なぜかエサオマントツタベツ岳の山頂を踏むことができません。
最初は、一人でエサオマントツタベツを目指し北東カールで1泊、翌日山頂を目指しましたが稜線への登山路を誤り稜線手前10~20mで敗退。
2回目は、Sz氏とカムエクまでの縦走を目指したが、悪天のためエサオマンの山頂を省略して縦走を続けたがこれまた敗退。
3回目は、4人でカムエクまでの縦走で入山したが、やはり縦走を主体に考えたため山頂を省略して縦走を完結。
4回目は、今年の2月神威岳からエサオマンを目指しましたが雪庇の根元に入っていた亀裂のため思ったように歩けず山頂に続く尾根で敗退。
考えてみると、これまで4回も山頂が踏めない「遙かなる山」となってしまったエサオマントツタベツ岳です。
しかし、私にはこの山に悪い印象はありません。
今回は、昨年トムラウシ山で知り合ったTkさんを案内して5回目となるエサオマントツタベツ岳に挑戦です。
Tkさんは、昨年一人で富良野岳から大雪山への縦走を単独でやり遂げた女性です。
沢登りの始めており日高に興味を持ってくれた人です。
今年も北海道の山へ来るということでした。
そこで、日高へ誘ったわけです。
8月7日に帯広市八千代にあるユースホステルで合流しました。
山行についての打ち合わせや装備の点検を済ませます。
このユースは日高に登るには最高に便利な場所にあります。
トツタベツ林道に入るにも札内川に回りカムエクに登るにも登山口へのアクセスが便利なのです。
日高に登るための前泊を考える人にはお勧めします。
8月8日(金)
朝4時に起床、簡単な朝食を済ませて直ちに出発です。
30分ほどでトツタベツ林道の登山口となる6号堰堤に到着。
沢装備に身を固め5:20分、いよいよ出発です。
15分ほど歩くとトツタベツ林道と分かれて左手にあるエサオマン林道へ入ります。
しかし、このエサオマン林道は廃道となっており、前回入った以上に笹などが生い茂り林道の体を全くなしていません。
小1時間で最初の渡渉点に着きます。
沢の状態を確認します。
沢水の量は普通のようです。
この量なら渡渉も楽でしょう。
しかし、沢水が以上に汚れているのです。
前回来たときはいつも綺麗な水で底の岩が透き通って見えていました。
今回は茶色い水が流れており沢底が見えないのです。
それでも、沢水の量が普通ですので北東カールを目指して遡上します。
初めて本格的な沢に入るTkさんですが、落ち着いた足取りで歩いてきます。
この沢は、ゴルジュなどの難所がカール直下のナメ滝以外には無く、初心者でも十分に歩けると思い選択しました。
しかし、汚れた沢水のため沢底が見えないのが行程全体に影響します。
時間はタップリありますので慎重に歩いて行きます。
ここで事件が発生です。
沢の深さが分からず足を入れたところが思ったより深いため腰まで水に浸かってしまいました。
このため持ってきたカメラを水没させてしまいました。
すぐにケースから出して水を拭き取ったのですがレンズの鏡胴の中に水が入ってしまいレンズに水滴が残ってしまいました。
幸いなことに駆動系に以上は無いようです。
標高900mほどで異常な光景を目にします。
目の前に大量の倒木に覆われた残雪があるのです。
(レンズに着いた水滴でピントが合っていません。)
辺りは異常に暑くなって水蒸気が立ちこめています。
この雪渓が沢水を汚している原因のようです。
左岸から雪渓に取り付きますが倒木に行く手を阻まれ、ルートをどう取るか慎重に判断します。
泥が20~30cmほど積もってヌルヌルして足が滑る雪渓の上です。
かろうじて残っている鹿の足跡を参考に雪渓の上を歩きます。
デブリは50mはあるでしょうか?
