なぜ浅野がスタメンなのか?
第2次森保ジャパンは24日、新政権で初陣になったキリンチャレンジカップ2023でウルグアイ代表と戦い、1−1の引き分けに終わった。
フェデリコ・バルベルデ(R・マドリー)のヘディングシュートでウルグアイに1点先制されたが、途中起用になったFW西村拓真のダイナミックなワンタッチシュートで追いつき、引き分けとした。
雨中の戦い。日本はしきりに最終ラインでボールを回すが、ビルドアップできず。今後に大きな課題を残した。パスを繋いでビルドアップしてからのポゼッション攻撃よりも、むしろカタールW杯で冴え渡ったカウンター攻撃の方にチームの適性があるように見えた。
選手別では、劇的に活発だった伊東純也や西村拓真、上田綺世など、先発メンバーより途中投入された選手が気を吐き、意地を見せた。上田は伊東とワンツーを絡めた攻めを見せるなど、前線で起点になる働きをした。なぜスタメンが上田でなく、浅野なのだろう? 広島つながりの「コネ人事」はいい加減にして欲しいものだ。
なお森保監督が編成した第2次政権では、MF中村敬斗(LASKリンツ)やDFの菅原由勢(AZ)、バングーナガンデ佳史扶(FC東京)、瀬古歩夢(グラスホッパー)など、2000年代生まれの若くフレッシュな選手が多く招集されているのが特徴だ。
日本のシステムは4-2-3-1。スタメンはGKがシュミット・ダニエル。最終ラインは右から菅原由勢、板倉滉、瀬古歩夢、伊藤洋輝。CMFは遠藤航と守田英正。2列目は右から堂安律、鎌田大地、三笘薫。ワントップは浅野拓磨だ。
プレス回避とボール保持が大きなテーマだ
この試合、日本には3つの大きなテーマがあった。
1つはボール保持からの攻撃。2つめは足元のいいGKシュミットを生かし、最終ラインからパスを繋いでのビルドアップ。3つめは速攻(カウンター)できないときに遅攻に切り替え、プレス回避しながらポゼッションし攻めることだ。
カウンターのチャンスは何度もあり幾度か成功しかけたが、残りのテーマに関してはほとんど落第だった。
例えば前半18分のチャンスなどは典型だ。
GKシュミットが三笘に素早くボールをフィードした。日本は速いロングカウンターのチャンスである。だが切り替えが致命的に遅く、うまくビルドアップできず攻めにならない。こういうところをしっかり作り込んで欲しい。
シュミットが素早くフィードしたあの瞬間の「意味」を選手はまったく分かっていない(GKシュミットだけが分かっていた)。つまりロシアW杯でベルギーにやられた「ロストフの悲劇」とやらとまったく同じ、素早い超ロングカウンターができるはずの瞬間だった。急ぐべきなのだ。
日本はロングボールを禁じられていた?
日本は悲しいほど最終ラインからビルドアップできない。この試合、おそらく森保監督からロングボールを禁じられていたのだろう(つまり「ていねいにパスを繋いで低い位置からビルドアップしろ」という意味だ。ビルドアップの「練習」である)。だが日本は最終ラインでしきりにグラウンダーのボールを回すだけで、前進がかなわない。
第2次森保ジャパンではSBが一列上がって内に絞る偽SBを取り入れ、ビルドアップと被カウンター時のカバーリングに新味を持ち込んでいるが、この日は不発だった。
そんな前半38分。ウルグアイ代表のバルベルデがこぼれ球を右足でボレーシュート。これが右のポストを叩き、その跳ね返りをバルベルデ自身がヘディングシュートしきっちり決められた。個の力をまざまざと見せつけられた瞬間だった。
後半9分には、三笘が自陣から長いドリブルでボールを持ち運ぶ。最後は縦パスを出し、浅野がシュートするがうまくヒットせず。あれは決めて欲しい一撃だった。この試合、浅野は何度も馬脚を表しサポーターを失望させた。
続く後半20分。伊東が上田とのワンツーをかましてペナルティエリアに侵入し、マーカーと足が絡んで倒れるがPKにならず。確かにマーカーはボールに行っていたが、そのあとの足が伊東の足を払っていたように見えたが……。
そして後半30分。右サイドの敵陣深くで伊東がクロスを入れる。それに走り込んだ西村がワンタッチで完璧なシュートを叩きこむ。これで日本は1−1の同点に追いつくのがやっとだった。
選手別ではトップ下の鎌田にまったく冴えが見られない。消えている。
所属のフランクフルトでも彼は不振だが、これだけスランプが続くと「心はすでにドルトムントにあるのでは?」と勘ぐられてもおかしくない。次の28日、コロンビア戦ではイキのいい西村をトップ下のスタメンで使って欲しいものだ。
