すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

ニッポンのロック、不朽の名盤。

2023-12-28 17:53:26 | 音楽

※上田正樹とサウス・トゥ・サウス「この熱い魂を伝えたいんや」
(1975年、芦屋ルナ・ホールでのライヴ)

上田正樹とサウス・トゥ・サウス

 上田正樹とサウス・トゥ・サウスの「この熱い魂を伝えたいんや」である。

 こやつを初めて聴いたのはレコードだった。高校生のときだ。してみると、このライヴが行われた1~2年後にレコードで聴いたことになる。

 当時、うちのバンドのド不良ギタリストの遠藤が、「ぜひ松岡にこれを聴かせたい」というのでなんとジャケットに太筆のマジックで「松岡」と大書したレコードを私に手渡してきた。ちょっと引いた。

 で、聴いたが、もう一発でやられた。驚天動地だ。上田正樹の熱いヴォーカルと、正木五朗のファンキーなドラミングにすっかり沈没した。

 それ以来、ソウル一直線。いろんな音源を聴いたが、それはともかく。

 いま思えばそのギタリスト遠藤という男は、勉強はからっきしだったが音楽の情報にはメッキリ敏感で、いち早くチャーの初期音源を引っ張って来たのもヤツだった。彼の情報は的確で速いのだ。

 で、その後レコードは遠藤に返却し、今度は大学生のとき近所の「貸しレコード屋」(なつかしい)でその同じアルバムのレコードを借りてテープに録音し聴いていた。

 だがそれもいつしか喪失し、やっと先日、アマゾンに発注した同盤のCDが手元に届いた。またも「この熱い魂を伝えたいんや」である。ついに上田正樹にしかるべき印税を支払ったわけだ。

 それがいま爆音で鳴っている。

 やっぱりいいなぁ。

 上田正樹の激しい煽りに煽り煽られ、いまにも踊り出しそうだ(恥ずかしい)。

 ちなみにこの盤は最後、観客の「アンコール!」という掛け声で幕を閉じる。それを聴いたかつてのド不良ギタリストの遠藤が、「アンコが凍るかよぉ」てな駄洒落を言っていたのをふと思い出した。

 どうしてるかなぁ、遠藤。

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下北沢と古澤良治郎さんのこと

2023-12-25 19:33:10 | 音楽


まちがいなく日本一だった

 昔、下北沢に「T5」という地下のライブハウスがあった。80年代には連日、そこでフュージョンを演っていた。よく通ったものだ。

 ある日、高橋ゲタ夫が出るというので見に行った。バンドは確か、向井滋春の「オリッサ」じゃなかったかな?

 で、ステージを見ると、ゲタ夫の相方のドラマーは古澤良治郎だった。(うろ覚えだが)ギターは是方博邦だったかな?(うーん、やっぱりオリッサじゃなく、ただのセッションバンドだったかもしれない)

 私はこのとき生まれて初めて古澤のプレイを見たのだが、それはもう凄かった。まさに地を這うようなノリで、グルーヴ感が強烈だった。しかもコンビを組むのが高橋ゲタ夫なんだから演奏が悪いわけがない。

 古澤のドラミングを見たのは後にも先にもあれ一回だけだったが、彼はまちがいなく日本でナンバーワンのドラマーだった。これは自信を持って言える。

 ゲタ夫も演奏しながらすごく楽しそうで、笑顔で演っていた。

 実にいい演奏だった。

昔の下北沢は隠れ家的だった

 あのころは下北沢も(いまのようにメジャーじゃなく)隠れ家的なひっそりした街で、雰囲気がよかった。

 なぜ私がそのころ下北沢に住みついたのか? それは当時まだ学生だった私は、ポスター配りのバイトをやっていたのがきっかけだった。

 ポスターを何枚配っていくら、というアルバイトだ。

 その日に配ったポスターは演劇もので、場所がたまたま下北沢だった。夜、下北の飲み屋へポスターを置きに行くと、店のマスターやお客さんから、

「お前、それ1枚、配っていくらになるんだ? 大変だな。がんばれよ」

 などと励まされた。

 チラシ配りのバイトで食い繋ぎながら演劇をやっているのだと勘違いされ、激励されたのだ。まあそもそも演劇の街だからなぁ。しかも行く店、行く店、すべてそんなふうでまったく同じ厚遇ぶりだった。

 当時、物書きになろうと思っていた学生の私は、

「ああ、この街はカルチャーを育てる日本のグリニッジビレッジなんだ!」

 などといたく感動し、それがきっかけで下北沢に住み着いてしまったわけだ。

叫び声に反応したギタリスト・山岸潤史

 当時、下北沢でライヴを見たミュージシャンは数多い。もちろん古澤良治郎だけじゃなく、たくさんいた。

 同じ「T5」で山岸潤史を見たときも面白かった。たぶんお客さんは素人さんばかりなのだろう、その日の客席は恐ろしいほどシーンと静まり返っていた。

 激しい演奏とは好対照だった。

 で、「これはいかん。盛り上げなければ」と、山岸がギターソロを取ったときに私がタイミングを見て「イェーイ! 行けぇ、山岸ッ!」と大声で叫んだ。客席はえらく静かで、そんなことをやるのは私だけだ。