慎重に歩いて上流側に着いたときはホッとしました。
上流側から見たデブリですが、左岸近くは、まだ10mほどの高さまで
残雪があります。
どうやらこの大きな雪崩は稜線の雪庇にあった亀裂が関係していると思われます。
今年2月に十勝地方に震度6ほどの大きな地震がありました。
この地震影響で稜線にある雪庇のほとんどに、根元に大きな亀裂が入っているのは確認しています。
その亀裂が春先の雪庇に影響して大きな全層雪崩を引き起こしたのに相違ありません。
それでなければ、このように大規模な雪崩が起きようはずはないと思います。
この雪崩れ跡から上はいつもの綺麗な沢水となります。
しかし、この先にも残雪が出てきます。
特に大きな残雪がナメ滝下に残っていました。
この雪渓を渡るのは、崩落するかもしれない恐怖との戦いです。
この雪渓の上を慎重に歩いて左岸のナメ滝下に着きました。
ナメ滝の水量も多いようです。
冷たい水が勢い強く落ちてきます。
この滝を越えなければ北東カールに行くことはできません。
Tkさんに慎重に登るように声を掛けて取り付きます。
(すっかり、ボケボケの写真で済みません。)
途中で1カ所ザイルを出しましたが、何とかナメ滝を登ることができました。
北東カールも全面に大きな雪渓が残っています。
Tkさんに少し休んでもらってテントサイトを捜します。
幸いに左岸の少し上に何とかテントが張れそうな場所を見つけました。
そこにザックを運び、Tkさんには自分のテントを張ってもらい、私は水を汲みに行きます。
自分のテントを張って、濡れた服を全部着替えてしまいます。
濡れた服はテント横の草むらに広げて乾かします。
熱いお湯を沸かし、ミルクティーを飲んで冷たくなった体を温めます。
久しぶりの北東カールです。
明日登る稜線への登山路を見ますが、下の方3分の1ほどは雪渓が残ってきます。
軽アイゼンを用意して良かったと思いました。
天気はガスが掛かっていますが、気温が高く風がないので過ごしやすいです。
テントの中で一眠り!
私の好きな時間です。
最初は、一人でエサオマントツタベツを目指し北東カールで1泊、翌日山頂を目指しましたが稜線への登山路を誤り稜線手前10~20mで敗退。
2回目は、Sz氏とカムエクまでの縦走を目指したが、悪天のためエサオマンの山頂を省略して縦走を続けたがこれまた敗退。
3回目は、4人でカムエクまでの縦走で入山したが、やはり縦走を主体に考えたため山頂を省略して縦走を完結。
4回目は、今年の2月神威岳からエサオマンを目指しましたが雪庇の根元に入っていた亀裂のため思ったように歩けず山頂に続く尾根で敗退。
考えてみると、これまで4回も山頂が踏めない「遙かなる山」となってしまったエサオマントツタベツ岳です。
しかし、私にはこの山に悪い印象はありません。
今回は、昨年トムラウシ山で知り合ったTkさんを案内して5回目となるエサオマントツタベツ岳に挑戦です。
Tkさんは、昨年一人で富良野岳から大雪山への縦走を単独でやり遂げた女性です。
沢登りの始めており日高に興味を持ってくれた人です。
今年も北海道の山へ来るということでした。
そこで、日高へ誘ったわけです。
8月7日に帯広市八千代にあるユースホステルで合流しました。
山行についての打ち合わせや装備の点検を済ませます。
このユースは日高に登るには最高に便利な場所にあります。
トツタベツ林道に入るにも札内川に回りカムエクに登るにも登山口へのアクセスが便利なのです。
日高に登るための前泊を考える人にはお勧めします。
8月8日(金)
朝4時に起床、簡単な朝食を済ませて直ちに出発です。
30分ほどでトツタベツ林道の登山口となる6号堰堤に到着。
沢装備に身を固め5:20分、いよいよ出発です。
15分ほど歩くとトツタベツ林道と分かれて左手にあるエサオマン林道へ入ります。
