井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

懐かしの山、武華岳・武利岳

2012-10-16 20:53:14 | ニペソツ山・中央山系の山
 石狩岳と音更岳を登った後は次の山に備えて移動します。
次の日に登る山は、網走管内にある武華岳と武利岳です。
これらの山は、私が北見に住んでいた時に登った山です。
武華岳は、路線バスが走っていたので一人でも登りに行った山です。

 武華岳の登山口となる元山は、イトムカの精錬所で精錬していた水銀を掘り出すための鉱口があった町です。
私が高校生時代に初めてこの山に登った時にはすでに廃村となり誰も住んでいなかったのですが、建物がまだ残っていました。
私の父は戦争中の動員でこの町で水銀の鉱石を取り出す作業をしたことがあると聞いていました。
いまは、どこに町があったのか分からないほど木々が生い茂っています。

 さて、石狩岳の登山口から移動して、イトムカにある開発局の車庫の場所を借りて(無断ですが・・・)1泊しました。

 10月8日(月)

 昨夜は気温が低く寒くて寝ていられませんでした。
途中で起きてダウンジャケットを着たほどです。
でも、夜空の星は綺麗に輝いていました。

 6:10分、登山口に到着して早速登山準備をします。
先客があり出発準備をしています。

 6:20分、いよいよ懐かしい山旅の始まりです。
   
    登山口です。
この下に駐車場があります。
登山道は綺麗に整備されています。
この日もしたく差が濡れていないので快適に歩けます。
軽い登りをゆっくり歩いていると見覚えのある滝が左手に見えてきます。
   
    この滝はサラサラと音を立てて流れています。
    この音が鈴繁なのですが、さすがにこの時期だと寒々しく感じます。

 10分ほど歩くと分岐点の標識があります。
武華岳に登るには2本のコースがあります。
この分岐点から左手に向かって進むのがライオン岩コースで3.7kあります。
そして、右手に進む東尾根コースが3.9kあります。

 今回は武華岳を経由してその奥にある武利岳へ登るつもりですので、右手へ進みます。
登山道は白樺林の中を真っ直ぐ延びています。
後ろから陽が当たって白樺の幹が白く輝きます。
   
    とても綺麗です。

   
    対岸の山肌も紅葉しています。
    針葉樹が多いのであまり綺麗ではありません。

 7:30分、同じ傾斜の登山道を登ってくると稜線に出ます。
ここで一気に視界が開けます。
   
    遠くにトムラウシ山が見えています。

 そして大雪山も見えているのですが、旭岳が白く輝いています。
   
   どうやら初雪で白くなっているようです。
昨日は雲の中で大雪の山並みは見えませんでした。
その雲が降らせた雪で真っ白になっています。

 稜線の土に霜柱を発見しました。
   
    この霜柱が昨日から今朝方に出来たのなら昨夜の寒さも納得できます。

 7:40分、ハイ松の稜線を少し歩くと東尾根の分岐点に着きます。
   
    ここから左手に1kほど歩くと武華岳の山頂です。

 稜線は風が強いので武華岳に向かって降ります。
   
   東尾根の分岐に来ると目の前にドッシリとした姿の武利岳が見えます。
 
 ここから武利岳へは一旦2百メートルほど降らなければなりません。
ここで2人組の登山者に会いました。
私と同じく武利岳へ向かうようです。

 休憩したいのですが風が冷たくしかも強い風ですので少し降ってから休むことにします。
10分ほど降ったハイ松の中で休憩します。
魔法瓶から熱いコーヒーを飲むとホッとします。

 5分ほど休んで直ぐに出発です。
あまり休んでいると寒さのために汗をかいたからだが冷えてしまいます。
ここからの登山道は急な坂道となってコルに向かって真っ直ぐ降ります。
足を止めるのに左右にある木の枝を掴みながらスピードを調節します。

 ここまで歩いていて笹がないことに気づきました。
珍しいことです。
標高が落ちると直ぐに笹が顔を出すのですが、不思議ですね。

 コルまで降って登りになると笹原が行く手を遮ります。
ここがちょっとコースが笹に覆われて分かりづらいところです。
しかし、ピンテープが付けられているので落ち着いて探せば迷うことはありません。

 登に入ったところで笹が頭を越える様になっています。
足元が見えないので両手で笹を訳ながら慎重に登ります。
約百メートルほどでしょうか。
この笹原を超えるとルートはハッキリしています。
急な斜面を直登すると岩尾尾根の突端に出ます。

 ここからしばらくの間、岩尾根歩きになります。
   
   北風がまともに当たるのでウインドブレカーを着ます。
岩尾根を一つ一つ越えていきます。
所々ナイフリッジになっていますが、距離が短いので落ち着いて歩けば問題はありません。

 ナイフリッジを歩き終え、目の前の急斜面を登りきると山頂は直ぐそこでした。

 9:30分、武利岳の山頂に到着です。
   
    誰もいない一人きりの山頂です。
山頂の南側、ハイ松の陰に入って休みます。
正面から太陽が当たり暖かくて気持ちがいいです。

 20分ほど休んでいると男性と女性の2人組が山頂へやってきます。
「山座同定出来ますか?」といわれたので、知っているところを説明します。
服装や話している内容からするとかなり山に登っている人達のようで、山座同定が出来ないようには見えませんでした。 

 しばらく話をしていましたが、先に山頂を出発します。
降りも快調なペースで歩きます。
コルまで一気に降って少し登ったところで休憩します。

 12:05分、東尾根の分岐に戻ってきました。
ここからコースを換えて武華岳の山頂へ向かいます。
途中で男の子を連れているお母さんとの2人組に会いました。
武華岳は子供連れで来るには手頃な山だと思います。
「頑張ってね!」と声を掛けて山頂へ向かいます。

 12:30分、武華岳の山頂に到着です。
この山頂もほぼ40年振りでしょうか?
   
    武華岳の山頂から見た武利岳です。

 山頂で数枚写真を撮っただけで降ります。
一旦降って登ったところにライオン岩があります。
ライオン岩は稜線上に突き出す様に張り出した岩です。
その姿が、稜線上にライオンが寝そべっているように見えるところから名付けられたようです。
   
    左手が顔です。
    ライオンに見えるでしょうか?

 ここからは急で狭い尾根を一気に降ります。
そして、降り終えると東尾根コースとの分岐に出ます。
ここから10分ほどで登山口に着きます。

 13:45分、無事に帰ってきました。
天気は良いのですが風が冷たく寒いので足早に登った山達でした。
でも、懐かしい山に登れて最高の気分です。
今度は冬に武利岳まで歩いてみたいと思いながら帰路につきます。