 すると私の叫び声を聞いた山岸は私のほうを振り返り、激しくノリながらソロを弾き始めた。なにか私に助けを求めるような感じだった。なんせ客席は恐ろしいほど「シーン」と静まり返ってるんだからムリもない。

 で、次の曲の同じくギターソロのとき、山岸はまた私のほうを向きながら弾き始めた。だが静まり返った観客席のなか、さすがに今度は私も気が引けてそれ以上は助太刀する度胸がなくて黙っていた。

「ああ、あのとき叫べばよかったなぁ」

 そんなことをふと思い出した。

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【政権交代】野党は清濁併せ飲む勢いでまとまるべきだ

2023-12-19 09:46:52 | 政治経済
たとえ「消費税減税しない」が条件だとしても

 自民党と立憲民主党の支持率が、同じ10%台になり拮抗してきている。こうなればめざすは政権交代だ。野党は掲げやすい政策を旗印にしてまとまるべきだ。

 野党が合同で唱える政策は、一例だが「マイナ保険証廃止」なら国民の支持は得られる。あるいは「一回、自民党政権を終わらせよう」でもいい。野党がよりまとまりやすい公約にすればいい。

 一方、れいわ新選組は第一に「積極財政」を野党統一目標にすべく尽力したい。だがもし万一、それが否定されたとしても、ぜったい山本太郎は政権交代に乗るべきだ。

 自民党に自浄能力などない。ゆえにまずは政権交代しない限り、政治改革はできない。何も始まらない。ならば太郎は煮え湯を飲む覚悟で臨むべきだ。

政権交代と消費税減税、どちらが重いか?

 まず、いちばん数が多い野党は立憲民主党だ。

 その立憲が党内構造や財務省寄りの体質から消費税減税にどうしても舵を切れないなら、そして例えば「消費税減税しないこと」が条件でならウチはまとまれる、と彼らがいうなら、それでもれいわ新選組を始め野党各党は乗るべきだ。なぜなら政権交代がまず必須だから、である。

 山本太郎はその冷徹な現実を直視し、「消費税減税しない」がたとえ条件でもYESと言うべきだろう。政権交代と消費税減税、どちらが重いか? カンタンな話だ。

 山本太郎はこのさい、それくらいの覚悟で政権交代に賭けたい。そのかわり野党側は山本太郎を大将に立てて戦うべきだろう。泉健太がトップではとうてい票は取れない。

 れいわの支持者は、まず自分たちが「いちばん飲みにくい政策は何か?」を考え、それをも能動的に飲み込む勢いで政権交代に臨むべきだ。

 野党各党が「政権交代の実現」では目標が同じなのに、それ以外の各論で揉めてまとまれないのでは愚の骨頂だ。もちろん「消費税減税しない」を飲め、は極論である。消費税減税が実現するなら、そのほうがいいに決まっている。要は、それくらいの気概と覚悟がなければ野党をひとつにまとめることなどできない、ということだ。

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いま山本太郎は何をすべきか?

2023-12-15 16:30:25 | 政治経済
自民「裏金問題」は投票率を上げるチャンスだ

 何十年も前から続く政治とカネの問題。「こんな政治はもう終わりにしてほしい」という国民の切実な願いが、投票所へと足を運ばせる。

 それによって投票率が上がり、ゆえに政権交代が起きる。この手順を踏む以外に方法はない。いまの投票率では政権交代は起きようがないのだから当然だ。

 ならばれいわ新選組の山本太郎は、この流れを起こすにはいま自分は何をすべきか? だけを考えて行動すべきだ。

 もちろん「正しい経済政策をやりたい」「積極財政だ」というあなたの強い想いはわかる。だが、いま政治的に流れをつかむにはそこが焦点じゃない。それ(正しい経済政策)は、政権を取ってからやるべきことだ。

 いまはまず、政権を取ること。そのためには何をすべきか? この自民党の裏金問題発覚という流れを生かし、自分は何をやるべきか? 山本太郎は、そこに集中してほしい。

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「れいわ新選組、だからダメなんだよ」

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れいわ新選組、だからダメなんだよ

2023-12-14 21:11:57 | 政治経済
今日のこの日をどう生かすのか?

 自民党安倍派のキックバック裏金疑惑で、もう一色の世の中である。

 かくて12月13日、臨時国会が閉会した。

「さあ東京地検特捜部が議員自身の一斉捜査に入るぞ。今日にも逮捕か?」という今日のこの日、「れいわ新選組はどんな動画を流してるんだろう?」と思ってYouTubeの当該チャンネルを観た。

 すると12月8日の山本太郎の国会質疑の様子をただ流しているだけだった。

 唖然とした。

 いったい何を考えているのか?

「いま世間は安倍派の裏ガネ疑惑一辺倒だ。そんなわかりやすい安倍派叩きの流れには、俺は死んでも乗らないぞ」という、つまらない山本太郎の意地の張りようが透けて見える。

 だかられいわは、ダメなんだよ。

 政治は「機を見るに敏」だ。

 例えばここで白バックの映像のなか、山本太郎が大きな身振り手振りで、

「国民のみなさん。こんな政治でいいんですか? 今こそ政権交代が必要なんじゃないですか?」

 と熱弁し、国民に直接訴えかける映像を撮り下ろして流せばどうか?

