2月に歩いた野塚岳から十勝岳(南日高)に引き続いて3月は北日高にある芽室岳から伏美岳を歩いてきました。
私達が目標としている「日高の主稜線歩き」の北にある起点が芽室岳です。
ですから、ぜひともこの縦走を成功させて北の主稜線歩きを繋げておきたいのです。
今回のメンバーは、昨年3月の戸蔦別岳と同じSz氏、On氏、mocoさんに私の4人です。
3月24日(月曜日)
この日は車の回送などの準備のため札幌を午後3時に発ちます。
高速道路を十勝清水まで使い、まずは剣小屋に向かいSz氏とmocoさんを降ろして私とOn氏で下山口となる伏美岳の林道まで車を回送します。
私達は、車の回送を終えて6時過ぎに剣小屋へ戻りました。
小屋にはストーブが焚かれ暖かくなっています。
まだ寝るには早いのでしばし歓談の時間を過ごします。
ストーブの中で燃える木が爆ぜる音が私は好きです。
その音を聞きながら少しアルコールを身体に入れると眠くなってきます。
明日は早いので9時過ぎには就寝です。
3月25日(火曜日)
4時に目を覚まし、残り火に薪をくべて小屋を暖めます。
それぞれ用意したお弁当を食べて出発の準備をします。
この辺は皆さん手慣れたもので瞬く間に準備が整います。
On氏の車に乗って登山口へ向かいます。
登山口となる最終除雪地点は、芽室小屋から6キロほど手前にあります。
道路の右手に大きな浄水施設があります。
芽室岳は遙か彼方に見えています。
5:30分、いよいよ、芽室岳に向かってスタートを切ります。
今回はスノーシューを使って縦走する計画となっています。
除雪最終地点に盛り上げられた雪を越えると、しばらくは舗装道路が出ています。
その舗装道路が出ていたのも400~500mほどで、その後は柔らかい雪が行く手を遮ります。
今回の縦走で一番危惧していたのが、お彼岸に降った雪のことです。
春先のお彼岸に天気が荒れるのは、北海道ではよくあることです。
今年もお彼岸には爆弾低気圧が北海道の南岸を通り抜け、オホーツク海で発達したため道東を中心に大荒れとなっていました。
この影響でどのくらい山に雪が降ったかが心配だったのです。
林道の様子を見ると柔らかい雪が歩くと臑ぐらいの深さになります。
スノーシューで歩くには深い雪です。
この深い雪を我慢して歩き続けます。
途中で休憩を入れますが、思ったように歩けていません。
8:25分、約3時間かかって、やっと芽室小屋につきました。
芽室小屋は深い雪の中です。
私の予定では、2時間くらいでこの小屋まで歩けると思っていましたが、それより1時間も多くかかってしまいました。
ここで、ゆっくり休憩を取ります。
小屋の裏手には沢が顔を出していますので、ここで最後の給水をします。
さあ、気持ちを入れ替えて芽室岳を目指しますが、雪の深さが膝ほどあります。
この時期だと雪面の表面がクラストしているのでそれほど沈まないと思っていたのですが、お彼岸に降った雪が思った以上に深いようです。
この降り積もった新しい雪が私達の行動を妨げます。
交互にトップを変わりながら登りますが、思うように進めません。
今日の予定は、芽室岳を越えるはずなのですが、とてもそんなには進めないようです。
我慢の登高が続きます。
クマゲラが掘った穴でしょうか?
