築地まぐろ屋3代目 豊洲市場場内からのマグロ新鮮情報

築地市場場内で40年以上のマグロ仲卸をしている、『松井水産』より、豊洲に移動しマグロの仕入れ情報、お得情報を毎日に配信

数だけは・・・

2023-04-03 08:32:50 | Weblog
新年度、最初の週初め。
生マグロの競り場はここ1ヶ月で一番か、それに近い本数が出ました。
主な産地は塩釜に銚子、紀州と房州の勝浦の延縄漁。伊豆の神津島の釣りに
女川に定位置網漁も何本か。
最近ではすっかり見なくなった地中海のスペイン産のデカい天然物。

昔、父がよくこの地中海のデカいスペイン産をよく仕入れてきて私が卸しました(笑)
私にとっては懐かしい魚です!
とまぁ、あさイチ競り場に入った瞬間の印象は
「今日は下げるでしょ」
と。。
ただ聞いて回ると浜値は安くない・・・特に塩釜の延縄漁。。
そして魚を見ていくにつれ「塩釜の魚、古くないか??」と。
鮮度でいけば延縄では銚子や房州勝浦のほうが良くて浜値も塩釜よりは安い。
神津島の釣りも焼けは怖いものの、鮮度、脂も平均良さそう。
女川の定置網はたぶんヤケ。。。

となると狙うのは銚子、房州勝浦、神津島となります。
考えることはみなさん同じのようで、セリをしてみるとまず塩釜はほぼセリ残り、
色目の良いところはセリで売れている感じです。それでもそもそもあまり
競り合われる場面はなく、浜値、もしくはそこから妥協できる値段での推移でした。

ということで、今日の中で一番品物と値段が合っていない塩釜はかなりの本数が
セリが終わった時点では残っておりました。
私のところにも「1本付き合ってもらえないか??」と電話がきましたが、
値段を聞いて即決で却下。
「浜が〇〇円だから・・・」
知りません。
そもそもものと値段が合ってない。
品物がちゃんとしているものには皆さんちゃんと評価し、値段を出しています。
今日の塩釜の魚はホント、全体的に魚が古い。。
浜の入札時に良くなっているのでしょうけど、市場に持ってくるまでに
古くなってるのではないでしょうか??
ということは、漁で捕れてから水揚げするまでに時間が経っているんだと思います。
皮目、腹の感じ、そして尻尾・・・総合的に見て、そんな感じです。

そんな中にももちろんよく出るマグロはあると思います。
ただ・・・卸して中を見るまでは本当のところはわからない魚に
現状でギャンブルできる値段ではない・・・そこがセリ残っている原因だと思います。
そしておそらく、色の変わりも他の延縄よりも早いかな??と思います。
あくまでも私見ですが・・・


今のまわりの仲買さんの仕入れ方見ていても、みなさん
「安パイ」
に値を出している印象です。
今の値段だとやられたら取り返せない・・・結果、安パイという流れですね。。





ということで狙い通り銚子を仕入れました!
見た目以上に良いマグロでした(^^)