こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

カイルベルトのCDを買わなければいけません!

2010年11月15日 22時45分40秒 | ベートーヴェン
先日、私がよくお邪魔させてもらっている、うぐいすさんのブログ「Cla_PA!(クラシックパーキングエリア)」(http://cla-pa.at.webry.info/)で、ブラームスの交響曲第2番のベスト盤として、ヨゼフ・カイルベルト指揮BPOの演奏をあげおられる記事を拝読いたしました。それで、そういえば、カイルベルトの演奏は、ブルックナーの交響曲第9番をこのブログでも取り上げましたが、ベートーヴェン、ブラームスやモーツアルトなどの演奏については、まったく聴いたことがなかったのです。別に絶対聞かなければならないものでもないのですが(笑)、カイルベルトは、戦後のドイツを代表する指揮者で、あそらくそこにはドイツの伝統的な音作りが聞かれるに違いないと思い、途端にカイルベルトの演奏が聴きたくなったのです。

カイルベルトの演奏は、LPの時代は廉価盤でよく出回っていたのですが、CDになってからはそんなに見なかったのですが、一昨年に生誕百年記念ということで、ワーナーから「巨匠カイルベルトの芸術」ということで、全15タイトルが発売されました。このシリーズで私が欲しいCDはすべて揃っています。しかし、このシリーズはブルックナーは買ったのですが、他は買っておらず、ベートーヴェン、ブラームスやモーツアルトについては買わなければいけませんと思ったのでした。まあ1枚当たり1000円以内ですので…。それでH○Vなどでネットで見ますと、もう売り切れのやつもあるんですねえ。ベートーヴェンのうち、2枚ほどは他の中古やさんなどで見つけなければなりせんね。そんな中、たまたまamazanの中古で買ったのが、ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』であります。ヨゼフ・カイルベルト指揮ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏。1957年の録音であります。このハンブルク国立フィルハーモニーというのは、ハンブルク州立歌劇場の座付きオーケストラだそうです。あまり聞きませんかね。

まず、このハンブルク国立フィルハーモニーなんですが、さすがにドイツのオヶの底力を感じさせるものです。実に安定した渋い響きでなかなかいいですね。ドイツには、こんなオケがいろんなところにあるんだなあ、って思ってしまうようですね。そんなオケを、カイルベルトですが、これまた正攻法で、ほんとにオーソドックスなスタイルでの演奏。実にまともな普通の印象を受けます。それでいて、私的にもこれまで聴いた英雄の中でも、かなり気に入ったものと思います。それは、なんといってもこのオケからカイルベルトが引き出す音色には、派手さはないが、ベートーヴェンの音楽に合った渋さを感じます。これがいい。そして、非常に曲の輪郭と構造がしっかりしている演奏と思います。その大枠の強固なところがこの曲を客観的にとらえ、そして余裕をもってこの曲のいいところを確実に浮かび上がらせているのです。録音がそれほどよくないのが、残念ですが、オケのそしてここぞという時の迫力に満ちた演奏が聴けるところも嬉しいところですねえ。

第1楽章から。非常に柔らかい音。そして、派手さはなくおとなしめの演奏。インテンポで曲は進みます。そして、非常に透明感があり、音も雑にならない。聴き慣れた曲だが特に新鮮に感じる。第2楽章も大仰な表現もないし、それほど思い入れも感じないのですが、何故か心に染み込むのです。それはこの演奏の明晰さによるのかなって、感じました。加えて木管の響きもいいですね。そして第3楽章スケルツオ。非常に活気に溢れ、躍動感に満ち、加えて熱気をはらんできます。それはまるで第2楽書の重い気持ちを吹き払うようです。それで、オケの演奏はこれまで同様。粗くならずインテンポであります。そして、第4楽章になだれこむ。ここでは一層オケは雄弁になり、各楽器の切れ味豊かで、次第に迫力に満ちた演奏が聴けます。このあたりがこの演奏の白眉か。カイルベルトは曲の細部まで明確、そして最後は怒涛のアッチェルランド。これも爽快な気持ちで曲が閉じられますね。そして、満足満足。また続く『フィデリオ』序曲や序曲『コリオラン』も、集中力に満ちた演奏です。

カイルベルトのベートーヴェンは、第九以外は録音がのこっているみたいです。カイルベルトのような指揮者がまだまだドイツにはいてはるんでしょうねえ。

(TELDEC WPCS-6055 巨匠カイルベルトの芸術6 2008年)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジョージ・セルのベートーヴェン | トップ | ドミンゴ、ワーグナーを歌う »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
入手せねばなりませんね! (うぐいす)
2010-11-16 22:19:53
mikotomochi58さん、こんばんは!
拙ブログへのトラックバック、ありがとうございます。

カイルベルトのベートーヴェン、入手されたのですね。うぐいすはまだ入手してないのですが、ベートーヴェンならまずは「英雄」からかな~、と思っていました。カイルベルトというとワーグナーの楽劇、1950年代の一連のバイロイトライヴを知るのみでしたが、最近はドイツ物の管弦楽曲の演奏にも興味がわいてきています。

ブラームスの2番はカイルベルトの手堅さに加えて、オケが60年代のベルリン・フィルということもあり、重厚な音色と繊細な弱音が素晴らしいです。金管の爆発力も凄いですし、美しく色艶のある木管の音色にも惚れ惚れしてしまいます。とてもバランスが良くてお気に入りの演奏となっています。
返信する
ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2010-11-16 22:27:54
うぐいす 様、ご丁寧にありがとうございます。カイルベルト「復権」は、やはりあのバイロイトのリングでしたねえ。あれがなかったら、忘れられていたでしょうし、テルデックのシリーズも出なかったかも知れませんね。先日、H○Vで入手出来る可能なCDが数枚あったので注文しました。ブラームスもであります。これはオケがBPOというのも魅力ですねえ。またご教示ください。
返信する

コメントを投稿

ベートーヴェン」カテゴリの最新記事