井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

届かなかった!ソエマツ岳 その2

2012-03-08 20:07:14 | 日高山系の山
 天井に穴の空いた雪洞は少し寒かったです。
テントの外に置いた温度計は-3~4度を示しています。
寝ている時、時折、穴を塞いでいたツエルトが風に煽られている音が聞こえていました。

 3月4日 

 今日はピリカヌプリへ向かって歩きます。
雪洞の中は暗いので時間感覚が狂ってしまいます。
4時に起きだして寝袋を仕舞います。
それから食事を取って全ての装備をザックの中へ入れて、トイレを済ませてなどと雑用を一つ一つ片づけていくと思ったより時間が掛かってしまいました。
スノーシューはこの雪洞の中にデポして、ここからはアイゼンを付けてツボ足で歩きます。

 6時過ぎに雪洞の入り口を塞いでいた雪のブロックを崩します。
何と真っ青な空が見えました。
今日は良い天気のようです。
   
    朝日に輝く主稜線です。
    この主稜線は前回歩いた稜線です。

 時折強い風が吹き抜けていきます。
   
    雪煙が巻き上がります。

 6:40分、いよいよトヨニ岳の本峰へ向かって歩きます。
といっても、本峰は直ぐそこに見えています。
   
    約10分で本峰に到着です。

 ここからまずは北峰へ向かいます。
トヨニ岳は三角点のある本峰より北峰の方が高いのです。
   
    手前のピークが北峰で中央の奥に見えるのがピリカヌプリです。
    ピリカヌプリがたおやかに翼を広げたような尾根を見せてくれます。
 
   
    雪庇に気を付けながらドンドン歩きます。

 約1時間で北峰に到着です。
   
    振り返るとトヨニ岳の本峰が遠くに見えています。

 ここから広い尾根をドンドン歩きます。
   
    この景に包まれるように歩くのは本当に幸せなことです。
そして、この光景を楽しんでいるのは私達4人だけです。
贅沢な瞬間です!

   

   

   
 
 今日は本当に良い天気です。
でも、さすがに稜線は強い風が吹いています。
この風の影響で左の頬や鼻の頭が痺れてきます。
これは凍傷の恐れがあるのでジャケットのフードを深めに被って風を防ぎます。

 1,512mのコブからはピリカヌプリが本当に大きく見えます。
でも、私の目は今夜の宿泊場所となる雪洞に適した場所を探しています。
私の目には、この1,512mの下にあるコルしかないと思っています。

 この先の稜線は細いので大きな雪庇が出来ていないようです。
急な斜面を降ってコルに達します。
ここで雪洞ポイントを探しますが、強い風が吹き抜けているためもう少し先にあるコブへ登ります。

 そこに丁度良い斜面を見つけました。
風下に回るにも雪庇が小さく雪の量も十分のようです。
(上の写真でコルから少し先にあるコブの手前が雪洞を掘った場所です。右手に灌木のある場所です。)
 
 時間はまだ11時です。
でも、この先に適当な場所はないと思います。
4人で話し合い、今日の雪洞をここに掘ることにします。
On氏がゾンデで雪の深さを測りながら最適地を探します。

 最適地が決まった後はいつものように2人一組になって掘ります。
まずはL字にステップを切り出します。
それから横穴を掘りますが、雪質は思ったほど固くないので作業はドンドン進みます。
約2時間弱でとても立派な雪洞が完成です。
   

 今日の天気を考えるとここで雪洞を掘ってしまうのはもったいないのですが、明日の天気に期待をしてゆっくり過ごすことにします。

   
   ピリカヌプリが本当に端正な姿を見せてくれています。
   この光景を十分に楽しむという贅沢な時間が過ぎていきます。

 明日は、ここからソエマツ岳に向かってラッシュ・アタックをする予定です。
今夜は十分に休養を取って明日に備えます。