「答えを教えてあげるよ」。結論を先に言えば、ほりえもんさんがオウムに近いのはこの一点だ。だから切込隊長の俺様キングダム「ライブドア騒動と、オウム真理教事件が構造的に酷似している件について」は微妙に空振りしてる。よせばいいのに、それ以外の枝葉もふくめて全部オウムに当てはめようとしてるからだ。
たぶん切込隊長はこう考えたんでしょう。
「なんか似てるよな」
「よし。いっちょう、あいつをオウムに仕立て上げてやれ」
たしかに切り口はいい線行ってるんだけど、でもこれって小林よしのりと同じ論理だよ(笑)。自分に都合の悪いヤツが出てくると、すぐ「あいつはオウムに近い」って話になっちゃう。それこそ酷似してるよねえ、小林よしのりと切込隊長は。逆にさ。
例の言説の冒頭近くで、隊長はこう書いてる。
「※ 本稿はライブドアが犯罪性のある集団であるという意図ではなく、メディアでの取り上げられ方や組織の構造が類似していることを示唆するもので、誤解のないようにお願いしたいと思います」
隊長、煙幕張ってるけどさあ、でも結局、結論はソコに行ってるじゃん。
わはは。
ていうか、実はこの注釈こそが、隊長の発想の原点なんだよね。これが隊長の衣の下の鎧だ。
で、そのあとからすべてのディテールをほりえもんさんに無理やり当てはめようとするから、論理が破綻しちゃうんだよ。隊長。
ほりえもんさんとオウムは「答えを教えてあげるよ」の一点で酷似してる。ここで留めときゃいいのに。じゃあ「答えを教えてあげる」ってのは何を意味してるのか? 説明するには20年前にさかのぼらなきゃ。
このブログのコメント欄でも前にちょっと触れたけど、それまではみんな何も考えずに大学を出て就職し、2、3年たったら結婚してセックスして子供作って、社会の成員としてせせこましく暮らしてたわけだ。ちまちま税金払いながら、こうしてみんな一生終わってた。
それで世の中はうまく回ってたし、ずっとこいつが人生の「答え」だった。全員でちょっとづつ社会に貢献し、平凡ながらも小さな幸せを糧にして死んで行く。それが答えだった。
ところが80年代初頭にフリーターって概念が出てきた。この社会思想は、いままでの世の中のメカニズムを根こそぎ壊すカウンター・アタックだった。
世の中なんてカンケーねえよ。俺は俺のやりたいようにやるぜ。国民年金? んなもん、払うわけねえだろバカヤロー。
保守陣営にとってはえらい脅威だ。もっと言えばほりえもんさんに代表されるITバブリーな人たちって、明らかにフリーター思想の延長線上にある。
「ネクタイなんかしなくたっていいだろ」
「俺らはやりたいこと(=IT)をやって食ってくぜ」
ところがフリーター思想を掲げる大多数の人たちは、そんな答えを明確にもってなかった。だいたいごく一部の天才をのぞいて、世の中の80%の人たちは平凡な「普通の人」なんだから、そもそもフリーターなんてキビシイ生き方は似合わないの。でも時代の同調圧力に負けて、みんながこう考えちゃった。
今の自分は、「本当の自分」じゃないんじゃないか?
んで、就職せずにひたすら「自分探し」の旅を始めちゃった。
じゃあ、あのころ旗振り役になった勢力は、大衆をどう煽ったか? たとえば中小企業でお茶汲みやってるOLさんに、こう問いかけた。
今のあなたって、お茶汲みなんかやってるよねえ。それって「つまらない自分」だと思わない? 実は「本当の自分」はそうじゃなくて、もっとほかにあると思わないか? さあ僕らといっしょに探しに行こうよ。
で、何の取り得もない平凡なOLさん(に代表される世の中の80%の人たち)が、みーんな、カンちがいしちゃった。
今のアタシはたしかにつまらないわ。
もっと輝かしい「本当の自分」を見つけよう。
本来ならこの人たちって、何も考えずに結婚して税金払いながら世の中に食わせてもらって一生終わる、「つまらない人」なんだよね。誤解を恐れずに言えば。でもさ、それがこの人たちの「役割」なの。
なのにアジテーターの煽りに乗って、みんながカンちがいしちゃった。で、そこまではいいんだけど、彼らってホントは別段「目標をもつべきじゃない平凡な人たち」なわけだ。だから別の生き方をしようなんて考えても、それがなんだかわかんない。
答えが見つからないわけ。
実は「答え」なんて、そんなん、どこにもないんだよ。ないものを探してるから、いつまでたっても見つからない。
あーあ、余計なことしなきゃ、「そこそこの幸せ」で一生終えられたのに。アジ演説にだまされて踏み外しちゃったよこの人も。そんな感じ。
これが80年代に起こった変動の第一波だった。
で、続く90年代には、第二波がやってきた。そんな人たちをだまして、彼らから上がりを巻き上げよう。オウムに代表される新々宗教がぞろぞろ出てきた。
「あなたたち、私が答えを教えてあげますよ」
ないはずの答えを求めて浮遊してるかなりの人たちが、こうして吸収されていった。つまりオウムは「ひっかけの集団」だったわけだ。冒頭の定義に戻ると、この「ひっかけの集団」って意味でほりえもんさんはオウムに「酷似」してるよね、たしかに(笑)
たとえば宮台真司さんが2002年に出した本も、同じ原理を利用して売ろうとしてた。
「これが答えだ! ―新世紀を生きるための108問108答」(朝日新聞社)
ほら。宮台さんの本でも、「答えを教えてあげるよ」がキーワードになってる。(実は黒幕は別にいるんだけど)宮台さんは確信犯的に「答え」って言葉を使ってる。
でもそれ以前の1996年には、「ありし日」(笑)の鶴見済が「人格改造マニュアル」(太田出版)の中ではっきり答えを出してる。ちょっと長いが引用しよう。
『何人かの知人から「(自殺マニュアルの件で/注釈・松岡)インタビュアーに詰問されているのに、なぜニコニコ笑っているのか」と聞かれた。答えは「抗うつ剤を多めに飲んでいたから」だ。こうすれば何を言われたってニコニコしてしまう。こうして僕は、狙いどおりの「にこやかな著者」として多くの人の目に映ることになった。
もちろん、初めは色々な仮面をつけている気分になっていた。それがだんだんどれが仮面で、どれが“本当の顔”なのかわからなくなってきた。けれども、もともと“本当の顔”などというものがないのだ、と気づくまでにそれほど時間はかからなかった。その時、体が一気に軽くなった気がした』
本当の自分なんて、実はないんだよ。
でも相変わらずネクタイせずにテレビに出てきちゃ、ほりえもんさんがなんか正論言ってる。それ見てハマっちゃう人はこう考える。
ああ、この人について行けば答えが見つかるんじゃないか? 今の自分を決して満たしてくれない、この社会システムを壊してくれるんじゃないか?
「満たされない自分」を満たしてくれる世の中が、その先にあるにちがいない。俺って今まで「本当の自分」がわかんなかったけど、きっとこのおっさんについて行ったら「ワンダーランド」にたどり着けるんだろう。
ほりえもんさんが背負ってるポピュリズムの正体はこれだ。で、ウンカのように「平凡でつまらない人たち」の支持が集まる。この「ひっかけの構造」が、まったくオウムと同じだ。
じゃあ宮台さんはあんまり叩かれないのに、なんでほりえもんさんは叩かれるのか? それは宮台さんは完全に「わかってやってる」んだけど、ほりえもんさんの場合、半分、ワケわかってないのね。残りの半分は本気なんだよ、あれ。
100%、ひっかけなんだったら、「ああ、なんかやってるな。ミエミエだな」で終わるのに、ほりえもんさんの場合は衣の下に鎧が見える。その意味では切込隊長のほりえもんバッシングと同じだ。もうね、本気の部分がチラチラしてる。だから保守な人たち、今までの社会のあり方をかろうじて保とうとしてる勢力が危機感をもつ。
「こいつ。ほっといたら、まじでやばいんじゃないか?」
「ホントに世の中を変えちゃうんじゃないか?」
こう思われてんだよね。あの人。で、叩かれる。そもそもほりえもんさんて、いじられキャだしねえ。叩く人にとっては、いじめるとすごいキモチいいタイプなんだよ。かわいそうに(笑)
そんなわけで切込隊長も無理くり叩くわけだけど、果たしてどっちが答えをもってるのかな。たぶんほりえもんさんについてっても、ロクなことにゃならないと思うけどね。わかんないけど。
でもねえ、実はそんなことやってる場合じゃないんだよ。世の中はかなりやばくなってるんだ。もう10年くらい前から、認知心理学の専門家たちはかなり危機感をもってるよ。「21世紀はウツ病の時代だ」ってのが大問題になってるの。
いったい、どゆことか?
自分探しをして答えが見つからない。どっかにもっといい生き方があるんじゃないか? そんなことをずーっと考えてると、常に理想と現実のギャップがつきまとう。これがストレッサーになって、みんなかたっぱしからウツになっちゃうんだよ。
これって下手に思考する人ほどなりやすい。何も考えずに就職して結婚する人よりもね。
で、病院で正式に診断されてなくても、ウツ病、あるいは抑ウツ状態にある人がここ10年くらい激増してる。先進国の中で日本の自殺率が飛びぬけて高いのも、実はそのせいだ。長くなるから解説は別の機会にゆずるけど、試しにグーグルに「認知の歪み」って入れて検索してみ。みんな。
「あーっ。これって俺そのものじゃん」
そんな症例がぞろぞろ出てくるぞ。そのへん普通に歩いてる人たちが、みんな結構当てはまってるはずだ。
実は今の日本の抱えてる深刻な社会問題って、北朝鮮でもイラクでもなんでもないんだ。
自分探しの果てにやってきた、「ウツという名の荒れ果てたゴール」なんだよ。
1980年代以降に激変した現代日本が解決すべき難問は、海の向こうにあるんじゃない。最大のテーマは「内なる自分」だ。まじでやばいよ、この問題は。
だって答えがないんだもん。
【関連エントリ】
『人生をスルーした人々』
『自分探しシンドロームを超えろ』
自分探しに疲れたあなたに贈る処方箋
たぶん切込隊長はこう考えたんでしょう。
「なんか似てるよな」
「よし。いっちょう、あいつをオウムに仕立て上げてやれ」
たしかに切り口はいい線行ってるんだけど、でもこれって小林よしのりと同じ論理だよ(笑)。自分に都合の悪いヤツが出てくると、すぐ「あいつはオウムに近い」って話になっちゃう。それこそ酷似してるよねえ、小林よしのりと切込隊長は。逆にさ。
例の言説の冒頭近くで、隊長はこう書いてる。