こんなものが気持ちを和らげてくれます。
やっと雪庇のある稜線に出ましたが、まだまだ雪が深いのです。
芽室岳の山頂は、まだまだ先の方にあるます。
この光景を見て、一気に気持ちが沈んできました。
時計を見ると12:40分になっています。
この先の地形を見ると西峰の分岐に向かって延びる尾根の先に大きな雪庇がありません。
雪洞を掘るならこの辺りしか適地がないようです。
高度計の標高は1,400mを指しています。
芽室岳の標高は、1,753mですので、まだまだ350mもあります。
ちょっと時間は早いのですが、雪洞を掘ることにします。
いつものように雪の深さを測ります。
後はいつもの手順に従って1mほど離れたところに2カ所同時に横穴を掘り進めます。
この辺の手順は慣れているので、暗黙のうちにどんどん掘り進めます。
約2時間で雪洞が完成します。
雪洞の中に張ったテントの中で休みます。
On氏はテントの外で水作りを一人でやってくれます。
私は、背中が疲れのため痛いので少し横になって身体を休めます。
めいめいが、お酒を飲んだりして身体を休めます。
夕食を済ませると、まだ早いのですが7時過ぎには寝てしまいます。
3人用のテントに4人で寝るのですからかなり窮屈なのですが、お互いの身体が密着しているとその分暖かいので寒さは凌げます。
今回の私は、夕食も食が進まずいつもの半分も食べられませんでした。
そんなこともあって、夜もウトウトしているだけで、熟睡感がないままに朝を迎えてしまう有様です。
3月26日(水曜日)
朝4時に起きます。
朝食を済ませて6時には歩き出します。
昨夜一晩お世話になった雪洞です。
まずは、芽室岳西峰への分岐を目指して登ります。
芽室岳の山頂は、一番左手にあります。
350mの標高差を目指して歩きます。
昨夜の眠れない状態を考えると横になっていた時間が長いので疲れはそこそこ取れておるようです。
思ったより身体が動きます。
とはいっても、尾根の傾斜がどんどん増してきます。
しかし、雪面の状態が堅くなってきたので思ったより歩く易くなってきました。
西峰への分岐を回り込むとやっと芽室岳山頂手前にあるコルに到着です。
ここからはグングン歩き易くなってきました。
7:45分、芽室岳の山頂に到着です。
一気に視界が開けます。
これから歩くピパイロ岳から伏美岳まで全部見えています。
それにしても、1967m峰がかっこよく見えています。
いつも思うことですが、なぜこの山に名前が付かなかったのか不思議に思っています。
こんなに姿がいい山なのに?と思うのです。
風は強いのですが、何より天気がいいのが心強いです。
芽室岳の山頂まで来て、今まで気になっていた心配事が一気に晴れました。
4人の気持ちが、「行ける!」に変わりました。
山頂での記念写真を終えるとつぎの目標であるピパイロ岳を目指して芽室岳からの稜線を一気に降ります。
30分ほど一気に降ってしまうと芽室岳は遠くになってしまいます。
しかし、前を見るとピパイロ岳は少しも近づいていないのです。
ここからは、雪庇にも注意しながら歩かねばなりません。
いくつものコブ山を越えます。
ところどころ雪庇の根元に亀裂が入っています。
昨年ほど大きなものではありませんが、やはり注意しなければなりません。
今日も気温が高いので雪庇の崩落も頭の隅に置いて歩かなければなりません。
雪の表面は、堅いところもあればサラサラの所もあり、どこを歩くか十分に吟味して歩かなければなりません。
途中で、クラストした雪を踏み抜いてしまい腰くらいまで落ちてしまいました。
注意していてもこれですから、やはり雪の上は危険が一杯です。
それにしても、今日は遠くまでよく見えています。
この景色を見るために冬の山に登っているようなものです。
神々しさを感じさせてくれる光景です。
単調な尾根歩きは疲れますが、コブを一つ越えるごとに新しい景色を見せてくれます。
走行して歩いていると芽室岳も遙か彼方に小さく見えるようになっていました。
一番右に見えるコブが芽室岳です。
大きな雪庇が張り出しています。
もうすぐルベシベ山の分岐近くという場所です。
この雪庇の大きさには緊張しました。
慎重に歩きますが、シュカブラで堅くなっており50cm以上の段差があるなど歩きづらいのです。
時計を見ると午後1時を回っています。
ルベシベ山の分岐まで300~400mというところまで歩いてきました。
この先に雪庇は無くなるのでメンバーで相談した結果、出来るだけ雪庇の先へ向かって歩き、そこで1泊しようということになりました。
13:40分、この辺で雪洞を掘ることにします。
昨日と同じように約2時間で雪洞が完成です。
On氏がいうには、昨日の水作りに思った以上燃料を消費したので、今日は少な目に造るとのことです。
私達は雪から水を造るためにガソリンを燃料とするMSRのストーブを使っています。
今回は気温も高いので1人当たりの行動用の水は2リットルで計算して水を造っています。
そのため、燃料の消費も馬鹿にならないのです。
ここは、燃料の消費も最小限にとどめ、これから先に備えます。
今日は、よく歩いた1日でした。
この調子で歩けば、予定より1日多くかかるけれど何とか目鼻が付いてきました。
少し気持ちに余裕が出来てきました。
今回の縦走中の天気予報は最高です。
気温が高く、晴れが続くという予報なのです。
そんなこともあって、今日一日かなり頑張って歩いたので明日はピパイロ岳は越えられそうです。
この縦走中、携帯の電波は繋がっていました。
私は、電源を落としていましたが、On氏は携帯で奥さんから天気予報などの情報をもらっていました。
日高の山だけでなく、道内の主要な山でも山頂や尾根にいると携帯の繋がるエリアは広くなっています。
緊急連絡に携帯が使えるというのは心強いことです。
さあ、明日はピパイロ岳を目指します。
ピパイロ岳の肩まで行けば主稜線歩きが繋がるのです。
頑張らなければ行けません!!
