すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【政府の思うツボ】世界的に大規模なネット規制が始まりつつある

2024-12-11 13:26:54 | メディア論
ネットユーザーは「敵に塩をやる行為」を自粛すべきだ

 インターネットに関し、こんな調査結果がある。

「病む→ネットでネガティブな内容を見たくなる→精神状態が悪化→また見たくなる……のループ 英UCLなどが研究報告」(ITmedia NEWS)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f0ea41cb14abd41798cdd27196928d75f011449

 そして例えば以下の通り、いま日本は社会が明らかに「マス・ヒステリー状態」に陥っている。

「【兵庫案件】いま日本社会は「マス・ヒステリー状態」にある」(すちゃらかな日常 松岡美樹)
https://blog.goo.ne.jp/matsuoka_miki/e/8523685f059a832283f782cbf2bd82cb

 具体的には、まずN党・立花孝志氏はそもそも「躁状態」でネットなんてやっちゃダメだ。

 私は「メディア論」だけじゃなく「精神医学」も専門分野のひとつだが、ちょっと躁のメカニズムを知ってる人間なら「躁状態」でネットの過激な情報に接し続けることがいかに人間に悪影響を与えるか?

 そんなことは、もちろんわかっている。私の目から見れば、立花氏の行動は自殺行為だ。

 現に日本社会は冒頭で挙げたように、立花氏のネット上の言動に強く刺激され、明らかに「マス・ヒステリー」状態にある。

 立花氏が巻き起こすインパクトのある話題性と社会的反響に強く影響され、今度は似たような体質であるごぼうの党・奥野たかし氏が立花氏に宣戦布告する次第だ。こうした社会現象はまだまだ続くだろう。

 まあネット民がオールドメディアを初めとする既成のくだらない権威をぶち壊す「インターネット時代の旗手だ」とばかりに、立花氏を支持する心情はわかる。

 だが、それに倣った市井の1ネットユーザが、アクセス稼ぎを狙って面白おかしいデマを垂れ流し始めるのはダメだ。社会的影響が大きい。

 絵に描いたようなパターンだからだ。

 ヘンなチャンネルの宣伝になるといけないので、あえて具体的なソースはあげない。それは以下のようなわかりやすい事例だ。

 昨日、あるネットユーザが「斎藤知事が記者会見して有罪を認めた」「裁判所も斎藤氏に有罪判決を出した」などとミエミエのデマを流した。

「ああ。とうとう、このレベルの現象に発展したか……」

 そんな感じがした。

まだまだ「マス・ヒステリー」現象は進む可能性がある

 そもそも上に挙げたデマが主張する「裁判所」って、一体どこの裁判所なのか?

 それを明示してないし、ソースもまるでない。だいたい捜査当局の捜査が始まっているかどうかも、世間にはわからない状態なのだ。

 なのに、もう裁判所が「有罪判決」なんて出すはずがない。明らかなデマだ。

 念のため、過去に本ブログで紹介した「刑事事件がどう進むのか?」を法務省が公式に示した資料を以下に再掲しよう。

「刑事事件フローチャート」(法務省)
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji09.html

 つまりこういう段取りなのだ。だからこの段階で「裁判所が斎藤氏に有罪を宣告した」なんてあり得ない。あまりにも早すぎる。

 だが立花氏や奥野氏に扇動され、こんなふうに「マス・ヒステリー」現象に誘い込まれた人々が無軌道な行動を取るケースが社会にまだまだ出てくる可能性がある。

 そして今度はそれに影響を受けた「観衆」が、色めき立って興奮し「右へ倣え」する可能性だってある。

 現にいまネット上は、まったくセオリーを無視した以下のようなコンテンツ作りが横行する無法状態だ。

『【兵庫に見るメディア論】終わっているのは「オールドメディア」だけじゃない』
https://blog.goo.ne.jp/matsuoka_miki/e/d171834d596908e377d81e5136651f6c

 上記をご覧の通り、すでに日本社会はもうかなりヤバい状態にある。

日本でもこども家庭庁がネット規制を検討し始めた

 それに乗じ日本政府は、これ幸いと図にのって「ネット規制」を強めつつある。これじゃあ、ヤツらの思うツボだ。

 例えば上で挙げた前回の記事でもご紹介したが、「日本でも、こども家庭庁が11月25日、有識者や関係各省庁の課長級で構成する『インターネット利用を巡る青少年の保護のあり方に関するワーキンググループ(WG)』の初会合を開いたばかりだ。

 また前回の記事でも紹介したが、先行したオーストラリアは「16歳未満のSNS利用を禁止する法案」を今年11月28日に可決した。

 一方、イギリスでも似たような動きがある。

「イギリス政府 16歳未満のSNS利用禁止を検討か(2023/12/15) 」(テレ朝ニュース)

 またアメリカも同じだ。

「米連邦控訴裁が先週、TikTokを禁止する新法は合憲との判断を示した」(Forbes JAPAN)

 日本政府による規制強化は、こうした世界的な流れに便乗している。

 これだから立花氏は「躁状態」でネット配信なんかしちゃダメなんだ。一方、奥野たかし氏だって扇動に乗ってはいけない。

 また一方のネットユーザーも、セオリーをわきまえ上記のような酷いコンテンツ作りを自粛すべきだ。

 でないと政府はますます図にのって、ネットに強い規制をかけてくるぞ。

 そもそもインターネットは政府やマスコミのような「絶対権力」に対し、単なる市井の人々が対抗するためのかけがえのない唯一の武器だ。

 だからネットユーザーは「敵に塩を送って」逆にヘンな規制を受けないよう、モラルをわきまえて行動する必要がある。

 そうしなければ、必ず「自分で自分のクビを締める」結果になるだろう。

人間の「個人的な行動」の是非とそれが「社会全体」に与える影響とは別の話だ

 さて、ここまで読んだ読者の方は、あるいはこんなふうに感じるかもしれない。

「なんだ。松岡は立花氏の行動を今まで黙認してきたクセに、急に批判し始めたな」

 いや、そうじゃない。

 立花氏が「個人的」に何をやろうが(明確に法に触れない限り)自由なのだ。だが彼の行動や言動が「社会全体」に深刻な影響を与えるとなれば話は別だ。(冒頭で書いた通り、まあこれはある程度は予想していたが)

 で、予想通りその気配が見え始めたコトここに至っては、ちょっと社会に警鐘を促しておく必要があるな。そう考えてこの記事を書いた。このまま放置すると危険だからだ。

 だった立花氏を単に口汚く「個人攻撃」する人は多いが、「躁状態」にある彼の存在が社会全体に与える「マス・ヒステリー」的な心理の深い影響や、その言動が社会に作用する「構造」「メカニズム」、また果たすマイナスの「機能」を緻密に分析した上で発言してる人なんて(私が知る限り)誰一人いないんだから。

 だが私は「精神医学」や「社会現象の分析」を両方同時に本領としてきたので、今回の全体像やそれらが相互作用を起こすメカニズムがよく見える。

 だからこの段階に至っては、ちょっとひとこと言及しておく必要があるなーー。そう考えて本記事を書いた。そんな意図だ。

 くれぐれも誤解なきように。

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