第2次森保ジャパンは24日、新政権で初陣になったキリンチャレンジカップ2023でウルグアイ代表と戦い、1−1の引き分けに終わった。
フェデリコ・バルベルデ(R・マドリー)のヘディングシュートでウルグアイに1点先制されたが、途中起用になったFW西村拓真のダイナミックなワンタッチシュートで追いつき、引き分けとした。
雨中の戦い。日本はしきりに最終ラインでボールを回すが、ビルドアップできず。今後に大きな課題を残した。パスを繋いでビルドアップしてからのポゼッション攻撃よりも、むしろカタールW杯で冴え渡ったカウンター攻撃の方にチームの適性があるように見えた。
選手別では、劇的に活発だった伊東純也や西村拓真、上田綺世など、先発メンバーより途中投入された選手が気を吐き、意地を見せた。上田は伊東とワンツーを絡めた攻めを見せるなど、前線で起点になる働きをした。なぜスタメンが上田でなく、浅野なのだろう? 広島つながりの「コネ人事」はいい加減にして欲しいものだ。
なお森保監督が編成した第2次政権では、MF中村敬斗(LASKリンツ)やDFの菅原由勢(AZ)、バングーナガンデ佳史扶(FC東京)、瀬古歩夢(グラスホッパー)など、2000年代生まれの若くフレッシュな選手が多く招集されているのが特徴だ。
日本のシステムは4-2-3-1。スタメンはGKがシュミット・ダニエル。最終ラインは右から菅原由勢、板倉滉、瀬古歩夢、伊藤洋輝。CMFは遠藤航と守田英正。2列目は右から堂安律、鎌田大地、三笘薫。ワントップは浅野拓磨だ。
プレス回避とボール保持が大きなテーマだ
この試合、日本には3つの大きなテーマがあった。
1つはボール保持からの攻撃。2つめは足元のいいGKシュミットを生かし、最終ラインからパスを繋いでのビルドアップ。3つめは速攻(カウンター)できないときに遅攻に切り替え、プレス回避しながらポゼッションし攻めることだ。
カウンターのチャンスは何度もあり幾度か成功しかけたが、残りのテーマに関してはほとんど落第だった。
例えば前半18分のチャンスなどは典型だ。
GKシュミットが三笘に素早くボールをフィードした。日本は速いロングカウンターのチャンスである。だが切り替えが致命的に遅く、うまくビルドアップできず攻めにならない。こういうところをしっかり作り込んで欲しい。
シュミットが素早くフィードしたあの瞬間の「意味」を選手はまったく分かっていない(GKシュミットだけが分かっていた)。つまりロシアW杯でベルギーにやられた「ロストフの悲劇」とやらとまったく同じ、素早い超ロングカウンターができるはずの瞬間だった。急ぐべきなのだ。
日本はロングボールを禁じられていた?
日本は悲しいほど最終ラインからビルドアップできない。この試合、おそらく森保監督からロングボールを禁じられていたのだろう(つまり「ていねいにパスを繋いで低い位置からビルドアップしろ」という意味だ。ビルドアップの「練習」である)。だが日本は最終ラインでしきりにグラウンダーのボールを回すだけで、前進がかなわない。
第2次森保ジャパンではSBが一列上がって内に絞る偽SBを取り入れ、ビルドアップと被カウンター時のカバーリングに新味を持ち込んでいるが、この日は不発だった。
そんな前半38分。ウルグアイ代表のバルベルデがこぼれ球を右足でボレーシュート。これが右のポストを叩き、その跳ね返りをバルベルデ自身がヘディングシュートしきっちり決められた。個の力をまざまざと見せつけられた瞬間だった。
後半9分には、三笘が自陣から長いドリブルでボールを持ち運ぶ。最後は縦パスを出し、浅野がシュートするがうまくヒットせず。あれは決めて欲しい一撃だった。この試合、浅野は何度も馬脚を表しサポーターを失望させた。
続く後半20分。伊東が上田とのワンツーをかましてペナルティエリアに侵入し、マーカーと足が絡んで倒れるがPKにならず。確かにマーカーはボールに行っていたが、そのあとの足が伊東の足を払っていたように見えたが……。
そして後半30分。右サイドの敵陣深くで伊東がクロスを入れる。それに走り込んだ西村がワンタッチで完璧なシュートを叩きこむ。これで日本は1−1の同点に追いつくのがやっとだった。
選手別ではトップ下の鎌田にまったく冴えが見られない。消えている。
所属のフランクフルトでも彼は不振だが、これだけスランプが続くと「心はすでにドルトムントにあるのでは?」と勘ぐられてもおかしくない。次の28日、コロンビア戦ではイキのいい西村をトップ下のスタメンで使って欲しいものだ。