私達が目標としている「日高の主稜線歩き」の北にある起点が芽室岳です。
ですから、ぜひともこの縦走を成功させて北の主稜線歩きを繋げておきたいのです。
今回のメンバーは、昨年3月の戸蔦別岳と同じSz氏、On氏、mocoさんに私の4人です。
3月24日(月曜日)
この日は車の回送などの準備のため札幌を午後3時に発ちます。
高速道路を十勝清水まで使い、まずは剣小屋に向かいSz氏とmocoさんを降ろして私とOn氏で下山口となる伏美岳の林道まで車を回送します。
私達は、車の回送を終えて6時過ぎに剣小屋へ戻りました。
小屋にはストーブが焚かれ暖かくなっています。
まだ寝るには早いのでしばし歓談の時間を過ごします。
ストーブの中で燃える木が爆ぜる音が私は好きです。
その音を聞きながら少しアルコールを身体に入れると眠くなってきます。
明日は早いので9時過ぎには就寝です。
3月25日(火曜日)
4時に目を覚まし、残り火に薪をくべて小屋を暖めます。
それぞれ用意したお弁当を食べて出発の準備をします。
この辺は皆さん手慣れたもので瞬く間に準備が整います。
On氏の車に乗って登山口へ向かいます。
登山口となる最終除雪地点は、芽室小屋から6キロほど手前にあります。
道路の右手に大きな浄水施設があります。
芽室岳は遙か彼方に見えています。
5:30分、いよいよ、芽室岳に向かってスタートを切ります。
今回はスノーシューを使って縦走する計画となっています。
除雪最終地点に盛り上げられた雪を越えると、しばらくは舗装道路が出ています。
その舗装道路が出ていたのも400~500mほどで、その後は柔らかい雪が行く手を遮ります。
今回の縦走で一番危惧していたのが、お彼岸に降った雪のことです。
春先のお彼岸に天気が荒れるのは、北海道ではよくあることです。
今年もお彼岸には爆弾低気圧が北海道の南岸を通り抜け、オホーツク海で発達したため道東を中心に大荒れとなっていました。
この影響でどのくらい山に雪が降ったかが心配だったのです。
林道の様子を見ると柔らかい雪が歩くと臑ぐらいの深さになります。
スノーシューで歩くには深い雪です。
この深い雪を我慢して歩き続けます。
途中で休憩を入れますが、思ったように歩けていません。
8:25分、約3時間かかって、やっと芽室小屋につきました。
芽室小屋は深い雪の中です。
私の予定では、2時間くらいでこの小屋まで歩けると思っていましたが、それより1時間も多くかかってしまいました。
ここで、ゆっくり休憩を取ります。
小屋の裏手には沢が顔を出していますので、ここで最後の給水をします。
さあ、気持ちを入れ替えて芽室岳を目指しますが、雪の深さが膝ほどあります。
この時期だと雪面の表面がクラストしているのでそれほど沈まないと思っていたのですが、お彼岸に降った雪が思った以上に深いようです。
この降り積もった新しい雪が私達の行動を妨げます。
交互にトップを変わりながら登りますが、思うように進めません。
今日の予定は、芽室岳を越えるはずなのですが、とてもそんなには進めないようです。
我慢の登高が続きます。
クマゲラが掘った穴でしょうか?