 それは必ずや人々の胸を打つだろう。で、政治の大きなうねりを作る。

 それをやらないれいわ新選組には、「だからダメなんだよ」と声を大にして言いたい。

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「いま山本太郎は何をすべきか?」

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【悪徳商法】DAZNにハメられた

2023-12-09 07:00:30 | インターネット
「30日後」にならないと解約が有効にならない

 DAZNを解約したのだが、びっくりするような目にあった。なんと、解約を申し出た日から「30日後」にならなければ解約が有効にならないというのだ。

 そのおかげで私は無理やりあと1回、よぶんに月額料金が引き落とされてしまうハメになった。

 そんな規約はまったく知らなかったが、「新しく加わった規約であり明示してある」という。

 そんなもの、毎週、「ひょっとしたら規約が変わったかな?」などど、あらためて規約を見直す人なんているわけないじゃないか。

 いや百歩譲って、今回の新しい「30日条項」が付け加えられた時点でユーザーにその通告があったとしても、そのときユーザーが「そんな項目が加わるなら解約します」と申告したって、その解約は「30日後」とされてしまうわけだ。

 そんな事前通告なんて何の意味もない。

なぜかネットの画面から解約できなくなった

 いや、おかしいと思ったのだ。

 過去、前に一度、解約したときには、ネット経由で画面からカンタンに解約できた。ところが今回は「解約する」ボタンを押すと表示が出て、「電話してこい」というのだ。強制的に、だ。

 で、仕方なく電話すると、今度はオペレーターが解約しないよう、しつこく営業をかけてくる。

 それでも「解約します」と言い張り、オペレーターに面倒なIDやら何やらをわざわざ口頭で申告して解約を申し出た。すると相手は「規約にある通り、この解約は30日後に有効になります」というのだ。

 まるで悪徳商法である。

 おかげでコンテンツを見もしないのに、1ヵ月分、まるまる余分に月額料金が引き落とされてしまう……。

 みなさん、DAZNにはくれぐれも注意しましょう。

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【プレミアリーグ 23/24 第13節】息詰まる抜き手争い ~トッテナム 1-2 アストン・ヴィラ

2023-12-05 09:24:09 | イングランド・プレミアリーグ
神経の通った90分間

 非常に緊張感のある好ゲームだった。
 
 実力が拮抗した者同士のつばぜり合いに息が詰まった。

 ひとつひとつのゴールとプレスのかけ方、最終ラインの敷き方に思わずため息が出た。これ以上の表現はまったく必要のない試合だと感じた。

 ハイレベルだ。

 言葉が出ない。

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【プレミアリーグ 23/24 第13節】チェルシーの無気力ぶりが目も当てられない ~ニューカッスル 4-1チェルシー

2023-11-30 10:49:19 | イングランド・プレミアリーグ
同節シティvsレッズ戦のハイレベルさとは天地の差だ

 同じプレミアリーグ第13節のマンチェスター・シティ対リバプールの試合があまりにもハイレベルで息詰まる内容だったので、相対的にこの試合の酷さが目立った。とても同じリーグとは思えない内容だった。

 前シーズンからすっかり無気力状態が続くチェルシー。だが今季は前々節でトッテナムに勝ち、前節はマンチェスター・シティと4-4で引き分けるなど上げ潮ムードにあった。個人的にも応援しているので期待したが……当てが外れた。

 なにしろ試合中に、てくてく歩いている選手がいるのだ。シティvsレッズ戦の高い緊張感とはかけ離れている。これでは勝てない。

 まずは13分だ。ニューカッスルが押し込んだ。ペナルティアークでボールを保持したマイリーがボックス右でもらう動きをしたイサクへ縦パスを出す。流れるようにゴール方向へ向き直ったイサクは、ゴール左へきっちりシュートを叩き込んだ。

 これに対しチェルシーも反撃する。20分だ。

 ロングカウンターからスターリングが裏へ抜け出しゴールを狙う。だがボックス手前でDFトリッピアーに止められた。しかしこれはファウルでFKをもらった。

 場所はボックス手前の左だ。キッカーのスターリングは壁の上を越える素晴らしいショットで同点弾をお見舞いした。23分だ。

 以降は追いついたチェルシーが流れをつかんだ。ここまでは「まだまだ試合はわからない」という緊張感があった。そして前半を折り返す。

ニューカッスルが畳み込んで試合を決める

 さて60分だ。ニューカッスルのゴードンが左サイドからきれいなクロスを入れる。これに合わせて完全なフリーでゴール前へ飛び込んだラッセルズがヘッドでゴール右へ押し込んだ。

 続く1分後の61分には、自陣でバックパスを受けたDFチアゴ・シウバがなんとキックミス。これでジョエリントンがボールを奪い返し、ボックス内でGKと一対一になりゴールを決めた。3-1だ。

