すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【プレミアリーグ 19/20 第5節】ノリッジのコレクティブ・カウンターが炸裂する ~ノリッジ 3-2 マンチェスターC

2019-09-16 08:40:32 | イングランド・プレミアリーグ
シティは圧倒的に押し込むが……

 立ち上がりからマンチェスター・シティは圧倒的なポゼッションで、昇格組のノリッジを自陣に押し込んだ。だがいつもと違いスムーズにボールを運べない。

 これでひとたびシティがボールを失うと、前線に次から次へと人が湧き出してくるノリッジのコレクティブ・カウンターが炸裂。3発を叩き込んで王者シティを粉砕した。

 シティのフォーメーションは4-1-2-3。スタメンはGKがエデルソン。最終ラインは右からカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、オタメンディ、ジンチェンコ。

 またこの日のアンカーはロドリ。インサイドMFは右がギュンドアン、左がダビド・シルバ。3トップは右からベルナルド・シウバ、アグエロ、スターリングだ。

プレスを受けシティのパスワークが各駅停車に

 シティのビルドアップは左SBのジンチェンコと右SBのウォーカーが、アンカーのロドリの高さまで1列上がって内に絞り、偽SB化して2-3-5で攻める。これでインサイドMFがサイドに開いて内側にスペースを作り、そのスペースにSBがインナーラップしハーフスペースを使う形だ。

 ところがこの日のシティはボールの運びがスムーズじゃない。いつもの縦への速さがない。シティは通常2タッチ以内で流れるようにパスをつなぐが、この日はシティのボールホルダーがマーカーと正対してたっぷり3秒間、考え込んだりしている。

 で、あげくノリッジのプレッシングを受けてひんぱんにバックパスしているのだ。こんな各駅停車のシティは見たことがない。この形でシティは、ノリッジ陣内でボールを失ってはカウンターを食らうことになった。

アグレッシブなノリッジは前へ前へと真っ向勝負

 一方、ノリッジのフォーメーションは2センターの4-4-2だ。彼らはていねいにビルドアップしグラウンダーのパスでポゼッションしようとする。非常にアグレッシブで躍動感があり、前へ前へと真っ向勝負してくる。気持ちで戦う素晴らしいチームである。

 ノリッジは終始シティに攻め込まれ自陣に押し込められているため、自陣でボールを奪うと長い距離を運んでカウンターに移る。その際、ロングボールをトップに当てたりするのでなく、ポジティブ・トランジションで選手が前へ前へと続々湧き出し、グラウンダーのボールを次々につないでコレクティブ・カウンターをかける。

 シティの高い最終ラインの背後にはたっぷりスペースがあり、ノリッジはこのスペースをうまく使っておもしろいようにカウンターを決めた。

シティは守備の崩壊が痛い

 ノリッジは前半28分に2点目を奪って以降、ボールを失うと明確にディフェンディングサードまでリトリートし自陣に4-4-2のブロックを作るようになった。守備固めの逃げ切り策だ。そのため逆にシティがますますノリッジ陣内に押し込み、完全にハーフコートマッチの様相を呈して行く。

 そしてシティは前半45分にアグエロがゴールを奪い反攻の狼煙を上げたが、どうもうまく行かない。特に後半5分の3点目の点の取られ方はひどかった。シティのビルドアップ時にCBのオタメンディがハイプレスを受けてボールを失ない、ノリッジのプッキにゴールを決められたのだ。

 シティはその直前にもライン裏のスペースを狙われ決定機を与えるなど、どうにもリズムがおかしかった。シティは8月31日に行われた第4節のブライトン戦でCBのラポルトが右膝を負傷し、長期離脱したばかり。そのため守備に変調をきたしている。

 さて第5節を終え、首位を走るリバプールは開幕から5戦全勝の勝ち点15。それを追う2位のシティはすでに1分け1敗しており勝ち点10だ。昨季のシティとリバプールの優勝争いは、リバプールがたった1敗しただけで優勝を逃す僅差だった。それだけに今季のシティは早くも雲行きが怪しくなってきたかもしれない。

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