「※ 本稿はライブドアが犯罪性のある集団であるという意図ではなく、メディアでの取り上げられ方や組織の構造が類似していることを示唆するもので、誤解のないようにお願いしたいと思います」
隊長、煙幕張ってるけどさあ、でも結局、結論はソコに行ってるじゃん。
わはは。
ていうか、実はこの注釈こそが、隊長の発想の原点なんだよね。これが隊長の衣の下の鎧だ。
で、そのあとからすべてのディテールをほりえもんさんに無理やり当てはめようとするから、論理が破綻しちゃうんだよ。隊長。
ほりえもんさんとオウムは「答えを教えてあげるよ」の一点で酷似してる。ここで留めときゃいいのに。じゃあ「答えを教えてあげる」ってのは何を意味してるのか? 説明するには20年前にさかのぼらなきゃ。
このブログのコメント欄でも前にちょっと触れたけど、それまではみんな何も考えずに大学を出て就職し、2、3年たったら結婚してセックスして子供作って、社会の成員としてせせこましく暮らしてたわけだ。ちまちま税金払いながら、こうしてみんな一生終わってた。
それで世の中はうまく回ってたし、ずっとこいつが人生の「答え」だった。全員でちょっとづつ社会に貢献し、平凡ながらも小さな幸せを糧にして死んで行く。それが答えだった。
ところが80年代初頭にフリーターって概念が出てきた。この社会思想は、いままでの世の中のメカニズムを根こそぎ壊すカウンター・アタックだった。
世の中なんてカンケーねえよ。俺は俺のやりたいようにやるぜ。国民年金? んなもん、払うわけねえだろバカヤロー。
保守陣営にとってはえらい脅威だ。もっと言えばほりえもんさんに代表されるITバブリーな人たちって、明らかにフリーター思想の延長線上にある。
「ネクタイなんかしなくたっていいだろ」
「俺らはやりたいこと(=IT)をやって食ってくぜ」
ところがフリーター思想を掲げる大多数の人たちは、そんな答えを明確にもってなかった。だいたいごく一部の天才をのぞいて、世の中の80%の人たちは平凡な「普通の人」なんだから、そもそもフリーターなんてキビシイ生き方は似合わないの。でも時代の同調圧力に負けて、みんながこう考えちゃった。
今の自分は、「本当の自分」じゃないんじゃないか?
んで、就職せずにひたすら「自分探し」の旅を始めちゃった。
じゃあ、あのころ旗振り役になった勢力は、大衆をどう煽ったか? たとえば中小企業でお茶汲みやってるOLさんに、こう問いかけた。
今のあなたって、お茶汲みなんかやってるよねえ。それって「つまらない自分」だと思わない? 実は「本当の自分」はそうじゃなくて、もっとほかにあると思わないか? さあ僕らといっしょに探しに行こうよ。
で、何の取り得もない平凡なOLさん(に代表される世の中の80%の人たち)が、みーんな、カンちがいしちゃった。
今のアタシはたしかにつまらないわ。
もっと輝かしい「本当の自分」を見つけよう。
本来ならこの人たちって、何も考えずに結婚して税金払いながら世の中に食わせてもらって一生終わる、「つまらない人」なんだよね。誤解を恐れずに言えば。でもさ、それがこの人たちの「役割」なの。
なのにアジテーターの煽りに乗って、みんながカンちがいしちゃった。で、そこまではいいんだけど、彼らってホントは別段「目標をもつべきじゃない平凡な人たち」なわけだ。だから別の生き方をしようなんて考えても、それがなんだかわかんない。
答えが見つからないわけ。
実は「答え」なんて、そんなん、どこにもないんだよ。ないものを探してるから、いつまでたっても見つからない。
あーあ、余計なことしなきゃ、「そこそこの幸せ」で一生終えられたのに。アジ演説にだまされて踏み外しちゃったよこの人も。そんな感じ。
これが80年代に起こった変動の第一波だった。
で、続く90年代には、第二波がやってきた。そんな人たちをだまして、彼らから上がりを巻き上げよう。オウムに代表される新々宗教がぞろぞろ出てきた。