 追い込まれたチェルシーは69分に3枚替えを敢行する。ジャクソンとギャラガー、ウゴチュクに代えてブロヤ、カイセド、ムドリクを入れて攻めのテコ入れをした。

 だが73分に自陣でリース・ジェームズが、ゴードンを倒して2枚目のカードをもらい退場になってしまう。これでチェルシーは万事窮した。

 数的優位になったニューカッスルは83分、アルミロンのスルーパスに飛び込んだゴードンが4点目を挙げて試合をきっちり終わらせた。

 チェルシーは不運な面もあったが、肝心なところで意気が上がらない。選手1人1人の技術レベルは高いのだが「気持ちの問題」だろう。なんだか今季もさえない感じだ。


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【プレミアリーグ】シティが圧巻のサッカーを見せつける ~マンチェスター・シティ 1-1 リバプール

2023-11-26 10:54:17 | イングランド・プレミアリーグ
「3つのスピード」がとんでもなく速いシティ

 イングランドのプレミアリーグ第13節が行われ、マンチェスター・シティがホームのエティハド・スタジアムでリバプールを迎え撃った。高度に緊迫した究極のゲームが行われ、ハイレベルな試合は1対1の引き分けで終わった。

 シティはアーリング・ハーランドを筆頭に、ジェレミー・ドクやベルナルド・シウバらを擁して臨んだ。一方のリバプールはモハメド・サラーとダルウィン・ヌニェス、ディオゴ・ジョタを前線に構える4-3-3だ。日本代表の遠藤航はベンチスタートだった。

 のっけからシティはプレイスピードとボールスピード、判断のスピード、という「3つのスピード」がとんでもなく速い。プレイは必ず2タッチ以内で行われ、ポジティブ・トランジションとネガティブ・トランジションも素晴らしく速い。プレス回避も見事だ。なかでも俊敏なドリブルで敵の最終ラインを食い破るドクが物凄い迫力である。

 3-4-3システムの彼らは3-2-5の形でビルドアップする。ゲームは序盤からシティのペースで進んだ。マンCが一枚も二枚も上手な感じだった。

 試合はそんな彼らが先制した。27分だ。DFアケがドリブルで敵陣を進み、2人かわして最前線のハーランドにパス。受けたハーランドは、ゴール右隅ギリギリに左足で強烈なショットを叩き込む。ボールはGKアリソンが伸ばした手を弾いて入った。

 ハーランドはプレミアリーグ通算50ゴール目。史上最速だ。

途中出場の遠藤航が最後を締めた

 試合の中盤もずっとシティのペースで進んだ。だが逆にレッズの側から見れば、強豪シティを1点に抑えてうまく戦っているともいえる。

 その証拠に、後半に入り時間が押し迫るにつれ次第にリバプールが押し返し始める。そして88分にバイタルエリアでアレクサンダー=アーノルドの凄まじい2タッチでの右足のシュートがファーに決まった。レッズがとうとう同点に追いつく。

 さすがにこのハイレベルでは遠藤はついて行けないなぁ、と思って観ていたら、なんと85分に1対1の痺れる状況で遠藤が交代出場した。クロップは試合を締めるつもりだ。リバプールとしては帝王シティ相手に「引き分けで御の字」てなところだろう。

 それにしてもあんな難しい局面で遠藤が大事な試合の幕引きをまかされるとは、やはりクロップは遠藤の「守り切る力」を認めているのだ。それ以外にありえない。なにしろクロップは遠藤に試合を託したのだから。

 とすれば彼がこの後、強化すべきことは、組み立てのパス出しを含めた攻撃面だろう。そこさえクリアすればレギュラーは近い。

 こんなふうに試合は基本シティのペースで進んだが、特に後半アディショナルタイムに入るあたりからのレッズの追い上げは凄い迫力だった。かくて試合はこのまま1-1の引き分けで終わった。「世界の頂上決戦」は見ごたえ充分だった。

 本題と関係ないが、久保健英はレアル・マドリーなどに行かず、絶対にこの世界で勝負すべきだと強く感じた。そうすれば彼はまだまだ伸びるだろう。

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【J1リーグ】神戸がJ1優勝。大迫勇也よ、よくやった

2023-11-25 16:39:28 | Jリーグ
神戸の「大きなサッカー」がJ1を制した

 J1リーグ第33節のヴィッセル神戸対名古屋グランパス戦。2-1で神戸が勝利を収め、見事、彼らがJ1リーグ優勝を決めた。

 神戸といえば、FWの大迫勇也めがけて入れるダイレクトなロングパスや、SBからの対角のロングボールなど、縦に速くムダのない「大きなサッカー」で勝ち進んだ。ダイレクト・スタイルだ。

 彼らは、イニエスタを招聘して一時掲げた「バルサ化」とは正反対のサッカーで優勝した。そう。かつてはスペイン的な、意味もなくパスを繋ぎ倒す「遅いサッカー」が世界で主流だった。だがいまや世界を見れば、神戸のようなダイレクトで縦に速いチームが勝っている。

 つまり時代はひと回りしてダイレクトなサッカーへと回帰し、進化しているわけだ。今季の神戸はその最先端を行き、そして優勝した。

大迫勇也よ、得点王を獲り「2冠」をめざせ

 この試合、2アシストした大迫は本当にすばらしい選手だ。彼のポストプレイは誰にもマネができない。不世出のFWである。

 このあと大迫勇也がめざすべきは、得点王だ。目下、彼は22得点で得点ランキングの1位にいる。ぜひとも得点王を獲り、得点王とJ1リーグ優勝の2冠で「完全優勝」をめざしてほしい。

 森保監督に見せつけてやるのだ。

 そして森保監督は七重の膝を八重に折り、大迫勇也を日本代表に呼ぶべきだ。

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【J1 戦術分析】なぜヴィッセル神戸は強いのか?