しかし、このエサオマン林道は廃道となっており、前回入った以上に笹などが生い茂り林道の体を全くなしていません。
小1時間で最初の渡渉点に着きます。
沢の状態を確認します。
沢水の量は普通のようです。
この量なら渡渉も楽でしょう。
しかし、沢水が以上に汚れているのです。
前回来たときはいつも綺麗な水で底の岩が透き通って見えていました。
今回は茶色い水が流れており沢底が見えないのです。
それでも、沢水の量が普通ですので北東カールを目指して遡上します。
初めて本格的な沢に入るTkさんですが、落ち着いた足取りで歩いてきます。
この沢は、ゴルジュなどの難所がカール直下のナメ滝以外には無く、初心者でも十分に歩けると思い選択しました。
しかし、汚れた沢水のため沢底が見えないのが行程全体に影響します。
時間はタップリありますので慎重に歩いて行きます。
ここで事件が発生です。
沢の深さが分からず足を入れたところが思ったより深いため腰まで水に浸かってしまいました。
このため持ってきたカメラを水没させてしまいました。
すぐにケースから出して水を拭き取ったのですがレンズの鏡胴の中に水が入ってしまいレンズに水滴が残ってしまいました。
幸いなことに駆動系に以上は無いようです。
標高900mほどで異常な光景を目にします。
目の前に大量の倒木に覆われた残雪があるのです。
(レンズに着いた水滴でピントが合っていません。)
辺りは異常に暑くなって水蒸気が立ちこめています。
この雪渓が沢水を汚している原因のようです。
左岸から雪渓に取り付きますが倒木に行く手を阻まれ、ルートをどう取るか慎重に判断します。
泥が20~30cmほど積もってヌルヌルして足が滑る雪渓の上です。
かろうじて残っている鹿の足跡を参考に雪渓の上を歩きます。
デブリは50mはあるでしょうか?
慎重に歩いて上流側に着いたときはホッとしました。
上流側から見たデブリですが、左岸近くは、まだ10mほどの高さまで
残雪があります。
どうやらこの大きな雪崩は稜線の雪庇にあった亀裂が関係していると思われます。
今年2月に十勝地方に震度6ほどの大きな地震がありました。
この地震影響で稜線にある雪庇のほとんどに、根元に大きな亀裂が入っているのは確認しています。
その亀裂が春先の雪庇に影響して大きな全層雪崩を引き起こしたのに相違ありません。
それでなければ、このように大規模な雪崩が起きようはずはないと思います。
この雪崩れ跡から上はいつもの綺麗な沢水となります。
しかし、この先にも残雪が出てきます。
特に大きな残雪がナメ滝下に残っていました。
この雪渓を渡るのは、崩落するかもしれない恐怖との戦いです。
この雪渓の上を慎重に歩いて左岸のナメ滝下に着きました。
ナメ滝の水量も多いようです。
冷たい水が勢い強く落ちてきます。
この滝を越えなければ北東カールに行くことはできません。
Tkさんに慎重に登るように声を掛けて取り付きます。
(すっかり、ボケボケの写真で済みません。)
途中で1カ所ザイルを出しましたが、何とかナメ滝を登ることができました。
北東カールも全面に大きな雪渓が残っています。
Tkさんに少し休んでもらってテントサイトを捜します。
幸いに左岸の少し上に何とかテントが張れそうな場所を見つけました。
そこにザックを運び、Tkさんには自分のテントを張ってもらい、私は水を汲みに行きます。
自分のテントを張って、濡れた服を全部着替えてしまいます。
濡れた服はテント横の草むらに広げて乾かします。
熱いお湯を沸かし、ミルクティーを飲んで冷たくなった体を温めます。
久しぶりの北東カールです。
明日登る稜線への登山路を見ますが、下の方3分の1ほどは雪渓が残ってきます。
軽アイゼンを用意して良かったと思いました。
天気はガスが掛かっていますが、気温が高く風がないので過ごしやすいです。
テントの中で一眠り!
私の好きな時間です。