10月も中旬になるとさすがに暖かい今年でも晩秋の色が濃くなってきました。
そんなところへSz氏から南日高にある十勝岳(1,456m)に登らないかという話が来ました。
十勝岳は登山道がないので沢登りになります。
この時期になると沢水が冷たいのではないかとあまり気分が乗らなかったのですが、天気予報ではまあまあなので家でグズグズしているよりは、と思い行くことにしました。
私もSz氏もコイボクシュメナシュンベツ川を登るのは初めてです。
10月15日(月)
朝5時に札幌を出発します。
秋になるとこの時間は真っ暗です。
まずは浦河町を目指して高速に入ります。
高速は日高門別まで少し延びていました。
浦河町から天馬街道へ進み上杵臼から右折して林道へ入ります。
10キロ弱で登山口となる楽古山荘に到着です。

中を見ましたが綺麗に整理された立派な小屋です。
この次はここに泊まって楽古岳に登ろうなどと話しながら登山準備をします。
7:40分、さあ出発です。

まずはコイボクシュメナシュンベツ川の左岸にある林道を歩きます。
今日は時間がないので出来るだけ林道を詰めてから入渓することにします。
20分ほど林道を歩き、いよいよ入渓です。

最初はビビリながら沢水に足を入れましたが水が思ったより冷たくありません。
ちょっとだけ気持ちが軽くなりました。

沢の途中で綺麗に苔むした場所があります。
フカフカとした苔の緑色がとても綺麗でした。
8:35分、二股と思われる場所に来ました。
高度計を見ると515mです。
二股は550mにあると聞いていましたのでもう少し先へ右股を進みました。

左股です。(本来はこの左股へ進めば十勝岳でした。)

この右沢を登ると楽古岳へ行くのですが、私達はまだ先に二股があると
思っていました。

こんな滝もあり楽しく登っていきます。
まもなく滝などが現れ快調に登っていくと右手から沢が入ってきます。
高度計を見ると550mちょうどです。
ここが二股だと思い右股へ入ります。
この右股へ入ったのは、私は550m二股は右股へ入ると間違って記憶していたからです。
しかし、この右股は狭い谷となっており直ぐ先に小さな滝があります。
この滝を越えようとしましたが上手く越えられません。
その先の様子を見ましたが沢が狭まりどうやら枝沢ではないかと思い引き返します。
戻ったところで先ほどの二股ではないかと話し合った場所までさらに降れば良かったのですが、
私達は左股に入ったつもりでそのまま登っていきます。

この滝は正面の岩から登りました。
高巻きをするところにピンクテープを見つけたりしたので十勝岳へ向かって登っているつもりでした。

沢が広くなり、枝沢から滝となっての流れ込みがあり目を楽しませてくれます。

そして、一旦、伏流します。

ドンドン沢を詰めていくと正面が切り立った崖となりそこに一筋の滝が落ちています。

50m以上はありそうな滝です。
「あの滝は登れないね~ぇ。」などと話しながら
滝の下へ向かっていくと手前の右股は登れそうです。
10:30分、上二股に到着、標高は770m辺りでした。

この右股の滝を登ることにしました。
ここからが凄かったです。
登っても登っても滝が続きます。
滝とナメの連続なのです。
標高差で150m~200mは滝が続いたでしょうか?
その滝の一つを高巻いている時です。
私は滝の近くを高巻こうとして滑る岩を登っている時です。
足元がずるっと滑ってアッという間もなく岩肌を滑り落ちてしまいました。
高さは3mほどでしょうか。
右の太腿の外側を岩に打ち付けましたが、沢の中へ立ったまま落ちたので足首や膝を痛めなかったのが幸いです。
沢水が細くなり涸れてくると標高で千メートルは超えてます。

