本社の査察も無事?終わりこの地方工場にも平穏な日が戻ってきました…
しかしそれは束の間でしたね。
次の週でした。本社の経理がまた来ることが判りました。
『また来るの…』皆一様に驚いたのは当然です。
私は例に依って新幹線の駅までお迎えに行きました。 『お疲れ様でした』私があいさつをしますと、経理部長は笑顔で『ありがとう』と会釈して『ところで高村さん、でしたね』『はい』
『今日はどんなに遅くなっても東京に戻らなくっちゃあいけないから最後までお願いしますね』
と来ました。残業は大歓迎です(笑) 『大変ですねぇ』 私が労(ねぎら)うと、『毎週来るから変だと思っているでしょう』薄っぺらな鞄を横に置いて苦笑していらっしゃいました。 『何か粗相がありましたか?』私はわざと砕けた言葉を使いました。
『ハハハそうですね(笑)』私の言葉が気に入ったのか経理部長はこの前とは違った笑顔を見せました。
『いずれ分かる事だけどどうも腑に落ちないんですよ…』窓から流れる景色を見ながら部長は話してくれました。
きっかけは一月ほど前に本社あてに匿名で密告があったことでした。
それによると工場長が業者から機械納入の見返りにリベートを貰ったのでした。
これはまぁ考えられる話で以前にも無かった訳ではないのです。
ところが内禎してみると工場長は潔白で、担当の某部長がどうも怪しいとなりました。
しかし調べて行くとその某部長もシロなのです。
そこで経理としては密告はガセネタだと結論づけました。
そしてしばらくした頃、リベートは××課長と工場長が貰ったんだよ。と再び密告がありました。
電話を受けた経理員は『証拠はありますか』と尋ねると、『こちらに来て下されば分かります。』と自信有りげな話し振りです。
本社ではもう一度念入りに調査しました。
それでも何も怪しいところは見つかりません。
これはやっぱりガセネタだ!とした時に別の電話があり『何もありません』と言うのでした。
名前を訊いても匿名の一点張りです。結局密告は三回ありました。一回目と二回目は同じ人物で三回目は違う声でした。
本社ではどうするか問題となりましたが、鬼塚専務の鶴の一声で現地調査となりました。 そして明日現地工場に行く夜に経理部長宛てにあの三回目の声の主が電話をして来たのです。『工場長の家に来て下されば分かりますから…』
『あなたの名前は?』経理部長が問い掛けると、『私は名乗る訳にはいきませんが、始めの人は分かりますよ』と謎めいた事を言います。
『それはどう言うことか』と再度訊いたところ『冬の天気を訊いてくれたら分かるはず』そう言って電話は切れました…
しかしそれは束の間でしたね。
次の週でした。本社の経理がまた来ることが判りました。
『また来るの…』皆一様に驚いたのは当然です。
私は例に依って新幹線の駅までお迎えに行きました。 『お疲れ様でした』私があいさつをしますと、経理部長は笑顔で『ありがとう』と会釈して『ところで高村さん、でしたね』『はい』
『今日はどんなに遅くなっても東京に戻らなくっちゃあいけないから最後までお願いしますね』
と来ました。残業は大歓迎です(笑) 『大変ですねぇ』 私が労(ねぎら)うと、『毎週来るから変だと思っているでしょう』薄っぺらな鞄を横に置いて苦笑していらっしゃいました。 『何か粗相がありましたか?』私はわざと砕けた言葉を使いました。
『ハハハそうですね(笑)』私の言葉が気に入ったのか経理部長はこの前とは違った笑顔を見せました。
『いずれ分かる事だけどどうも腑に落ちないんですよ…』窓から流れる景色を見ながら部長は話してくれました。
きっかけは一月ほど前に本社あてに匿名で密告があったことでした。
それによると工場長が業者から機械納入の見返りにリベートを貰ったのでした。
これはまぁ考えられる話で以前にも無かった訳ではないのです。
ところが内禎してみると工場長は潔白で、担当の某部長がどうも怪しいとなりました。
しかし調べて行くとその某部長もシロなのです。
そこで経理としては密告はガセネタだと結論づけました。
そしてしばらくした頃、リベートは××課長と工場長が貰ったんだよ。と再び密告がありました。
電話を受けた経理員は『証拠はありますか』と尋ねると、『こちらに来て下されば分かります。』と自信有りげな話し振りです。
本社ではもう一度念入りに調査しました。
それでも何も怪しいところは見つかりません。
これはやっぱりガセネタだ!とした時に別の電話があり『何もありません』と言うのでした。
名前を訊いても匿名の一点張りです。結局密告は三回ありました。一回目と二回目は同じ人物で三回目は違う声でした。
本社ではどうするか問題となりましたが、鬼塚専務の鶴の一声で現地調査となりました。 そして明日現地工場に行く夜に経理部長宛てにあの三回目の声の主が電話をして来たのです。『工場長の家に来て下されば分かりますから…』
『あなたの名前は?』経理部長が問い掛けると、『私は名乗る訳にはいきませんが、始めの人は分かりますよ』と謎めいた事を言います。
『それはどう言うことか』と再度訊いたところ『冬の天気を訊いてくれたら分かるはず』そう言って電話は切れました…