「あなたたち、私が答えを教えてあげますよ」
ないはずの答えを求めて浮遊してるかなりの人たちが、こうして吸収されていった。つまりオウムは「ひっかけの集団」だったわけだ。冒頭の定義に戻ると、この「ひっかけの集団」って意味でほりえもんさんはオウムに「酷似」してるよね、たしかに(笑)
たとえば宮台真司さんが2002年に出した本も、同じ原理を利用して売ろうとしてた。
「これが答えだ! ―新世紀を生きるための108問108答」(朝日新聞社)
ほら。宮台さんの本でも、「答えを教えてあげるよ」がキーワードになってる。(実は黒幕は別にいるんだけど)宮台さんは確信犯的に「答え」って言葉を使ってる。
でもそれ以前の1996年には、「ありし日」(笑)の鶴見済が「人格改造マニュアル」(太田出版)の中ではっきり答えを出してる。ちょっと長いが引用しよう。
『何人かの知人から「(自殺マニュアルの件で/注釈・松岡)インタビュアーに詰問されているのに、なぜニコニコ笑っているのか」と聞かれた。答えは「抗うつ剤を多めに飲んでいたから」だ。こうすれば何を言われたってニコニコしてしまう。こうして僕は、狙いどおりの「にこやかな著者」として多くの人の目に映ることになった。
もちろん、初めは色々な仮面をつけている気分になっていた。それがだんだんどれが仮面で、どれが“本当の顔”なのかわからなくなってきた。けれども、もともと“本当の顔”などというものがないのだ、と気づくまでにそれほど時間はかからなかった。その時、体が一気に軽くなった気がした』
本当の自分なんて、実はないんだよ。
でも相変わらずネクタイせずにテレビに出てきちゃ、ほりえもんさんがなんか正論言ってる。それ見てハマっちゃう人はこう考える。
ああ、この人について行けば答えが見つかるんじゃないか? 今の自分を決して満たしてくれない、この社会システムを壊してくれるんじゃないか?
「満たされない自分」を満たしてくれる世の中が、その先にあるにちがいない。俺って今まで「本当の自分」がわかんなかったけど、きっとこのおっさんについて行ったら「ワンダーランド」にたどり着けるんだろう。
ほりえもんさんが背負ってるポピュリズムの正体はこれだ。で、ウンカのように「平凡でつまらない人たち」の支持が集まる。この「ひっかけの構造」が、まったくオウムと同じだ。
じゃあ宮台さんはあんまり叩かれないのに、なんでほりえもんさんは叩かれるのか? それは宮台さんは完全に「わかってやってる」んだけど、ほりえもんさんの場合、半分、ワケわかってないのね。残りの半分は本気なんだよ、あれ。
100%、ひっかけなんだったら、「ああ、なんかやってるな。ミエミエだな」で終わるのに、ほりえもんさんの場合は衣の下に鎧が見える。その意味では切込隊長のほりえもんバッシングと同じだ。もうね、本気の部分がチラチラしてる。だから保守な人たち、今までの社会のあり方をかろうじて保とうとしてる勢力が危機感をもつ。
「こいつ。ほっといたら、まじでやばいんじゃないか?」
「ホントに世の中を変えちゃうんじゃないか?」
こう思われてんだよね。あの人。で、叩かれる。そもそもほりえもんさんて、いじられキャだしねえ。叩く人にとっては、いじめるとすごいキモチいいタイプなんだよ。かわいそうに(笑)
そんなわけで切込隊長も無理くり叩くわけだけど、果たしてどっちが答えをもってるのかな。たぶんほりえもんさんについてっても、ロクなことにゃならないと思うけどね。わかんないけど。
でもねえ、実はそんなことやってる場合じゃないんだよ。世の中はかなりやばくなってるんだ。もう10年くらい前から、認知心理学の専門家たちはかなり危機感をもってるよ。「21世紀はウツ病の時代だ」ってのが大問題になってるの。
いったい、どゆことか?