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【W杯アジア2次予選】好調・日本はターンオーバーで勝ち抜く

2023-11-23 05:02:33 | サッカー日本代表
見えてきた2次予選の戦い方

 2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選は、第二戦のシリア戦が終わり徐々に日本の戦い方が見えてきた。

 シリア戦では第一戦のミャンマー戦からスタメンをごっそり9人入れ替えてターンオーバーした。日本は今後もこのやり方が常套手段になりそうだ。

 しかもそのなかで新しく追加招集されたMF佐野海舟(鹿島アントラーズ)がミャンマー戦で攻守に活躍した。他方、同じく追加招集のFW細谷真大(柏レイソル)もシリア戦で代表初ゴールを決めている。

 日本は新しく出てくる人材が必ず活躍するイケイケの好循環にあるようだ。

Jリーグにはまだ原石が眠っているのでは?

 おまけに日本はこれでも三笘薫や中村敬斗、鎌田大地、板倉滉、古橋亨梧、旗手怜央、前田大然、伊藤敦樹ら主力クラスがごっそりケガで脱落しているのだ。

 にもかかわらず、こうしてターンオーバーがきく。おそるべき選手層である。かつてない分厚さを誇っている。あの1993年のカタール・ドーハで、左SBの都並敏史がケガで欠場しただけで四苦八苦していたのが夢のようだ。

 特に佐野や細谷の躍動ぶりを見れば、まだまだJリーグには磨けば光る宝石が眠っているような気がするのは私だけだろうか?

 これでケガ人が続々戻ってくれば、めざすW杯本大会に向け明るい話題しかない状態になりそうだ。

ただし有頂天になってはいけない

 また既存の選手たちもそれぞれ活躍している。ミャンマー戦では南野拓実が絶妙なアシストをして復調の兆しを見せたし、伸び悩んでいた浅野はこのところ攻守に進境著しい。ミャンマー戦でハットトリックした上田綺世も、シリア戦でまた2点を取った。入れ食いだ。

 ほかにも常時安定の伊東純也はシリア戦で4アシストし、同様に1ゴール1アシストした久保健英は超ド級のプレーぶりでいまやチームの柱だ。

 一方、両SBの菅原由勢と伊藤洋輝も攻撃力が爆発しているし、ミャンマー戦では右SBの毎熊晟矢がいいプレーをしていた。菅原とはいいライバルだ。また遠藤航と森田英正を交えた冨安健洋や谷口彰悟ら守備陣の鉄板ぶりも安心できる。

 ただしこの連戦連勝で、くれぐれも有頂天にならないことが肝心だ。メディアは浮かれて煽るだろうが、舞台はまだアジア2次予選。相手ははるか格下だ。これぐらいできて当たり前なのだ。問題は、W杯本大会の決勝トーナメントでどこまでできるか? そんな厳しい心構えで次戦に臨みたい。

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【W杯アジア2次予選】点差こそ開いたがシリアは勇敢だった ~シリア 0-5 日本

2023-11-22 02:58:22 | サッカー日本代表
両者の攻防がおもしろい試合だ

 さて問題の敵地でのシリア戦である。2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の第二戦であるシリア対日本戦は、結局すったもんだの挙句にテレビ中継はなかった。

 また公式にはネット配信も「なし」ということになっていたが……ネットをさ迷っていたらYouTubeでシリアの公営放送らしきものをライブ中継しているのを見つけた。で、それを観させてもらった。

 画面は小さいしコンディションは悪いが、贅沢は言えない。

 日本は初戦のミャンマー戦から9人のスタメンを入れ替えてきた。フォーメーションは4-2-3-1だ。先発したのは、まずGKが鈴木彩艶。最終ラインは右から菅原由勢、谷口彰悟、冨安健洋、伊藤洋輝の並びだ。

 中盤には遠藤航と森田英正のダブルボランチが陣取る。また2列目には右から伊東純也、久保建英、浅野拓磨。そしてワントップは上田綺世だ。一方のシリアは4-1-4-1である。

 このゲーム、日本の選手たちは非常にコンディションがいい。彼らは機敏で実に運動量豊富だ。まるで映像を早送りしたかのようにビシバシ走っていた。プレースピードがとても速い。

 ポゼッション率は日本のほうが圧倒的に高いが、シリアもボールを持たないわけではない。彼らは思ったほど自陣へ引き込むでもなく、日本の攻めに合わせてよく上下動していた。

 シリアはミャンマーのように引きっぱなしじゃない。堂々と日本と殴り合った。彼らは勇敢に戦っていた。ただし日本のほうはゴールを5つ取ったが、シリアは無得点であることが大きな違いだ。

先制点は久保の豪快なゴールだった

 日本の先制点は前半33分だった。久保がボックス外からゴール右に豪快なシュートを決めた。続く37分には左SBの伊藤洋輝がサイドからクロスを入れ、それを逆サイドの伊東が中へ折り返し最後は上田がゴールに叩き込んだ。

