【この記事は2年前の2016年のものです。】
思い返せば、このイドンナップ岳で心折れたのがブログのアップから遠ざかったのかもしれません。
日高主稜線縦走を何とか成し遂げ、ちょっと目標を失いかけたときにこの山へ行かないかとの誘いを受けました。
以前からこの山のことは気になっていましたが、なんせガイドブックでも山頂まで7時間、往復13時間はかかるかという大変な山なのです。
以前は、沢を使って登るしかなかった山なのです。
しかし、尾根道の登山道が整備されたことからガイドブックでも紹介されるようになったのです。
とはいえ往復13時間ですので簡単に登ることができない山なのです。
それではと、せっかくの誘いですので出かけることにしました。
6月18日、前泊するために登山口に向かいます。
通いなれた日高路を南下します。
新冠川の河口から上流に向かって林道を走ります。
この林道の先に新冠ダムがあり、その先には日高幌尻岳の登山口となる新冠山荘があります。
最近は、額平川から幌尻岳に登るのが林道を走るバス、幌尻山荘の予約が取りづらいなどから、この新冠コースで幌尻岳を目指す人が増えています。
新冠川に沿ってひたすら上流を目指して長い林道を走ります。
新冠ダムの堰堤を越え、さらに走ったところで、やっと、サツナイ沢の入口に到着です。
しかし、沢の入口から続く林道にはゲートがあり、閉じられているではありませんか。
これでは奥に行けないのかと思いましたが、もしやと思いゲートを確認すると鍵はかけられておらず、開けることができました。
ホッとしてゲートを開け、林道を走ります。
600m~700mほど走ったところで沢にぶつかります。
微妙な深さですので、今夜は、この沢の手前にテントを張って明日に備えることにします。
6月19日
朝3時に起きて真っ暗な中朝食を済ませ、登山準備をします。
4時には明るくなってきたので出発です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/79/0769cad460c8cdf59381f4cb58d85d77.jpg)
朝一から、いきなりの渡渉です。
足首が隠れるくらいの深さですが、水の冷たさでいっぺんに目が覚めます。
ここから20分ほど林道を歩きますが、その間に2度ほどの渡渉があり、その先に車が7台~8台止まれそうな広場があります。
車高の高い四駆の車ならここまで入れると思います。
ここから小さな沢に沿って廃道状態の林道を登ります。
ほどなく、沢の中にピンクテープが見えてきますが、ここで最初の間違いをしてしまいました。
私がトップで歩いていたのですが、ガイドブックに沢に入るとの記述がなかったと思い、さらに林道らしい道を詰めますが消えてしまいます。
いったん戻って沢に入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/40/4c0f916dc3ad2174548675541bf5db0c.jpg)
沢を登りますが、登山道らしい景色は全くなくて、これでいいのか?と思いながら歩いていくと右手の岸にピンクテープがあり、ここから林道に上がります。
この先はジグを切って稜線を目指して登ります。
やっと稜線に出ますが、林道が下っていきます。
おかしいと思い、少し戻ると右手の尾根に細い登山道がありました。
どうも、今日は感が冴えていません。
ところどころ消えそうな登山道を登っていきます。
目の前に行く手を遮るような急斜面が見えてきます。
どうやら第1岩場のようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/d5/be3e02d108aa3a305bd050dd63efdd81.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/d4/17e2fa7f601424c9595ee58a99966762.jpg)
第1岩場、第2岩場を登るとやっと展望が開けてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/d0/3915a29369fd444a8951aad6b249c2a6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/db/5a8f02e08e2d71095d4372e259c87819.jpg)
遅咲きのシラネアオイです。
ここから先は、尾根の少し下をトラバースしながら高度を稼いでいきます。
しかし、このトラバース道が大変でした。
というのは、このトラバース道は一面の笹に覆われ、登山道が狭くなっているのです。
そんなわけで、笹の上に足を置くしかないところも多く、しかも朝露で濡れた笹が滑るのです。
両手で笹を掴み足が滑るのを防ぎながら延々と続くトラバース道にすっかり体力を奪われ、嫌気がさしてしまいました。
そうこうしながら登っていくと目の前に急斜面が現れロープが固定されています。
ロープに捕まりながら登りきると、そこは一面アイヌネギの畑でした。
