最近、当山に初めて来られたA様のお話です。
A様は、違うお寺にお参りされた帰り際、
どうしても当山の事が気になり
ご自宅に帰られる前にお越し下さいました。
そのA様の後ろには、お亡くなりになられている
義父様が一緒に来られ、その義父様が
当山まで導いて来られていたのです。
A様は様々な所にお参りしていたそうですが、
悩み事が解決しないとご相談くださいました。
そして、
「義父の17回忌は2ヶ月ほど先ですが、命日の近い故人様をまとめて
盛大に法要を行い無事終わりました」とお話されました。
しかしその後ろではその義父様が、寺務方の足にすがりついて
「助けてください。霊界施餓鬼の供養を
17回忌の命日にしてもらうように話してください。
供養をしてくれたら、(A様の)悩み事を解決できるように、
私もしっかり霊界で働きますので、
どうか助けてください・・・」
と土下座して頼まれているのです。
A様はもう17回忌は盛大にしたので
義父様は納得しているとお思いでしたが、
実際の義父様は困り果て
藁もすがる思いで必死に寺務方に訴えていました。
最近では、故人様の祥月命日は無視して、
生きている人間の都合で、供養日を決めて
「盛大に供養したら故人も満足しているでしょう!」という方々の多いこと。
霊界は、故人様にとって修行の場、簡単に修行を休むわけにはいきません。
しかし、祥月命日や月命日は、修行を休んでも良いとされており、
大手を振って正門から堂々と出て来ることができる日だそうです。
しかし、それ以外の日は、裏門からこそこそと出て来なければならないそうです。
人間界のような振る舞いは、許されないのです。
同じ年に、年忌の仏さん(故人)が複数ある場合は、
菩提寺さんから同じ日に年忌法要をするようにと言われるようですが、
故人様にとって大迷惑間違いなし。
命日は故人様にとって霊となった誕生日のようなもの。
「家族の誕生日をみんなまとめて一緒にお祝いしましょう。
その方が都合がいいから!」と言われて喜ぶ人が何人いるでしょうか。
我々も故人様も生きる世界が違うだけで、
同じ心を持たれています。
何ごとも相手の立場に立って、
物事を考えなければなりませんね。
合掌