自分探しをして答えが見つからない。どっかにもっといい生き方があるんじゃないか? そんなことをずーっと考えてると、常に理想と現実のギャップがつきまとう。これがストレッサーになって、みんなかたっぱしからウツになっちゃうんだよ。
これって下手に思考する人ほどなりやすい。何も考えずに就職して結婚する人よりもね。
で、病院で正式に診断されてなくても、ウツ病、あるいは抑ウツ状態にある人がここ10年くらい激増してる。先進国の中で日本の自殺率が飛びぬけて高いのも、実はそのせいだ。長くなるから解説は別の機会にゆずるけど、試しにグーグルに「認知の歪み」って入れて検索してみ。みんな。
「あーっ。これって俺そのものじゃん」
そんな症例がぞろぞろ出てくるぞ。そのへん普通に歩いてる人たちが、みんな結構当てはまってるはずだ。
実は今の日本の抱えてる深刻な社会問題って、北朝鮮でもイラクでもなんでもないんだ。
自分探しの果てにやってきた、「ウツという名の荒れ果てたゴール」なんだよ。
1980年代以降に激変した現代日本が解決すべき難問は、海の向こうにあるんじゃない。最大のテーマは「内なる自分」だ。まじでやばいよ、この問題は。
だって答えがないんだもん。
【関連エントリ】
『人生をスルーした人々』
『自分探しシンドロームを超えろ』
自分探しに疲れたあなたに贈る処方箋
私どもは趣味でゲーム作成を行い、イベントに出てものを売っております。
こういう私のような立場でしたらアルバイトが時間が取れてふさわしいのですが、お話されているようなうつ病だと思うことはそんなに無いです。
ゲーム作成自身で詰まるときにうつ病が少々発症する、というのがあるので困り者ですが(苦笑)
ただ、うつ病の方の思考は理解できます。
なぜなら、バブルで沸き返った人が「今は給料が下がる一方」という風に話されているぐらいですし。
それに、2000年ごろに正社員で雇われていた人が、
蕁麻疹が出るぐらい仕事して半年でやめた・・・。
はては、私の友人ですが、風邪気味でありながら仕事があるから出社しつづけて倒れて1週間ちょっと病院に行っていた、というお方がいるぐらいですので。
これもまた、メディアリテラシーの訓練が治しそうな気がいたします。
メディアリテラシー=割り切れるということですから。
逆に確信的に情報を元にからかえれば人生楽しくもありますし。
>自分探しをして答えが見つからない。
見つかるはずが無いのです。教育の時点で「あきらめること」を教えてきて。
「~にはなれない」「~なんて夢を見るな」(--;
>本当の自分なんて、実はないんだよ。
私は無いことを逆に利用して作品作りに生かしています。
自分が無い、ということは逆に、あらゆる人になれる可能性がある、ということですので。
>だって答えがないんだもん。
かの北野監督はこれの解決方法として、「国全体が貧乏になればいい」だそうです。
貧乏になれば、諦めではなく働けるから。だそうです。
働くというきっかけがあれば、いろいろとつかめますし。
きっかけといえば、かのほりえもんさんは、「アルバイトしていた場所でインターネットを知り、『これは金脈だ!!』と思ってすぐに会社を設立した」そうです。
要ははきっかけなのですよねぇ。
それでは失礼いたします。
>もっと輝かしい「本当の自分」を見つけよう。
『輝かしい』というのはまさに、主観、なんですよねぇ。
しかも、『教育された主観』。
そういうのについても変えていくべきかも・・・。
>世の中なんてカンケーねえよ。俺は俺のやりたいようにやるぜ。国民年金? んなもん、払うわけねえだろバカヤロー。
アルバイトが「世の中なんて~」だけだと思われているかもしれませんが、それは違います。
なぜなら、正社員になれないから、という人も必ずいるのです。
それに、「国民年金? んなもん、~」という話に企業が乗り始めたのです。
「派遣社員」というのがまさにそれで、社員と名づけていながら、実情はまさに技術職アルバイトです。
・・・『技術職アルバイト』・・・?
アルバイトと名づけられていながら、正社員と同じような事をしています。
それってどうなのですかね?