こんなものが気持ちを和らげてくれます。
やっと雪庇のある稜線に出ましたが、まだまだ雪が深いのです。
芽室岳の山頂は、まだまだ先の方にあるます。
この光景を見て、一気に気持ちが沈んできました。
時計を見ると12:40分になっています。
この先の地形を見ると西峰の分岐に向かって延びる尾根の先に大きな雪庇がありません。
雪洞を掘るならこの辺りしか適地がないようです。
高度計の標高は1,400mを指しています。
芽室岳の標高は、1,753mですので、まだまだ350mもあります。
ちょっと時間は早いのですが、雪洞を掘ることにします。
いつものように雪の深さを測ります。
後はいつもの手順に従って1mほど離れたところに2カ所同時に横穴を掘り進めます。
この辺の手順は慣れているので、暗黙のうちにどんどん掘り進めます。
約2時間で雪洞が完成します。
雪洞の中に張ったテントの中で休みます。
On氏はテントの外で水作りを一人でやってくれます。
私は、背中が疲れのため痛いので少し横になって身体を休めます。
めいめいが、お酒を飲んだりして身体を休めます。
夕食を済ませると、まだ早いのですが7時過ぎには寝てしまいます。
3人用のテントに4人で寝るのですからかなり窮屈なのですが、お互いの身体が密着しているとその分暖かいので寒さは凌げます。
今回の私は、夕食も食が進まずいつもの半分も食べられませんでした。
そんなこともあって、夜もウトウトしているだけで、熟睡感がないままに朝を迎えてしまう有様です。
3月26日(水曜日)
朝4時に起きます。
朝食を済ませて6時には歩き出します。
昨夜一晩お世話になった雪洞です。
まずは、芽室岳西峰への分岐を目指して登ります。
芽室岳の山頂は、一番左手にあります。
350mの標高差を目指して歩きます。
昨夜の眠れない状態を考えると横になっていた時間が長いので疲れはそこそこ取れておるようです。
思ったより身体が動きます。
とはいっても、尾根の傾斜がどんどん増してきます。
しかし、雪面の状態が堅くなってきたので思ったより歩く易くなってきました。
西峰への分岐を回り込むとやっと芽室岳山頂手前にあるコルに到着です。
ここからはグングン歩き易くなってきました。
7:45分、芽室岳の山頂に到着です。
一気に視界が開けます。
これから歩くピパイロ岳から伏美岳まで全部見えています。
それにしても、1967m峰がかっこよく見えています。
いつも思うことですが、なぜこの山に名前が付かなかったのか不思議に思っています。
こんなに姿がいい山なのに?と思うのです。
風は強いのですが、何より天気がいいのが心強いです。
芽室岳の山頂まで来て、今まで気になっていた心配事が一気に晴れました。
4人の気持ちが、「行ける!」に変わりました。
山頂での記念写真を終えるとつぎの目標であるピパイロ岳を目指して芽室岳からの稜線を一気に降ります。
30分ほど一気に降ってしまうと芽室岳は遠くになってしまいます。
しかし、前を見るとピパイロ岳は少しも近づいていないのです。
ここからは、雪庇にも注意しながら歩かねばなりません。
いくつものコブ山を越えます。
ところどころ雪庇の根元に亀裂が入っています。
昨年ほど大きなものではありませんが、やはり注意しなければなりません。
今日も気温が高いので雪庇の崩落も頭の隅に置いて歩かなければなりません。
雪の表面は、堅いところもあればサラサラの所もあり、どこを歩くか十分に吟味して歩かなければなりません。
途中で、クラストした雪を踏み抜いてしまい腰くらいまで落ちてしまいました。
注意していてもこれですから、やはり雪の上は危険が一杯です。
それにしても、今日は遠くまでよく見えています。
この景色を見るために冬の山に登っているようなものです。
神々しさを感じさせてくれる光景です。
単調な尾根歩きは疲れますが、コブを一つ越えるごとに新しい景色を見せてくれます。
走行して歩いていると芽室岳も遙か彼方に小さく見えるようになっていました。
一番右に見えるコブが芽室岳です。
大きな雪庇が張り出しています。
もうすぐルベシベ山の分岐近くという場所です。
この雪庇の大きさには緊張しました。
慎重に歩きますが、シュカブラで堅くなっており50cm以上の段差があるなど歩きづらいのです。
時計を見ると午後1時を回っています。
ルベシベ山の分岐まで300~400mというところまで歩いてきました。
この先に雪庇は無くなるのでメンバーで相談した結果、出来るだけ雪庇の先へ向かって歩き、そこで1泊しようということになりました。
13:40分、この辺で雪洞を掘ることにします。
昨日と同じように約2時間で雪洞が完成です。
On氏がいうには、昨日の水作りに思った以上燃料を消費したので、今日は少な目に造るとのことです。
私達は雪から水を造るためにガソリンを燃料とするMSRのストーブを使っています。
今回は気温も高いので1人当たりの行動用の水は2リットルで計算して水を造っています。
そのため、燃料の消費も馬鹿にならないのです。
ここは、燃料の消費も最小限にとどめ、これから先に備えます。
今日は、よく歩いた1日でした。
この調子で歩けば、予定より1日多くかかるけれど何とか目鼻が付いてきました。
少し気持ちに余裕が出来てきました。
今回の縦走中の天気予報は最高です。
気温が高く、晴れが続くという予報なのです。
そんなこともあって、今日一日かなり頑張って歩いたので明日はピパイロ岳は越えられそうです。
この縦走中、携帯の電波は繋がっていました。
私は、電源を落としていましたが、On氏は携帯で奥さんから天気予報などの情報をもらっていました。
日高の山だけでなく、道内の主要な山でも山頂や尾根にいると携帯の繋がるエリアは広くなっています。
緊急連絡に携帯が使えるというのは心強いことです。
さあ、明日はピパイロ岳を目指します。
ピパイロ岳の肩まで行けば主稜線歩きが繋がるのです。
頑張らなければ行けません!!
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