寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

使える奴・使えない奴(2)

2010年06月29日 09時04分12秒 | 日記
【能力が全てでは無い】この言葉の裏には根本常務のイズムが凝縮されていました。
根本常務は自分よりはっきりと能力の高い人はそうはいないと考えているのでしょうか(笑) もしそうだとしたら物凄い自信過剰だと思います。 長原部長は根本常務の横でニコニコ座っていました。
そして『私が常務より能力が高かったらどうなったのでしょうか…』
長原部長が好かれる訳はこんな天真爛漫なとこでしょう(笑)……『ハハハ♪』
根本常務は高らかに笑うと『君は何年部長をやっているんだい(笑)』
長原部長はニャと笑いながら『四年です』首をすくめていました。
『なるほど…私に訊いても無駄だよ』
『私はもう登り詰めたからね!』
確かに根本常務まで地位が上がれば例えどんな秀才が来ても競争にならないからです。
その点長原部長は微妙でした。
この会社には部長なんて星の数ほどいますから…
だからキラ星のごとく秀才課長が出て来たらその後塵を拝む可能性はあります。
根本常務はたぶんこの長原部長が可愛いのではないでしょうか。だから敢えて根本流でその警告を教示したのでしょう。
『けど能力のある課長を馘にして会社は損をするんじゃないでしょうか』長原の意見も最もです。
私もついつられて頷いていました(笑)
さあ根本常務はどう答えるのでしょうか(笑)
『会社と言うものは、組織で動くものなんだよ』
『はぁ』長原部長は頼りない相槌をしています。
『特にうちみたいに何万人も社員がいる会社だと余計にそうなるんだね』
『はぁ…』
私は根本常務の言いたい事が分かりました。
長原部長は禅問答みたいな会話に疲れたのでしょうか(笑)だんだんと反応が鈍くなって来ています(笑)
それを見た根本常務は話を変えてきました。
『それより長原君も今年辺りが正念場だなぁ』
横目でチラッと見ておっしゃいました。からかうような素振りでした。
『はい!』
目が覚めたのか元気のよい返事が返ってきました。
これを見て私は思わず笑ってしまいました。
常務も口を押さえてから『高村さんの方が危機意識があるじゃあないの(笑)』
長原部長は親分の根本常務からこんな教示を受けながら昇進してきたのでしょう。返事が素晴らしく良かったので私は気が付きました(笑)
めしの時間だぞ!と飼い主に呼ばれた飼い犬みたいにしっぽを振っていましたから(笑)

…やがてクルマは目的地に到着しました。
『高村さんありがとう』『お疲れ様でした』
型通りの挨拶か済み二人は降りられました。
私はその姿が見えなくなるまで見送っていました。
『どうぞ根本常務の本意を分かってください…』
私は心から祈りました。
しかしまさか長原部長の姿を見納めになるとは…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする