すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【U-23強化試合】高まる期待とポゼッション率 ~日本3-0ガーナ

2016-05-12 07:53:34 | サッカー日本代表
決定力の高さは相変わらず

 手倉森ジャパンは、観るたびにまったく別の顔を見せてくれる。進歩の証だ。システムこそ手慣れた4-4-2だったが、この日の彼らはアジア最終予選のときよりポゼッション率が高く、1タッチ、2タッチでテンポよくボールを回していた。たがいの距離感がよく、コンパクトだった。

 以前のように何でもタテへ大雑把に蹴り出すのでなく、必要なときにはキープできるようになってきた。精度の高いグラウンダーのパスがさざ波のように連鎖し、非常に効果的だった。チームコンセプトはあくまでショートカウンター狙いではあるが、バリエーションが増えたのは大きい。点差や残り時間、相手のスタイルに応じて使い分けがきくからだ。

 一方、守備に回れば、相手CBがボールをキープするとセンターサークル先端周辺からプレスをかけた。全域でよくプレスが効いており、ブロックもしっかり組めていた。メンバーを変えた後半は攻守両面で失速したが、特に前半は合格点だった。

 ただし相手はA代表とはいえガーナの国内組であり、ブラジルW杯でドイツを苦しめたあのガーナとはまったくの別物だった。アタッキングサードでのアイデアがなく、守備も緩く怖さがまるでなかった。あのクラスなら日本が圧倒できるのも当たり前だ。もっと強い相手でなければ強化にならない、というのが実感だった。

右SB伊東の推進力とクロスの質が目を引いた

 選手別ではなんといっても、1、2点目を叩き込んだ左MF矢島慎也の日だった。非常に冷静に、正確に、彼はボールをゴールにプレゼントした。後半はボランチに回っていたが、やはり矢島はサイドで使って攻撃力を生かしたい選手である。

 3点目を決めたFW富樫敬真も、氷の心臓を見せつけた。前へ出てくる相手GKに対し、その頭上を越える技ありのループシュートを見舞った。得点にからんだプレイ以外でも周りがよく見えており、FWカテゴリーにまたひとつ重要な選択肢ができた。

 一方、うしろの選手では、まず2点目をアシストした右SBの伊東幸敏は上がるタイミングと前への推進力、クロスの質がひときわ目を引いた。1試合だけではなんともいえないが、コンスタントにあのレベルのプレイができるなら買いだ。ケガでリハビリ中の右SB室屋も早ければ6月に復帰できるとのことで、このポジションには光が見えてきた。

 またCBの植田直通はすでにリーダーとしての風格を備え、頼もしさを増した。彼は最終予選ではアバウトなロングボールを放り込んでばかりいたが、この日はグラウンダーの縦パスでビルドアップしようという意欲が見えた。パスミスもあったが、将来性でいえば未来のA代表候補だろう。

 最後に、以前からそうだが左SBが大きく見劣りする。なんとか長友にOAで来てもらえないか? という気にさせられた。SBはケガ人続出で大きな補強ポイントだろう。

 さて次は18日から始まるトゥーロン国際大会(フランス)だ。このチームはいったいどこまで伸びるのか、見届けさせてもらおう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする