”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

製麺屋と函館塩ラーメンの象徴的関係

2010年08月06日 23時13分38秒 | 外食ラーメン
函館のラーメンの特徴は言うまでもなく塩味にあるが,もう一つの大きな要素として函館の製麺所が生産するラーメン店向けの麺の特質と大きな関係がある。
今では様々な態様の麺が存在するが,もともと函館のラーメンの特徴はストレート細麺ににある。
この麺は,スープを吸いやすく,いわゆる伸びやすいという弱点がある。
函館のラーメンの麺のもっとも函館らしさを出しているのが,出口製麺である。
観光客にも有名な「星龍軒」や掛けチャーハンで人気のある「汪さん」もこの出口製の麺を使う。
この出口製の麺は保存料を一切使わないので,非常に傷みやすく,基本的にその日に納入されたものはその日のうちに使い切るというのがベストらしい。
しかし,同製麺所は基本的に日曜日は生産出荷しないのが原則で,多くの店は日曜日の分は土曜日に仕入れるらしい。
だが,味にこだわる店では,そういう麺を使うことが嫌いで日曜日は営業しないという店もあるようだ。
ところが,「汪さん」は一応日曜日も営業する。それは,長年の出口製麺との付き合いから,割高にはなるが特別に日曜日に仕入れてもらっているとのこと。
こうしたところにも,ラーメンづくりにこだわりのある店主がいるうちは,函館塩ラーメンも安泰かもしれないが,今時の熟成麺ばかり使うラーメン店がふえれば,ある意味無形文化財が消えることになろう。
もちろん,人の好みであることから,出口の麺を嫌う函館人も多い。
岡田製麺や日の出製麺を好む人からみればたわいのないことだが,私のような出口ファンとっては大変重要なことなのだ。
というわけで,出口を使用する店の減少は,老舗「王さん」の閉店にも象徴されるように函館塩ラーメンの将来は暗いと言わざるをえないだろう。