帰りにアイヌネギを収穫することにして先を急ぎます。
9:30分、5時間30分かかってようやく新冠富士に到着です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/30/6ca2becf7e47a00abb6930c9a2ee0b99.jpg)
私はこの辺でかなり疲労が溜まってきていましたが、さらに先へ進みます。
今までは、曲がりなりにも登山道らしい踏み跡が明瞭でしたが、ここから先は一気に不明瞭となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/09/148893decc3bd9fff89d1574fa1ad5d1.jpg)
ほとんど獣道のような登山道を灌木を避けながら歩きます。
1時間ほど歩き、やっと三角点に到着です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/97/f9db5ff30d2a5304dfce1a0417804d5a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/3b/77efb5385669448e6454c92c12777d3e.jpg)
右手の奥にある三角形の山がイドンナップ岳の山頂です。
ここで私の心が折れてしまいました。
ここまで6時間半ほど歩いてきました。
イドンナップの山頂は、1時間ほど掛ります。
みんなは元気で山頂を目指すといいます。
私はこの三角点で待っていることにして、汗で濡れた上着を脱いで干し、休憩を取ります。
この間、不思議なことがありました。
イドンナップ岳に向かって歩いている人たちの声がすぐ近くから聞こえるのです。
ウトウトと寝ていた私が起き上がってイドンナップ岳に山頂を見ると豆粒位の大きさで歩いている仲間が見えます。
でも、彼らが話す声がすぐ近くで話しているように聞こえるのです。
結局、1時間半ほどで仲間が戻ってきました。
ここからの下山も大変でしたが、一度歩いた道ですので苦も無くひたすら足を動かします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/ad/7894e74769e4ae4aeb20a2ea3254cc12.jpg)
沢の向こうに車が見えたときは、本当にほっとしました。
16:50分、やっとテントサイトまで戻ってきました。
長い一日でした!!
もう歩かなくてもいい!!
心の中に残ったのは、これだけでした。
思い返せば、このイドンナップ岳で心折れたのがブログのアップから遠ざかったのかもしれません。
日高主稜線縦走を何とか成し遂げ、ちょっと目標を失いかけたときにこの山へ行かないかとの誘いを受けました。
以前からこの山のことは気になっていましたが、なんせガイドブックでも山頂まで7時間、往復13時間はかかるかという大変な山なのです。
以前は、沢を使って登るしかなかった山なのです。
しかし、尾根道の登山道が整備されたことからガイドブックでも紹介されるようになったのです。
とはいえ往復13時間ですので簡単に登ることができない山なのです。
それではと、せっかくの誘いですので出かけることにしました。
6月18日、前泊するために登山口に向かいます。
通いなれた日高路を南下します。
新冠川の河口から上流に向かって林道を走ります。
この林道の先に新冠ダムがあり、その先には日高幌尻岳の登山口となる新冠山荘があります。
最近は、額平川から幌尻岳に登るのが林道を走るバス、幌尻山荘の予約が取りづらいなどから、この新冠コースで幌尻岳を目指す人が増えています。
新冠川に沿ってひたすら上流を目指して長い林道を走ります。
新冠ダムの堰堤を越え、さらに走ったところで、やっと、サツナイ沢の入口に到着です。
しかし、沢の入口から続く林道にはゲートがあり、閉じられているではありませんか。
これでは奥に行けないのかと思いましたが、もしやと思いゲートを確認すると鍵はかけられておらず、開けることができました。
ホッとしてゲートを開け、林道を走ります。
600m~700mほど走ったところで沢にぶつかります。
微妙な深さですので、今夜は、この沢の手前にテントを張って明日に備えることにします。
6月19日
朝3時に起きて真っ暗な中朝食を済ませ、登山準備をします。
4時には明るくなってきたので出発です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/79/0769cad460c8cdf59381f4cb58d85d77.jpg)
朝一から、いきなりの渡渉です。
足首が隠れるくらいの深さですが、水の冷たさでいっぺんに目が覚めます。
ここから20分ほど林道を歩きますが、その間に2度ほどの渡渉があり、その先に車が7台~8台止まれそうな広場があります。
車高の高い四駆の車ならここまで入れると思います。
ここから小さな沢に沿って廃道状態の林道を登ります。
ほどなく、沢の中にピンクテープが見えてきますが、ここで最初の間違いをしてしまいました。
