳が私を吸い込むようです。。
『あまり人目につかないところ知ってますか♪』
『えっ!』どういうことよ(笑)
私は返事に窮していますと『貴船に行きましょう』亜紀は言います。
『き、貴船~』
『冗談です(笑)』亜紀は明るく笑いました。
『高村さんがどんな顔するか見たかったのよ(笑)』
なんだ大人をからかうなよ(怒)
私は近くの鴨川の土手まで出ました。時刻は二時過ぎでした。
鴨川はサラサラと流れだけが私達の耳に届きます…『私川中の子じゃあありません』
ポツリと呟きました。
何か変だとは思っていたけど…
私はしばらく聞き手に回ろうと思いました。
『気付いていたのですね』
私は黙って頷きました。
『私の母は川中の愛人でした。だから川中は私を自分の子だと思い込んでいます…私も川中の子と思っていましたから』
『けれど去年母から同じ頃に付き合っていたもう一人の男の子だと知らされたのです。』
亜紀は真直ぐ暗闇を睨みつけて微動だにしません。
亜紀は言葉を続けました。
『その男の人はある修験者で母と知り合ってからすぐに別れたのですが母は既に私を身籠もっていたのです』
『その修験者は知らなかったんだね』
今度は亜紀が頷きました
『なるほどそうだったのか…』
私は少し経緯(いきさつ)が分かりました。
『それで…』
私は亜紀の次の言葉を促しました。 『それで…私にも少し霊力が宿っているのです』
『れいりょく?』『ええ、高村さん私達をひろやに降ろした後貴船神社に行きましたよね』『えっ!』
『私には判りましたよ』
呆然とした私の顔を見ながら亜紀は続けます。
『あの時、雑木林の中で呪術師がいたのです』
『高村さんは知らないでしょうがあの呪縛の儀式を見た者は生贄にされるのですよ』
『だから私はそれに気がついて風を起こして高村さんを気絶させたのです』
なんと言う事だ! 私は危うく死ぬところだったのか。 『その後です、私は気になって様子を見に行ったのです…』
そうか!だから亜紀は雑木林から出て来たのか(納得) 私は全く知らない内に殺されかけたり助けられたりしていたのでした。 『実は去年母は亡くなりました。川中が原因でした。』
『私は川中に復讐しようとしましたが止めました』
『或る人に忠告を受けたのからでした』 『いくら憎くても今まで育ててくれた恩を忘れたらいけないよ…』 『それで私は諦めましたー』
川中から旅行の誘いを受けて、これが最後の親子だと川中に縁切りを言うつもりで追(つい)てきたのです。
『話は判ったよ』 実に奇妙な話ではあるけれど私は頷かずにはいられませんでした。
『…で私にこの話をした訳は…?』まさかこんな話をする為にこんな夜中に呼び付けたんじゃあないでしょう(笑)
『ええ』
亜紀は大きな瞳を見開いて頷きました。
『実はお願いがあります』…