すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【女子アジア杯】ワイドな展開でゆさぶるニューなでしこ誕生 〜日本3-1中国

2018-04-18 09:53:00 | なでしこジャパン(ほか女子サッカー)
豪州戦で出た課題をきっちり修正

 なでしこがショートパス一辺倒から脱皮し、ピッチを広く使った大きなサイドチェンジと裏へのロングパスで中国を粉砕した。オーストラリア戦で多用した狭いエリアで他人まかせにする安易なバックパスが減り、「自分で」「前へ」の積極的な意識が目立った。一方の守備も粘り強く改善された。出た課題を次の試合ですぐに修正できるなでしこジャパンのサッカーIQの高さが光った。

 中国は帰陣が速くローブロックで日本を待ち受けるが、ボディコンタクトのある強い守備をしてくるわけでもなく見ているだけ。日本の中盤をフリーにし、最終ラインからのビルドアップをカンタンに許してくれた。このレベルの相手ならポゼッションはラクだ。問題は次の決勝戦。前から速いハイプレスをかけてくるオーストラリアである。

斜めの大きなサイドチェンジが効いた

 この日の日本はダブルボランチを組んだ宇津木と隅田から、放射状にサイドへ振り分けるロングパスとダイアゴナルな大きいサイドチェンジ、裏への長いスルーパスが効果的だった。これまでのようにグラウンダーのショートパスばかりを使う一点突破の「小さいサッカー」から、広く大きくピッチを使って相手を前後左右にゆさぶる「大きなサッカー」へと進化した。

 ただし後半は中国が一転してプレスをかけてくるようになり、判断の遅い日本の選手がボールを引っ掛けられるシーンも目立った。プレスに苦しんだオーストラリア戦同様、ここは課題だろう。

決勝は前からくる豪州をロングボールで押し戻せ

 さて次は決勝のオーストラリア戦だ。前回の対戦では彼らのハイプレスを受け、日本は狭いエリアで苦し紛れのバックパスを繰り返した。あれをカットされれば非常にリスキーだ。もし前回同様オーストラリアがハイプレスでくれば、日本はバックパスに逃げるのでなくいったん前にロングボールを入れて相手の最終ラインを下げさせ、ブロックを押し戻して陣形を整えたい。そこからが勝負だ。

 またオーストラリアは非常にプレースピードが速く、寄せも強くて速い。日本に考える時間をくれない。そのためにミスを誘発させられてしまう。ならば日本は極力プレー判断を速く正確にし、余分にボールを持たずカンタンに2タッチ以内でさばくスピーディーなサッカーをしたい。苦しいときにははっきり前へクリアし、フォアプレスで圧力をかけてくる相手のペースに巻き込まれないことだ。

 強さと速さ、フィジカルでは劣るが、細かなプレーの正確さと決定力なら日本のほうが明らかに上だ。自信をもって優勝を勝ち取ってほしい。

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