井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

紅葉を求めて石狩岳に登る

2012-10-14 18:42:52 | 大雪山系の山
 9月下旬にニペソツ山へ登りましたが紅葉は今一つでした。
今年は9月になってからも気温が高く、この影響で紅葉が遅れているようです。
それならと10月初旬の三連休を使って石狩岳に登ることにしました。

 この石狩岳には大切な思い出があります。
それは40年ほど前のことです。
私がまだ20代初めの頃厳冬期の石狩岳の山頂に立ったことがあります。

 私が住んでいた北見市にある山岳会の厳冬期の縦走目標として三国山から石狩岳までの縦走が持ち上がっていました。
この縦走メンバーに選ばれて水銀の精錬場のあったイトムカから三国山へ登り、稜線を歩いて石狩岳まで縦走したのです。
天気に恵まれ3泊目は十石峠に雪洞を掘り、ここから石狩岳へアタックして無事に山頂へ立つことが出来ました。

 石狩岳へ登るのはこの時以来ということになります。

 10月7日(日)

 前日の午後に札幌を発ち、一旦は石狩岳の登山口(シュナーダーコース)まで行きましたが雨が降っており幌加まで下がることにしました。
幌加には国道脇に除雪センターがあります。
この駐車場で1泊することにしました。
この辺りは雨が止んでいたので駐車場の片隅にテントを張ります。

 7日の朝、小鳥の声がしてきたので起きてみると空が明るくなってきています。
早速朝食を取って出発の準備をします。
除雪センターには立派なトイレがあります。
ここで出発前の用事を終えます。
   
   6時を回ったところで出発します。
国道を十勝三股へ向かい、三股橋の手前から林道へ入ります。
林道は整備されていますので気持ちよく走れます。
25分ほどで登山口に到着です。
山の上の方は雲に隠れていますが、天気は回復してくるはずです。
すでに5~6台の車が止まっています。

 6:35分、私も出発します。
笹藪の中を歩くのですが、笹は乾いています。
この時期は笹などの下草が濡れていることが多いのです。
このためズボンがグズグズになってしまいます。
それがないので本当に気持ちよく歩けます。

 5分も歩かないところに小さいけれども立派な祠があります。
   
    中を見ると天狗神社と書かれています。
まずは登山の安全を祈願して手を合わせます。
ここからは緩い傾斜の笹原をドンドン歩きます。
そして小沢を渡るといよいよ尾根に向かって取り付きます。

   
7:10分、いよいよ尾根に向かって登ります。
まずはジグザグの登山道を登ります。
20分ほどで尾根に出ます。
ここからはひたすら尾根を詰めていきます。

 尾根を登るにしたがって紅葉が目に飛び込んできます。
   
    なかなかいい感じです。
時には白樺の黄色い葉の下を潜ります。
   

 ドンドン綺麗な紅葉が見えてきます。
   
   
 この紅葉を見ていると今が一番いい時期のようです。
紅葉に目がいきますが、傾斜はドンドン増してきます。

   
   上の方の雲がドンドン流れ陽が射してきます。
その日があたる山腹の紅葉が綺麗なのです。
   
    言葉では言い尽くせない美しさです。

   
    10日ほど前に登ったニペソツ山も見えています。

 かくれんぼ岩などとふざけた岩などを越えていくと尾根が細く岩混じりになります。
そこを我慢して登るとようやく前方が開けてきます。

 9:05分、稜線に到着です。
目の前には石狩岳への最後の登りが覆い被さるように見えています。
   
そして、正面には大雪の山並みも見えています。
   
    残念ながら雲に隠れています。
    (この雲に隠れていましたが、前日の雨が初雪になっていました。)

   
    ウラシマツツジも真っ赤になっています。
   
    真っ白い実のようなものを付けているシラタマの木です。
   
    チングルマも葉が真っ赤になっています。

   
    隣にある音更岳です。

   
   石狩岳の山腹の向こうにニペソツ山が山頂を見せてくれています。

 急な斜面をゆっくり登ります。
この斜面を40年前はアイゼンを付けて登ったのを思い出しました。
途中までスキーを使って登っていたことなど結構鮮明に覚えているものです。

 9:35分、石狩岳の山頂に到着です。
40年振りに踏む山頂です。
   
 山頂の奥5分ほど先にあるコブの方が山頂より高いのでそちらへ行って休むことにします。
稜線に吹く風は冷たく耳が痛くなってきます。
コブに着いたら風陰で休み軽く軽食を取ります。
魔法瓶の中から熱いコーヒーを飲みます。
熱いコーヒーがノドを流れていくのが分かります。
目の前に見えるニペソツ山を眺めながら贅沢な時間を過ごします。

 30分ほど休んでから下山します。
今日は天気も良いので隣の音更岳も寄っていくことにします。
石狩岳の山頂を降っていくと数人の方達が登ってきます。
挨拶を交わして冷たい風に背中を押され歩きます。

シュナイダーコースの分岐まで来ると休んでいる人がいます。
ここからは稜線の北側を歩くので北風が横から吹いてきます。
左耳が冷たくなって痛いくらいです。
ウインドブレーカーの帽子を被って風を防ぎます。

 音更岳の山頂手前は岩だらけです。
その岩だらけの登山道がハッキリしないのです。
マーキングもありません。
今日は天気が良いので山頂方向へ適当に歩いてもいいのですが、ガスっている場合には注意が必要です。

 11:10分、音更岳の山頂に到着です。
   
    大雪山方面です。

   
   石狩岳です。

   
    クッキリとニペソツ山も見えています。

 ここから先をどうするか考えました。
このまま引き返してシュナイダーコースを降るか、それとも十石峠を経由して降るか考えました。
その結果、今日はこのまま引き返してシュウナイダーコースを降ることにしました。
というのは、登山口からさらに奥にある岩間温泉がどうなっているか見たかったからです。

 冷たい風に吹かれながら脱兎のごとく降ります。

 13:50分、登山口へ戻ってきました。
ここでテントを干して一服します。
秋の日差しとはいえ20分ほどテントを日に当てると乾いてきます。
  
 さあ、岩間温泉へ向かいます。
車で5分ほど林道を走ると沢があるので手前に駐車します。
そこから10分ほど歩くと岩間温泉です。

 来てみてビックリです!
岩間温泉に入りに来ている人達の車とテントが林道の両側を埋めています。
そして、昔は浴槽だけの温泉が、横には脱衣所が出来ているではありませんか。
   
 温泉のお湯は源泉では熱いので川の水を引き込んで温度調節が出来るようになっています。
ちょっと熱めのお湯が冷えた身体にジンジンしみ込んできます。

 体も温まったところで、次の山を目指します。
ここからイトムカへ移動して明日は武華岳と武利岳に登ります。