私がトップで歩いていたのですが、ガイドブックに沢に入るとの記述がなかったと思い、さらに林道らしい道を詰めますが消えてしまいます。
いったん戻って沢に入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/40/4c0f916dc3ad2174548675541bf5db0c.jpg)
沢を登りますが、登山道らしい景色は全くなくて、これでいいのか?と思いながら歩いていくと右手の岸にピンクテープがあり、ここから林道に上がります。
この先はジグを切って稜線を目指して登ります。
やっと稜線に出ますが、林道が下っていきます。
おかしいと思い、少し戻ると右手の尾根に細い登山道がありました。
どうも、今日は感が冴えていません。
ところどころ消えそうな登山道を登っていきます。
目の前に行く手を遮るような急斜面が見えてきます。
どうやら第1岩場のようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/d5/be3e02d108aa3a305bd050dd63efdd81.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/d4/17e2fa7f601424c9595ee58a99966762.jpg)
第1岩場、第2岩場を登るとやっと展望が開けてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/d0/3915a29369fd444a8951aad6b249c2a6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/db/5a8f02e08e2d71095d4372e259c87819.jpg)
遅咲きのシラネアオイです。
ここから先は、尾根の少し下をトラバースしながら高度を稼いでいきます。
しかし、このトラバース道が大変でした。
というのは、このトラバース道は一面の笹に覆われ、登山道が狭くなっているのです。
そんなわけで、笹の上に足を置くしかないところも多く、しかも朝露で濡れた笹が滑るのです。
両手で笹を掴み足が滑るのを防ぎながら延々と続くトラバース道にすっかり体力を奪われ、嫌気がさしてしまいました。
そうこうしながら登っていくと目の前に急斜面が現れロープが固定されています。
ロープに捕まりながら登りきると、そこは一面アイヌネギの畑でした。
帰りにアイヌネギを収穫することにして先を急ぎます。
9:30分、5時間30分かかってようやく新冠富士に到着です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/30/6ca2becf7e47a00abb6930c9a2ee0b99.jpg)
私はこの辺でかなり疲労が溜まってきていましたが、さらに先へ進みます。
今までは、曲がりなりにも登山道らしい踏み跡が明瞭でしたが、ここから先は一気に不明瞭となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/09/148893decc3bd9fff89d1574fa1ad5d1.jpg)
ほとんど獣道のような登山道を灌木を避けながら歩きます。
1時間ほど歩き、やっと三角点に到着です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/97/f9db5ff30d2a5304dfce1a0417804d5a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/3b/77efb5385669448e6454c92c12777d3e.jpg)
右手の奥にある三角形の山がイドンナップ岳の山頂です。
ここで私の心が折れてしまいました。
ここまで6時間半ほど歩いてきました。
イドンナップの山頂は、1時間ほど掛ります。
みんなは元気で山頂を目指すといいます。
私はこの三角点で待っていることにして、汗で濡れた上着を脱いで干し、休憩を取ります。
この間、不思議なことがありました。
イドンナップ岳に向かって歩いている人たちの声がすぐ近くから聞こえるのです。
ウトウトと寝ていた私が起き上がってイドンナップ岳に山頂を見ると豆粒位の大きさで歩いている仲間が見えます。
でも、彼らが話す声がすぐ近くで話しているように聞こえるのです。
結局、1時間半ほどで仲間が戻ってきました。
ここからの下山も大変でしたが、一度歩いた道ですので苦も無くひたすら足を動かします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/ad/7894e74769e4ae4aeb20a2ea3254cc12.jpg)
沢の向こうに車が見えたときは、本当にほっとしました。
16:50分、やっとテントサイトまで戻ってきました。
長い一日でした!!
もう歩かなくてもいい!!
心の中に残ったのは、これだけでした。