 40分にはボールが中央の久保から伊東へと渡り、またもや上田がシュートを決めた。日本は3-0で前半を折り返した。

 後半に入り47分だった。ボックス手前で上田が倒されて迎えた日本のフリーキック。キッカーの久保がヒールでボールを後ろへそらし、受けた菅原が見事な弾丸シュートを決めた。デザインされたFKで4点目だ。

 後半のシリアはけっこうボールを繋いでくる。あの感じだと、おそらくこのグループは日本とシリアが突破を決めるだろう。彼らは1対1もけっこう強い。

シリアは激しくハイプレスでくる

 最終ラインでボールを保持した日本に対し、シリアは激しくハイプレスをかけてくる。戦術的だ。というのもシリア代表のエクトル・クーペル監督は、歴戦の名将なのである。

 彼は現役時代はアルゼンチン代表のセンターバックでならした。90年代後半からはリーガ・エスパニョーラのマヨルカの監督を務めた。

 そして1998-99シーズンにはUEFAカップウィナーズカップに堂々出場し、準決勝でスコットランドのハート・オブ・ミドロシアンFCを破って決勝に進出した。惜しくも決勝ではイタリアのラツィオに敗れたが、その功績は讃えられてしかるべきだろう。

 またこのシーズンのリーグ戦では、FCバルセロナとレアル・マドリードに次いでクラブ史上最高の3位に躍進。翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得している。

 続く1999年にはバレンシアの監督に就任。なんと1999-2000シーズン、および2000-01シーズンの2季連続でチャンピオンズリーグの決勝に進出し惜しくも敗れた。以降はイタリアのインテルでも2位や3位を獲ったりしている。

途中出場の細谷が5点目を獲った

 さて試合に戻ろう。日本は65分に上田と浅野が退き、代わって南野拓実と細谷真大が投入された。南野は左サイド、細谷はワントップだ。また75分には久保が引っ込んでMF堂安律が、冨安と交代でDF町田浩樹が出場した。

 日本の5点目は82分だった。左サイドにいた伊東からのクロスを、途中出場の細谷が胸でワントラップし2タッチ目できっちりゴールへ押し込んだ。U-22日本代表から追加招集された細谷がいきなり結果を出した。かくて83分には遠藤に代えて田中碧が投入される。

 そしてタイムアップ。点差こそかなり開いたが、シリアはなかなかいいチームだ。非常におもしろい試合だった。彼らは日本に決してひるむことなく、最後まであきらめず健闘していた。シリアには敬意を表したい。

 日本は2次予選のこのB組で唯一、連勝し、勝ち点を6に積み上げた。フル出場した伊東純也はなんと4アシストだ。また細谷は記念すべき代表初ゴールを決めた。チームはまさに絶好調。次の試合は3月の北朝鮮とのホーム&アウェー2連戦だ。このまま最後まで突っ走ろう。

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【U-17W杯2023】攻めが遅いのんびりジャパン ~スペイン 2-1 日本

2023-11-21 09:59:05 | サッカー日本代表
スペインにボールを持たせてカウンターを狙うが……

 インドネシアで開かれている「U-17ワールドカップ2023」はラウンド16を迎えた。11月20日、アジアカップで優勝しているU-17日本代表はスペインと戦った。試合は常に日本が先行される展開で、1-2で日本が力負けした。

 なにしろ日本が入ったヤマは、スペインはいるわドイツはいるはブラジルはいるはアルゼンチンはいるわ、という地獄のような組み分けだ。もし勝ち進んでも前途多難だっただろう。

 さてこのゲーム、基本はスペインがボールを持ち、日本は4-4-2のブロックを作って守る展開で進んだ。相手にボールを持たせて打ち取ろうという作戦だ。だが後述するが、彼らは決定的にそのためのノウハウに欠けていた。彼らはカウンター攻撃のやり方を知らないのだ。

 立ち上がりから、日本は最終ラインでマイボールになっても、きちんとビルドアップしようとしない。単にロングボールを放り込むだけでガッカリした。そんな日本にチャンスがあるとすればショートカウンターだろう。

 それにしても日本はのんびりプレイするチームだ。プレイスピードとボールスピード、判断のスピードが致命的に遅い。トランジションにも鋭さがなく、インテンシティも低い。たまに速く鋭い縦パスが入るが、基本はのんびりムードだ。

なんでもかんでも遅攻にしてしまう

 このU-17日本代表は今年7月に行われたアジアカップで優勝したときもそうだったが、(せっかく速攻が利く状況でも)なんでもかんでも遅攻にしてしまう。戦況に合わせて臨機応変に戦うのではなく、常に「自分たちのサッカー=遅攻」だけをやっている感じだ。

 彼らはとにかく攻めが遅いので、たまにマイボールにできてもすぐ敵に引かれて自陣にブロックを作られてしまう。必要もないのにバックパスし、その間に敵に守備の態勢を整えられてしまう。

