すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】ハリルジャパンには「帰る場所」がある

2018-04-07 06:47:01 | サッカー日本代表
W杯は「2016年アウェイ豪州戦」を雛形に戦え

 たかがテストマッチのマリ戦とウクライナ戦に勝てなかったことで、日本人のパニック度合いはいまや沸点に達しようとしている。だが以前にも書いた通り、あの2試合はあくまで選手選考のための場だ。勝ち負けに特段の意味はない。

 世間ではあたかも日本代表はめざすべきスタイルを見失い、崩壊の危機にあるかのように言われているが、むろんそんなことはない。

 なぜならハリルジャパンには、戦術的に戦いアウェイで引き分けた2016年オーストラリア戦という成功体験、つまり「帰る場所」があるからだ。特に格上ばかりが相手になるW杯本番では、あのときのように守備に重心を置くやり方で戦えばいい。

テストマッチは情報収集の場にすぎない

 選手をテストする場としてのマリ戦とウクライナ戦では本田の守備の能力がわかったし、酒井高徳は時限爆弾であることも再確認できた。酒井(宏)が欠ければこのチームは崩壊する。

 またゾーンを無視して人に食いつく山口蛍は穴を作る危険性大だが、おそらくハリルはその短所には目をつむり彼の「強さ」に賭けている。とすれば山口をいかに飼い慣らすか? がこのチームの生命線になるだろう。

 そしてハリルジャパンは(年々ミスは多くなってきたが)やはり長谷部が軸だ。ポストプレイが鉄板の大迫とハードワークが光った原口は当確。ジョーカー・中島の破壊力も実証できた。こんなふうにマリ戦とウクライナ戦からは、テストマッチとしては一定以上の情報が得られた。成功だろう。

 個人的には山口と同様、強さとダイナミズムのある井手口を呼び戻し2人をインサイドハーフとし、アンカーの長谷部と3センターを組ませる4-1-4-1を基本形として推しておく。

豪州戦をベースに対戦相手に応じてアレンジを

 さて、ではハリルジャパンはW杯本番でどう戦えばいいのか?

 冒頭に書いた通り、2016年10月11日にアウェイで引き分けた(1-1)オーストラリア戦でのオーガナイズをベースにすればいい。戦術的に非常に機能していたあの形を作るのにそう何ヶ月もかかってないのだから、もちろん今からでもW杯本番には十分間に合う。

 あの試合は「守備的すぎた」との批判もあったが、W杯ではコロンビア、セネガル、ポーランドという格上ばかりと当たるのだからあれぐらい守備重視でちょうどいい。強豪相手に粘り強く守り、ボールを奪ったら速いショートカウンターで一撃を見舞う。そんなハリルジャパンの原点に戻ればいい。

 そしてあのやり方を基本とし、本番では対戦相手の特徴に合わせてハイプレスで入る試合があったり、ハリルのオタク的な徹底分析に基づくアレンジを加える。オーストラリア戦のように本田を1トップに据えるかどうかは、試合によって決めればいいだろう。

 こう考えれば、何も日本人はパニックに陥る必要などまったくない。いまの淀んだ空気と絶望感を生んでいるのは商売のために危機を煽るマスコミの情報操作と、マリ戦、ウクライナ戦に勝てなかったことである。だが繰り返しになるが、あれは単なるテストマッチにすぎない。

 考えてもみてほしい。過去の日本代表みたいにホームの親善試合で格下相手に連戦連勝し、いざW杯本番となったらあえなく撃沈されるのではまったく意味がない。日本人は「テスト」の意味をもう一度よく考えてみるべきだろう。

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