それでは失礼いたします。
・・・この話には思うところがありまして・・・。
ちなみに、『バカの壁』の養老たけしさんは、
「たとえば軍隊のように体を動かす、というような、『実感』が無いから頭で考えてしまい、「答えを与える」という言葉に引っかかってしまう。「イスラム原理主義」や「キリスト教」にも同じような部分がある」という話をおっしゃっておりました。
まぁ、頭の中で堂堂巡りさせていたら、プログラムで言えば無限ループにはまっているようなものですからねぇ。
無理やり抜け出そう、とへまをかましてしまうのはプログラムでも同じことです。なにせ、人間がやることですから。
それでは失礼いたします。
ガキンチョの頃から「いい学校に行く為に勉強しなさい」だの「いい会社に入らないと、苦労する」といったような事を言われて育ってきた人間が、「自分探し」をするといってみたところで、路頭に迷うのは明らかっすね。
んで、そういう路頭に迷い現状から抜け出せない閉塞感は、やがて現状の体制への不満につながっていくのでしょうか。
社会がこんな状態だから、自分もこの状況を抜け出せない、みたいな感じで(笑)
んで、そういった人間は、この状況を壊してくれそうな、しかも自信たっぷりに(ありもしない)答えを提供している構えを見せる堀江にふらふらと行ってしまうという図式ってことですね。
実は、閉塞しちゃった自分をぶっ壊すってのは
自分自身の問題なんですけども、常に周囲から与えられつづけてきた人間は、んなことが理解できるわけなく…、
あとは、「共同通信のあきれた無知蒙昧に釣られてみる」に綴ったコメント参照、って感じっす(笑)
確かに、今の日本が抱えてる深刻な社会問題なんでしょうけど、この問題って突き詰めていくと、戦後日本が抱える深刻な問題なのかもしれないっすね。
「技術職アルバイト」ですか…
なるほど、そんなのがあるんですね(^^;
知りませんでした。
うーむ。とすると、けっこうむずかしい…
なんか深いですね…
ちょっと考えをまとめておきます。
しばし、ご猶予を(^^;
しかし、KMさんもけっこうハマってますね?w
>秘密組合員さん
初めまして。
そうですね。ルサンチマンて感じますね。
なんかそういう社会の負のエネルギーが、
ほりえもん現象の背景にあるような気がします。
でも、もちろんそんな
マイナスのことだけじゃなくて
「何かを変えていこう」っていう
プラスの要素もあると思ってますよ。
またよろしくお願いします。
>とらぴんgさん
ええ。ただ、
文中では、私はからかい気味に書いていますが
みんなが自分探しを始めたのは
ひとつの進歩だと思っています。
でも始めたのはいいけど、
そこからさらに先へ行くのが
とてもむずかしいんです。
日本人は、そういうむずかしい局面に
一歩踏み出してしまったんだと思います。
でも後戻りはできませんから
どうすればこれ以上、人が死ななくてすむのか、
社会的なレベルで考えなきゃ
いけない段階にきてると思っています。
以前、宮台真司さんとお話したときも
そういうネタをふってみました。
宮台さんはスラスラと客観的に
流れるように分析するんですが、
すべて第三者としての評論なんで
「自分」が見えないんですよね。
「じゃあ、宮台さん自身は
どうすればいいと思ってるんですか?」
こんなふうに突っ込むと、ギクッとしてましたw
でもちゃんと自分では考えてるみたいで、
「いったんぜんぶ壊さなきゃだめだと思う」
…って言ってました。
>苫米地さん
初めまして。
苫米地さんのブログにトラバをお願いする時、
コメントを書こうとしたのですが
ライブドア(?)のアカウントがないと
書き込めないようでしたので
不躾にもトラバ打ちっぱなしで帰ってきました。
今度、アカウントとっておきます。
ぜひ、いろいろ教えて下さい。
今後ともよろしくお願い致します。
そしてほかにも、アイディアが浮かばない時+αという感じでさんかさせていただいておりますw
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/3450.html
次の一覧をご覧下さい。
内閣府定義のフリーターが急増しておりますが、
それこそが技術職アルバイトの実情です。
厚生労働省のアルバイトは、スーパーとかのアルバイトの人だけが統計に含まれております。
一方の内閣府のフリーターに技術職アルバイトが含まれておりますので。