 皮肉に言えば、彼らは敵がブロックを作るのを「待ってやってから」攻めているのだ。とにかく切り替えが遅い。

 このゲームの日本はスペインにボールを持たせているのだから、敵は常に前がかりになっている状態だ。つまりスペインは守備の態勢が崩れている。ならばボールを奪ったら速く攻めなければダメだ。敵の守備隊形が整っていないうちに攻め切ってしまわなければ勝機はない。このチームはもっと「縦への速さ」が必要なのだ。(これは「縦にロングボールを入れろ」という意味ではない)

 日本は男子のフル代表だけが縦に速いサッカーをやっているが、それが各年代に浸透していない。日本は(フル代表を除き)女子も含めて各年代とも遅攻に偏ったチームばかりだ。彼らは局面に応じたサッカーができていない。

スペインの鋭い攻めを浴びる

 さて試合はスペインが前でボールを奪うと、たちまち牙をむき出しにして攻めて来る。試合開始早々の前半8分。左から中央に鋭いラストパスを通され、キム・ジュニェントにゴールされた。先制点だ。

 日本は押し込まれると、中央の敵アタッカーを簡単にフリーにしてしまう。守備がガタガタだ。これでは何点取られるかわからない。

 だがそんな40分、右サイドから佐藤龍之介がマイナスのクロスを入れた。するとなぜかスペインの中央の守備が甘く名和田我空がフリーになっており、彼はゴール右にコースを狙ってシュートを決めた。同点だ。

 しかし74分にはライン裏に斜めのスルーパスを出され、CFマルク・ギウに見事なゴールを決められた。日本の冒険はこれで終わった。

 結論として、このチームはサッカーがわかってないし、駆け引きがまるでなってない。根本からコンセプト自体を考え直さなければダメだろう。

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【W杯アジア2次予選】はるか格下相手に快勝する 〜日本 5-0 ミャンマー

2023-11-17 08:47:40 | サッカー日本代表
問題はW杯本大会で格上相手に「これ」ができるか? だ

 サッカー日本代表は11月16日、2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の初戦でミャンマー代表と対戦し、5-0と快勝した。

 ワントップに入った上田綺世はハットトリックだ。それだけでなく南野拓実が2アシスト、鎌田大地が1ゴール、堂安律が1ゴール1アシストした。スタメンで出た彼ら4人は大暴れだった。

 ただし相手がはるか格下のミャンマーではできるのが当たり前だ。問題はW杯の本大会で格上相手に同じことができるかどうか? である。

 特に代表のテストマッチで思うように点が取れてない上田にはそれがいえる。これで喜んでいる場合じゃないだろう。

試合は冒頭からハーフコートマッチ化する

 予想通り、この試合は冒頭から森保ジャパンが一方的に攻め立てた。ミャンマーは全員が自陣に立てこもり、日本が縦横にボールをつなぐ展開だ。そして上田や鎌田大地らが大量5点を取り、しっかりゲームを終わらせた。

 試合は前半開始から、いきなり日本のハーフコートマッチになった。ミャンマーは5-4-1から7-2-1に変化し自陣にブロックを作って守り倒そうとする。日本はアンカーの田中碧が最終ラインの前にポジショニングし、ボールを左右に振り分け攻撃を差配していた。さすがのプレーぶりだ。

 相手が格下のミャンマーとあって、代表では力んで力を発揮できてない南野もさすがにカラダの力が抜けている。彼はさっそくアシストした。それは前半11分だった。

 南野が敵陣中央からゴール前へ縦にフワッとした柔らかい浮き球を送り、と同時に前へ走り込んだ上田が軽くジャンプしてヘッドでゴール左に叩き込んだ。日本の先制点だ。

 相手にガッチリ引かれて無得点のままただ時間だけが過ぎて行くーーというパターンが日本にとってはいちばんイヤな展開だった。だが早めに点が取れたので、これですっかりあとがラクになった。

 日本のフォーメーションは4-1-4-1だ。守備時は4-2-3-1に可変する。スタメンはGKが大迫敬介。最終ラインは右から毎熊晟矢、谷口彰悟、町田浩樹、中山雄太。アンカーは田中。2列目は右から堂安、鎌田、南野、相馬勇紀。ワントップは上田だ。

所属チームでは不遇な鎌田も躍動する

 日本の2点目は28分だった。田中が縦に短いパスを入れ、受けた鎌田は左足でゴール左に矢のようなミドルシュートを決めた。鎌田は所属のラツィオではあまり試合に出られてないが、代表ではウソのように躍動していた。

 この日の日本はたとえ一度ボールを失っても、相手がミャンマーだけにすぐ奪い返せる。そしてまた日本の攻撃だ。

 42分には中山がひどいバックチャージを受けた。だが審判はファウルさえ取らない。こういう試合でケガしてしまうのがいちばんつまらない。審判はああいう場面できちんとファウルを取り、以後のファウルを防いで試合を落ち着かせるべきだ。

 さて前半のアディショナルタイムに入った49分。堂安が右のポケットから、プラスのダイアゴナルなグラウンダーのパスを出す。これに反応して縦に抜け出した上田が右足でゴールにボールを流し込んだ。3-0だ。