沢越しに大きな山が見えています。
(私はこの山が楽古岳だと思っていました。)
沢というより岩だけの細い沢筋を登ります。
やがてその沢筋もハッキリしなくなりハイ松が出てきます。
ハイ松の向こうに稜線が見えてきます。
この辺りは身体を隠すものがないので冷たい風が吹き付けてきます。
ウインドブレイカーを着てハイ松を漕いで登ります。
斜面が急でなかなか進みません。
高度計は1400mを超えています。
あと15分から20分もあれば山頂に到着出来そうです。
しかし、時計を見ると12時20分を回っています。
出発する前に一応12時を目処に考えようということで登っていました。
Sz氏と相談した結果、ここから降ることにします。
この山はお互いに初めてのこともあり、しかも、登ってきた沢を降るとしたら何時間かかるか分かりません。
今回は、ここまでとして降ります。
さて、降るルートを相談します。
登ってきた沢を降るのはかなり危険に感じましたので、目の前に広がる1本隣の沢に向かって降るのはどうか相談しました。
目の前に見える沢の方が傾斜が緩く、沢の下までゴルジュはないように見えます。
相談がまとまったので、目の前の沢を降ります。
初めて降る沢ですので、沢身に直ぐはいらず尾根状の地形を繋いで降ります。
強烈な藪漕ぎの連続です。
笹を歩く時は沢靴が滑るので後ろ向きになって降りました。
途中で休憩を取ります。
Sz氏が持ってきてくれた牛乳を湧かして飲みます。
冷え切った身体に熱い牛乳がしみ込んでいきます。
お腹が熱くなると力が湧いてきます。

目の下に見えた最後の滝です。
この滝を降ると、どうやら登ってきた沢に合流出来そうです。
慎重に左岸の草付きを降ります。

登ってきた見た崩落した岩です。
14:30分、ここまで来てホット一息つけました。
ここから先は登ってきたルートですので安心して降れます。
晩秋の陽の落ちるのは早いです。
すでに3時近くなっているので先を急ぎます。
ここからは休み無しでドンドン降ります。
16:20分、楽古山荘へ戻ってきました。
向かいの山に夕日が当たり紅葉の山を照らしています。

いや~!
今日はポカの連続でしたが、楽しい1日でした。
770mからの滝登りは緊張しましたが、楽しく登れました。
この次はこの楽古山荘へ1泊して、十勝岳と楽古岳に登るのもいいかと思いました。
☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★
今回は目指した山に登れず隣の山に登るという大きなミスを犯してしまいました。
その原因は、私の記憶違いが原因でした。
二股できちんと地図を出しコンパスで進行方向を確認すれば防げたミスです。
今一つ気持ちが乗らない事はありましたが、そんな言い訳は通じません。
幸いに太腿も打ち身だけで歩くことに支障がなかったのは幸いでした。
この迷い山行のお陰でこの辺りの沢の様子も分かりました。
来年は、きちんと十勝岳に登り、さらに楽古岳も登りたいと思います。
最後に、ログを落とした地図を貼り付けておきます。

そんなところへSz氏から南日高にある十勝岳(1,456m)に登らないかという話が来ました。
十勝岳は登山道がないので沢登りになります。
この時期になると沢水が冷たいのではないかとあまり気分が乗らなかったのですが、天気予報ではまあまあなので家でグズグズしているよりは、と思い行くことにしました。
私もSz氏もコイボクシュメナシュンベツ川を登るのは初めてです。
10月15日(月)
朝5時に札幌を出発します。
秋になるとこの時間は真っ暗です。
まずは浦河町を目指して高速に入ります。
高速は日高門別まで少し延びていました。
浦河町から天馬街道へ進み上杵臼から右折して林道へ入ります。
10キロ弱で登山口となる楽古山荘に到着です。

中を見ましたが綺麗に整理された立派な小屋です。
この次はここに泊まって楽古岳に登ろうなどと話しながら登山準備をします。
7:40分、さあ出発です。

まずはコイボクシュメナシュンベツ川の左岸にある林道を歩きます。
今日は時間がないので出来るだけ林道を詰めてから入渓することにします。
20分ほど林道を歩き、いよいよ入渓です。

最初はビビリながら沢水に足を入れましたが水が思ったより冷たくありません。
ちょっとだけ気持ちが軽くなりました。

沢の途中で綺麗に苔むした場所があります。
フカフカとした苔の緑色がとても綺麗でした。
8:35分、二股と思われる場所に来ました。
高度計を見ると515mです。
二股は550mにあると聞いていましたのでもう少し先へ右股を進みました。

左股です。(本来はこの左股へ進めば十勝岳でした。)

この右沢を登ると楽古岳へ行くのですが、私達はまだ先に二股があると
思っていました。

こんな滝もあり楽しく登っていきます。
まもなく滝などが現れ快調に登っていくと右手から沢が入ってきます。
高度計を見ると550mちょうどです。
ここが二股だと思い右股へ入ります。
この右股へ入ったのは、私は550m二股は右股へ入ると間違って記憶していたからです。
しかし、この右股は狭い谷となっており直ぐ先に小さな滝があります。
この滝を越えようとしましたが上手く越えられません。
その先の様子を見ましたが沢が狭まりどうやら枝沢ではないかと思い引き返します。
戻ったところで先ほどの二股ではないかと話し合った場所までさらに降れば良かったのですが、
私達は左股に入ったつもりでそのまま登っていきます。

