井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

天塩岳 その2

2008-06-10 21:04:47 | ニペソツ山・中央山系の山
天塩岳の山頂は風が強く、とても寒いので
記念写真を撮るだけにして下山します。
新道を下ると避難小屋があるのでそこへ向かうことにします。

山頂からすぐ下に向かって伸びてる登山道があります。
これが新道だと思って下ります。
そうです、これが事件の発端です。

手の平大の小さな石や岩が累々と重なり浮き石だらけの
ガラ場の道を注意しながら下っていきます。
ハイ松を切ってあるジグザグの道を下っていくと
突然、雪渓に突き当たります。

その雪渓の急斜面を下りながら、フッとイヤな気持ちがしました。
地図で見ていた新道は緩い尾根状の斜面を下るはずです。
でも、今下っている雪渓の斜面は、グリセードが出来るほど急な斜面なのです。
百メートルほど下るとさらに斜面が急になり狭い沢状の地形になります。
明らかに地図を見て頭の中にある新道とは違います。

沢筋を詰めてくる旧道かと思いましたが、私が地図を読んだところでは、
もっと山頂の北側から降りるのだと思っています。
雪渓の上から下までよく見たのですが、登山道らしい道が見つかりません。
ここは、また山頂へ戻るのが一番確実です。

山頂は見通しが利かないガスの中でしたし、
おまけに冷たい風が強く吹いていたので地図をよく確認せずに
すぐ目にした登山道を下ったのが間違いのもとです。

旧道だと分かったのでこのまま下る手もあったのですが、
残雪がどんな状態で沢を埋めているか分かりません。
もし、沢の開き方によっては簡単に下ることが出来ないかもしれません。
ここは、山頂まで戻るのが最善の策です。

この道迷い?が事件でした。

すっかりお腹がすいたので、とりあえず軽くおにぎりを食べることにします。
テルモスのお湯を飲むと冷たい身体にしみ込んでいきます。
ガスで見通しの利かないの中、個々で判断を誤ると遭難の恐れがあります。
まずはお腹を満たして、地図をもう一度見直します。
やはり新道のある尾根とは違う沢の中へ入ってきています。

さあ、登り返しで山頂へ向かいます。
この4~5百メートルの登り返しはちょっと辛かったですね。
それでも、風に向かいながら13時40分、再びの山頂です。
山頂から南側の尾根を少し下ると登山道があります。
やはり、私達が下りかけた道は旧道のようです。

新道を少し下ると背の高いハイ松が風を防いでくれます。
25分ほど下ると避難小屋が見えてきます。
     
   
    この鋭角的な三角屋根を見たときには本当にホッとしました。

ここでゆっくりと休んで一息つきます。
今日は、寒さと風のためゆっくりと休めなかったので
この避難小屋のありがたさが身にしみました。

一息ついたので登山口にある天塩岳ヒュッテを目指して下ります。
丸山を過ぎて、笹藪が深くなってきた頃から
風が直接身体に当たらなくなったので
気持ちが落ち着きます。
ここからは雑木林の中を快適に下ります。

沢の音が聞こえてくると新道との分岐です。
少し暗くなった沢筋を下っていきます。
16時15分、登山口に戻ります。
駐車場には車が4~5台止まっています。
天塩岳ヒュッテの煙突から煙りが出ています。

天塩岳ヒュッテに入ると中は暖かく、冷え切った身体を暖気が包みます。
中には3グル-プ10人ほどに人がいます。
挨拶をして中へ入り、濡れたものを着替えてストーブの回りに干します。
自分達の場所を確保してやっと一息つきます。

さあ、楽しい山小屋の一夜が始まります。
まずはビールで乾杯です。



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