 日本には一度もピンチらしいピンチが来ないまま、かくて前半が終わった。

攻守によく働く佐野海舟は使える

 そして後半に入り、立ち上がりから谷口に代えて渡辺剛、鎌田に代えて佐野海舟が投入された。佐野はアンカーに入り、代わりに田中は右インサイドハーフに回った。

 後半5分、4点目が入る。谷口から縦パスを受けた南野が、2タッチ目で縦にパスを入れる。受けた上田がこれをゴールに押し込み彼は3ゴール目。ハットトリックを達成した。

 後半19分には南野がドリブルから敵陣ボックス内へ持ち込みシュートしたが、ワクへ行かない。大舞台で力んで実力が出せないタイプの南野だが、このミャンマー戦ではリラックスできており2アシストした。だが結局シュートは決められない。これが彼の限界かもしれない。

 続く後半22分、日本は上田に代えて細谷真大、南野に代えて守田英正を投入した。守田はアンカーに入り、アンカーだった佐野が左インサイドハーフに回った。佐野はこの日、非常にいいプレーをした。要所で相手の攻撃の芽を摘み、セカンドボールもよく回収していた。彼は今後も代表に定着しそうだ。

 さて最後は41分だ。堂安が守田からの浮き球の縦パスをワントラップし、左足でゴールした。見事にGKの股を抜いた。締めて5-0である。日本はこれで久保と伊東、浅野拓磨、遠藤航、伊藤洋輝、菅原由勢ら主力組6人を温存し、第二戦のシリア戦に挑むことになる。

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【プレミアリーグ 23/24 第12節】遠藤航はオン・ザ・ボールを磨け ~リヴァプール 3-0 ブレントフォード

2023-11-14 05:04:37 | イングランド・プレミアリーグ
頻繁に起こるボールロストをなくしたい

 現地時間11月12日にプレミアリーグ第12節が行われ、リヴァプールとブレントフォードが対戦した。試合はリバプールが3ゴールを上げて勝利した。遠藤航がアンカーで先発フル出場した。

 ひさしぶりにプレミアリーグで先発した遠藤は、まずまず無難にプレーした。ただし4分と14分、37分に、そう難しくない場面でボールロストをしたほか、退場もののラフプレーをするなど課題も露わになった。

 この試合はボールが落ち着かないゲームだった。ブレントフォードは2-4-4でビルドアップするが、リバプールがボールを保持すると5-3-2で自陣にブロックを敷いて待ち構えた。そんな試合が動いたのは39分だった。

 ボックス内で縦パスを受けたCFダルウィン・ヌニェスが、右にいたサラーに横パスを出す。受けたサラーはきっちり枠内にシュートを決めた。先制点だ。このあとサラーとジョタが1点づつを取り、3-0でレッズが完勝した。

 リバプールのフォーメーションはいつもの4-1-2-3だ。スタメンはGKがアリソン。最終ラインは右からトレント・アレクサンダーアーノルド、ジョエル・マティプ、ファン・ダイク、コスタス・ツィミカスだ。

 アンカーは遠藤。右インサイドハーフはドミニク・ソボスライ、左インサイドハーフはコーディ・ガクポ。3トップは右からサラー、ヌニェス、ディオゴ・ジョタだ。

オン・ザ・ボールでバタつく

 この試合の遠藤は(3回のボールロストを除けば)そう目立った大きなミスもなく、破綻なくこなしていた。まずまずだった。ただし安定感があったとは言えない。

 例えばボールをトラップしようとして大きく弾いてしまい、そのため結果的に敵と競り合いになって仕方なくファウルしてしまったりしていた。

 例えば55分のシーンなどは象徴的だ。彼はボールを収めようとしてコントロールミスし、奪われそうになって出した足がブレントフォードのMFクリスティアン・ノアゴーの膝に当たった。これはレッドカードかどうかVARで検証されたが、ノーカウントで終わり助かった。

 こんなふうにオン・ザ・ボールのときの遠藤はけっこうバタバタしており、どうも危なっかしい。今にもミスしそうだった。そんなふうだから「パスの受け手はどこにボールが欲しいか?」などを考えた上でパス出ししているようには見えない。

 また遠藤のパスは他人に預ける無難なパスばかりで、マクアリスターのような「試合を決めてしまう」ような決定的なキーパスがないのが物足りなく感じる。

 ただしこれはあくまでライバルのマクアリスターとくらべればの話だ。遠藤のポジションはあくまでアンカーなので、求められるパス出しは組み立ての第一歩になるシンプルなボールだろう。ゆえに現状でも特に問題はない。

競り合いで敵の足を踏むクセをなくせ

 もうひとつ遠藤のプレイで気になったのは、競り合いの時に相手の足を踏んでしまうことが多い点だ。現にこの試合でもやっていた。

 また11月10日に行われたヨーロッパリーグ第4節のトゥールーズ戦でも、退場の可能性のある彼のプレイが論議を呼んだ。一方、このブレントフォード戦では見逃されてラッキーだったというしかない。

 まとめれば、やはり遠藤はプレミアリーグに慣れるのにまだ時間がかかりそうだ。

 この試合ではふだんアンカーを務めるマクアリスターが出場停止だったため遠藤が出たが、これが例えばビッグ6のチームが相手ならクロップは遠藤をスタメン出場させただろうか?

 結論として、遠藤はまだしばらく慣らし運転が必要だろう。

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