ちなみに、今の正社員と技術職アルバイトの、象徴的な一例をお伝えいたします。
私は一時的に、とある学校の成績表が正しいかどうかを比較する仕事を夜勤で数日間やったことがあるのですが、技術職アルバイトの場合の賃金が時給1000円、正社員になる前に会社から言われて仕事に入った社会人1年生直前の人の給料は時給700円でした。
いかに残業が多くなろうともそれはかわりません。
残業しても時給が上がらないのは、いかなる派遣アルバイトでも同じです。
私は技術職であろうと、派遣アルバイトというのを最大限に生かして、よほど切羽詰らない限りは居残りは多くしません。
残りの時間で自分のやりたいことをやるようにしてます。
>ちょっと考えをまとめておきます。
楽しみにお待ちいたしております。
ちなみに人間どこかは必ず「ルサンチマン」です。
「昇華できる原動力」と言い換えれば違うになりますし。
ベクトル=方向性の違いというだけのような気がいたします。
http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson8.html
上のURLもそのアルバイトの定義について話しておられます。データが古いので書籍版のほうがよさそうですが。
http://www.miyadai.com/
宮台真司さんのブログがありました。
しかし、宮台真司さんとお話されたのですねぇ。うらやましい限りです。
それでは、また~。
http://left13.jp
つたないですが、趣向の変わったブログやってますw
フリーターとニーとな関する
すごい図をいただきましてどうもです。
これ、仕事のネタになりそうだわw
「反社会学講座」のほうはちょっと反論ありそうだけど、
今度ゆっくり読ませて頂いてからにしますね。
どうもありがとうです♪
>これ、仕事のネタになりそうだわw
間違っても、末端をたたくネタにはしないで下さいね(にこにこ)
”本日のフリーター事情”(なぞ)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20050404it14.htm
・・・中高年で200万人・・・。
http://allabout.co.jp/finance/401k/closeup/CU20041013A/index2.htm
生涯給与が2億3千万円の差額・・・。
http://www.president.co.jp/pre/special/aiai/074.html
労働市場・・・。
正直こうなってくると、「どうでもいいや~」と思う技術職が多くなってくるのです(--;
技術職の人が「どうでもいい」と思うの・・・こわいですよねぇ?
それに・・・正社員じゃない人が上役に行く、
というのも正直想像しにくいのですが・・・?
・・・いずれそんな考えのフリーターor社内政治のうまい人が上にくると思うと・・・。
わたしはもともとから趣味に時間を費やすためにこの働き方でいこうと思っていますが、
正社員の給与が下がっていない限り、
(給与の高い)正社員を求める人が相対的に多くなってくるのです。
それでも大学生が「経験がないから」と断られることがおおい、とか。
そりゃあ私も、正社員の給与とアルバイトの給与があまり変わりないのでしたらこんなことはぜんぜんいわないですが、給料携帯が違うor社会保険等の有無で時給は同じ場合はそれは違うだろう・・・という話でして・・・。
ところで・・・。
http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson8.html
「企業が使える人件費は無限ではありません。ひとつのパイを分け合っているのです。フリーターが安月給な分、正社員の給料が多くなる。ということは、全員が正社員になった場合、正社員一人当たりの給与は現行水準より大幅に下がるのです。自分の給料が下がるという犠牲を払ってまでフリーターをやめさせる覚悟が、みなさんにはありますか? 」
現状の正社員の方は果たして、上の話をしんしにうけとめることはありえますのでしょうか?
ひとつのパイの総面積を確実に狭めているのに。
少なくとも、ニッポン放送の社員の平均年収(1200万)をライブドアなみ(500万)にすれば雇用は確実に創出されるのですが・・・。
それでは、また~。
-----------------------------
http://left13.jp