このスタイルはアジアでしか通用しない
日本人はショートパスやワンツーにこだわる小さいサッカーが大好きだ。いや好きというよりすでにそれは血肉となり、日本人のDNAに深く刻み込まれている。
そんな日本人ならではの小さいサッカーではロングパスを使わない(だからいつまでたってもロングボールの精度が身に付かない)。そして日本人はショートパスばかり多用するため、味方のボールホルダーに「まず寄ってやる」クセがついている。つまり味方同士が近くにいる距離感が彼らの命だ。
そのとき出される彼らのパスは、ヨーロッパ人から見ると非常に弱々しい。日本人は近い距離でしかパス交換しないため、強いパスは必要ないのだ。必要ないからJリーグでは弱いパスばかりになり、いつまでたっても日本人には強いパスが身に付かない。
こんなふうに日本人は弱いパスが習慣になっているため、海外のチームと試合をすると簡単にパスカットされてしまう(例えばロシアW杯最終予選・UAE戦でのMF大島の弱いパスが典型だ)。ボールスピードのない弱いパスでは、密集地帯を通せない。高度に組織化した現代サッカーの守備網に穴を開けることはできない。これでは日本はいつまでたっても「世界」に通用しない。
日本人はシュートレンジが極端に短い
日常的に小さいサッカーをする日本人は、とりわけシュートレンジが極端に短い。小さいサッカーが習慣化している日本では、「シュートはペナルティエリアに入ってから打つものだ」という感覚が常識だからだ。
しかもオフェンスの時だけでなくディフェンス時にもその認識だから、敵のボールホルダーがボックス外なら厳しく寄せに行かないことも多い。結果、海外のチームと試合をすると簡単にミドル〜ロングシュートを決められてしまう。
すべてはいかにも日本人らしい、小さいサッカーの感覚ならではだ。日本が世界に勝つためには小さいサッカーから卒業し、日本人に身に付いてしまった独特の距離感をまず修正する必要がある。
ハリルは日本人の「小さいサッカー症候群」を見抜いた
そんな日本の代表監督に就任したのがハリルホジッチだった。彼は対戦チームを事前にスカウティングし、弱点を分析するのに非常に長けている。そんなハリルは日本人の欠点をひと目で見抜き、「まず小さいサッカーを矯正する必要がある。それには大きいサッカーを習慣づけることだ」と考えた。で、ハリルは「縦に速く」とか「ひとつ飛ばして遠くにパスを出せ」と言い出した。
だがなんせ日本は小さいサッカーの国である。ジャーナリストから代表選手に至るまで、「日本人ならではの距離感が何より重要だ」と考えている。そんな日本人たちにはハリルの意図がサッパリわからない。かくて、「ヤツはただの縦ポン監督じゃないか」などと陰口が飛び交う始末である。
やれやれ、ハリルという名の宣教師の布教は長引きそうだ。
そもそも「強いパスを心掛けろ」などとハリルが今やっていることは、本来なら育成年代の日本人指導者が教えているべきことである。代表選手をロープで繋いでディアゴナーレとスカラトゥーラを教える、などというのもそうだ。それをなぜ今ごろハリルがA代表でやる羽目になるのか? どうも日本人選手のパスが弱い問題等は選手の責任というより育成システムに問題があるようだ。根は深い。
「自分たちのサッカーができなかった」とは?
忘れもしないあのブラジルW杯。日本代表選手たちが口々に唱えていた「自分たちのサッカー」なるものは、つまりは小さいサッカーのことだ。すなわち「自分たちのサッカーができなかったから負けた」というのは、「自分たちの小さいサッカーが世界に通用しなかった」ことを意味している。
「自分たちの小さいサッカー」は世界に通用しない。
日本人は、まずそこからスタートするべきだ。
日本人はショートパスやワンツーにこだわる小さいサッカーが大好きだ。いや好きというよりすでにそれは血肉となり、日本人のDNAに深く刻み込まれている。
そんな日本人ならではの小さいサッカーではロングパスを使わない(だからいつまでたってもロングボールの精度が身に付かない)。そして日本人はショートパスばかり多用するため、味方のボールホルダーに「まず寄ってやる」クセがついている。つまり味方同士が近くにいる距離感が彼らの命だ。
そのとき出される彼らのパスは、ヨーロッパ人から見ると非常に弱々しい。日本人は近い距離でしかパス交換しないため、強いパスは必要ないのだ。必要ないからJリーグでは弱いパスばかりになり、いつまでたっても日本人には強いパスが身に付かない。
こんなふうに日本人は弱いパスが習慣になっているため、海外のチームと試合をすると簡単にパスカットされてしまう(例えばロシアW杯最終予選・UAE戦でのMF大島の弱いパスが典型だ)。ボールスピードのない弱いパスでは、密集地帯を通せない。高度に組織化した現代サッカーの守備網に穴を開けることはできない。これでは日本はいつまでたっても「世界」に通用しない。
日本人はシュートレンジが極端に短い
日常的に小さいサッカーをする日本人は、とりわけシュートレンジが極端に短い。小さいサッカーが習慣化している日本では、「シュートはペナルティエリアに入ってから打つものだ」という感覚が常識だからだ。
しかもオフェンスの時だけでなくディフェンス時にもその認識だから、敵のボールホルダーがボックス外なら厳しく寄せに行かないことも多い。結果、海外のチームと試合をすると簡単にミドル〜ロングシュートを決められてしまう。
すべてはいかにも日本人らしい、小さいサッカーの感覚ならではだ。日本が世界に勝つためには小さいサッカーから卒業し、日本人に身に付いてしまった独特の距離感をまず修正する必要がある。
ハリルは日本人の「小さいサッカー症候群」を見抜いた
そんな日本の代表監督に就任したのがハリルホジッチだった。彼は対戦チームを事前にスカウティングし、弱点を分析するのに非常に長けている。そんなハリルは日本人の欠点をひと目で見抜き、「まず小さいサッカーを矯正する必要がある。それには大きいサッカーを習慣づけることだ」と考えた。で、ハリルは「縦に速く」とか「ひとつ飛ばして遠くにパスを出せ」と言い出した。
だがなんせ日本は小さいサッカーの国である。ジャーナリストから代表選手に至るまで、「日本人ならではの距離感が何より重要だ」と考えている。そんな日本人たちにはハリルの意図がサッパリわからない。かくて、「ヤツはただの縦ポン監督じゃないか」などと陰口が飛び交う始末である。
やれやれ、ハリルという名の宣教師の布教は長引きそうだ。
そもそも「強いパスを心掛けろ」などとハリルが今やっていることは、本来なら育成年代の日本人指導者が教えているべきことである。代表選手をロープで繋いでディアゴナーレとスカラトゥーラを教える、などというのもそうだ。それをなぜ今ごろハリルがA代表でやる羽目になるのか? どうも日本人選手のパスが弱い問題等は選手の責任というより育成システムに問題があるようだ。根は深い。
「自分たちのサッカーができなかった」とは?
忘れもしないあのブラジルW杯。日本代表選手たちが口々に唱えていた「自分たちのサッカー」なるものは、つまりは小さいサッカーのことだ。すなわち「自分たちのサッカーができなかったから負けた」というのは、「自分たちの小さいサッカーが世界に通用しなかった」ことを意味している。
「自分たちの小さいサッカー」は世界に通用しない。
日本人は、まずそこからスタートするべきだ。