この滝は正面の岩から登りました。
高巻きをするところにピンクテープを見つけたりしたので十勝岳へ向かって登っているつもりでした。

沢が広くなり、枝沢から滝となっての流れ込みがあり目を楽しませてくれます。

そして、一旦、伏流します。

ドンドン沢を詰めていくと正面が切り立った崖となりそこに一筋の滝が落ちています。

50m以上はありそうな滝です。
「あの滝は登れないね~ぇ。」などと話しながら
滝の下へ向かっていくと手前の右股は登れそうです。
10:30分、上二股に到着、標高は770m辺りでした。

この右股の滝を登ることにしました。
ここからが凄かったです。
登っても登っても滝が続きます。
滝とナメの連続なのです。
標高差で150m~200mは滝が続いたでしょうか?
その滝の一つを高巻いている時です。
私は滝の近くを高巻こうとして滑る岩を登っている時です。
足元がずるっと滑ってアッという間もなく岩肌を滑り落ちてしまいました。
高さは3mほどでしょうか。
右の太腿の外側を岩に打ち付けましたが、沢の中へ立ったまま落ちたので足首や膝を痛めなかったのが幸いです。
沢水が細くなり涸れてくると標高で千メートルは超えてます。

沢越しに大きな山が見えています。
(私はこの山が楽古岳だと思っていました。)
沢というより岩だけの細い沢筋を登ります。
やがてその沢筋もハッキリしなくなりハイ松が出てきます。
ハイ松の向こうに稜線が見えてきます。
この辺りは身体を隠すものがないので冷たい風が吹き付けてきます。
ウインドブレイカーを着てハイ松を漕いで登ります。
斜面が急でなかなか進みません。
高度計は1400mを超えています。
あと15分から20分もあれば山頂に到着出来そうです。
しかし、時計を見ると12時20分を回っています。
出発する前に一応12時を目処に考えようということで登っていました。
Sz氏と相談した結果、ここから降ることにします。
この山はお互いに初めてのこともあり、しかも、登ってきた沢を降るとしたら何時間かかるか分かりません。
今回は、ここまでとして降ります。
さて、降るルートを相談します。
登ってきた沢を降るのはかなり危険に感じましたので、目の前に広がる1本隣の沢に向かって降るのはどうか相談しました。
目の前に見える沢の方が傾斜が緩く、沢の下までゴルジュはないように見えます。
相談がまとまったので、目の前の沢を降ります。
初めて降る沢ですので、沢身に直ぐはいらず尾根状の地形を繋いで降ります。
強烈な藪漕ぎの連続です。
笹を歩く時は沢靴が滑るので後ろ向きになって降りました。
途中で休憩を取ります。
Sz氏が持ってきてくれた牛乳を湧かして飲みます。
冷え切った身体に熱い牛乳がしみ込んでいきます。
お腹が熱くなると力が湧いてきます。

目の下に見えた最後の滝です。
この滝を降ると、どうやら登ってきた沢に合流出来そうです。
慎重に左岸の草付きを降ります。

登ってきた見た崩落した岩です。
14:30分、ここまで来てホット一息つけました。
ここから先は登ってきたルートですので安心して降れます。
晩秋の陽の落ちるのは早いです。
すでに3時近くなっているので先を急ぎます。
ここからは休み無しでドンドン降ります。
16:20分、楽古山荘へ戻ってきました。
向かいの山に夕日が当たり紅葉の山を照らしています。

いや~!
今日はポカの連続でしたが、楽しい1日でした。
770mからの滝登りは緊張しましたが、楽しく登れました。
この次はこの楽古山荘へ1泊して、十勝岳と楽古岳に登るのもいいかと思いました。
☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★☆☆★★
今回は目指した山に登れず隣の山に登るという大きなミスを犯してしまいました。
その原因は、私の記憶違いが原因でした。
二股できちんと地図を出しコンパスで進行方向を確認すれば防げたミスです。
今一つ気持ちが乗らない事はありましたが、そんな言い訳は通じません。
幸いに太腿も打ち身だけで歩くことに支障がなかったのは幸いでした。
この迷い山行のお陰でこの辺りの沢の様子も分かりました。
来年は、きちんと十勝岳に登り、さらに楽古岳も登りたいと思います。
最後に、ログを落とした地図を貼り付けておきます。
